やじうまミニレビュー
ニトムズ「コロコロ フロアクリン」
ニトムズ「コロコロフロアクリン」 |
いま住んでいるマンションの床は、ほぼ全部がフローリングだ。フローリングは、畳やカーペット敷きに比べホコリがフワフワと浮きがちで目立つので、ある程度頻繁な掃除が必要だ。
かといって、ちょっとした汚れが目につくたび掃除機を出してくるのは大変である。気がつくたびにちょっとホコリをとる「ちょいちょい掃除」の道具が必要だ。そこで、もっぱら使っていたのが、フローリングワイパーである。ご存じの、使い捨てのホコリ取り紙(ワイパーシート)を本体にセットして、床を拭く道具だ。
ホコリや抜け毛などをよく吸着し、力もいらないし、気軽に一日何度でも手に取れる。一枚のワイパーシートが思いのほか長く使えるし、掃除機と違って音がしないのもいい。シンプルな作りなのに、よくできた掃除道具だと思う。しかし、ほぼ文句なしのフローリングワイパーだが、不満がないこともなかった。
ホコリや抜け毛などの細かい汚れはとてもよく取れるのだが、ちょっと大きなものは取ってくれない。たとえば、乾いたごはん粒やゴマ、厚紙のかけらや小さな紙くずなどは残ってしまうのである。また、拭きたいところをすべて拭き終わって、最後にワイパーを持ち上げると、少しだけだがせっかく取ったホコリが落ちて残ってしまうのも気になる。
■フローリングで使えるコロコロ
そこで、浮上してきたのがコロコロという道具だ。粘着シートを転がして汚れを取る掃除用具である。
「コロコロ」という呼び名は、誰からともなく自然発生した通称だと思っていたのだが、実は株式会社ニトムズの商標登録なのだそうだ。商標を避けて呼ぶときには「粘着カーペットクリーナー」と呼ぶ。このことからもわかるように、本来コロコロはカーペット用であり、毛足に入り込んだ汚れを取るための商品として発足した。
当然粘着力が強い。フローリングなどつるつるした面に使うと、貼りついてしまって掃除にならないと聞いていた。しかし、そのニトムズから、フローリングにも使えるマルチタイプのコロコロが発売されているのだ。
「フローリングに最適!」「ワイパーでは取りきれない大きなゴミもラクラクキャッチ!」という、こちらの心をそそるキャッチフレーズがついている。さっそく試してみることにした。
メーカー | ニトムズ |
製品名 | コロコロフロアクリン |
希望小売価格 | 1,580円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 1,239円 |
「コロコロフロアクリン」は、おなじみのガムテープを細長くしたような粘着テープを、本体シャフトに取り付けて使用する。このシャフトは伸縮して、長さは61cmから90cmまで調節できる。立って床を掃除するときは最大の90cmでちょうどいい感じだ。
粘着テープ部分には、ホコリよけとスタンドを兼ねたカバーがついている | 最も短い61cmの状態で使っているところ。ちょっとした掃除に | 最も長い90cmの状態だと腰が伸びて楽に使える |
■ワイパーにはできないことができる
さっそく使ってみよう。
テープのパッケージをめくって粘着面を出し、表面に印刷された矢印の方向へ軽く転がす。そうしてから本格的に使い始める。最初に反対方向に転がしてしまうと、テープがめくれて床にくっついてしまうことがあるらしい。
フローリングに、「コロコロフロアクリン」を転がして歩きまわってみた。回転するにつれて、ツーッという軽い音がし、テープが床に貼りついては離れていく独特の感触が手に伝わる。貼りつきすぎて重い感じがすることもなく、快適だ。
リビングをひとわたり転がしてみてから、テープの表面を見ると、この日最初の掃除だったこともあり、気まりが悪いほど汚れがついている。ホコリや抜け毛はもちろん、段ボールのかけらなど大きいものも取れていた。
大きい汚れも取れるのは予想通りの満足だったが、予想外でよかったのは、マルチタイプと言うだけあって、マットなど毛足のあるものにも使えることだ。フローリングを掃除しつつキッチンマットにそのまま乗り上げて、掃除を続けることができる。これはフローリングワイパーではできなかったことだ。
汚れたら、ミシン目からカットして新しい粘着面を出す | ホコリのついたマットを掃除する。右半分が掃除した部分 |
また、板と板との間の溝のホコリはワイパーではうまく取れないのだが、「コロコロフロアクリン」は弾力があるので、そこの汚れも拾う。ベッドの下のすきまにも入りやすいので、奥まで掃除できる。
我が家のワイパーでもできないことはないが、ホコリがうまくくっついてくれずもどかしい。コロコロだと、ホコリが飛び散らず、うまくくっついてくれる。
テープの使い始めは表面の接着成分が有効で、床にくっつく手ごたえがあるが、だんだん表面にゴミがくっつくにつれ手ごたえがなくなってくる。
ころがすところの素材を選ばないので、ビニール張りの床に置いたマットもそのまま掃除できる | 低いベッドの下でも掃除しやすい | 持ち手が長いので、ベッドの一番奥まで手が届く |
そうなったらテープのミシン目を切って、次の1回分を新しく出して使用するわけだ。ちなみに、このテープ1巻で、30回分使える。この日は、めくっては使い「まだこんなに取れた!」といってはまた使いして、面白がって10枚近くも使ってしまった。
ちょっと残念なのは、テープをちぎるたびにゴミを間近に見てしまうこと、テープのへりについたゴミが少し残ることだ。ついでに言えばフロアクリン用のテープは専用となるので、100円ショップなど売っている代用品が使えず、2巻で600円の純正品を買う必要がある。
使用後は、このように立てておける |
使ったあとは、ホコリよけとスタンドを兼ねた付属のケースに入れて立てておける。テープの部分をケースに収め、下に押しつけるとワンタッチでケースが閉じる。
使うときはシャフトを下に押しつけながら奥に傾けると、パカッとケースが開く。どちらも完全にワンタッチではなく、出し入れに片手を添える必要はあるが、「きちんと収納しながらも、使うときは気軽に出せる」ということを考えた、親切な工夫だと思う。
■コロコロ一本でも掃除ができる
今回、初めてコロコロを家の掃除に導入してみたわけだが、とても使い勝手がよく、使う人が多いわけがわかった気がする。新しくワンルームで一人暮らしをする人などは、最初はマルチタイプのコロコロ一本で掃除をするのがいいのではないだろうか。
左からフローリングワイパー、「コロコロフロアクリン」、スティック掃除機。3つとも有能な掃除道具だ |
実家でろくに掃除をしたこともないのに、いきなり立派で重い掃除機などを買ってしまうと、それこそ億劫で使わなくなる危険がある。
我が家では現実的には、掃除機、クリーニングワイパー、コロコロの3つを併用する体制に落ち着きそうである。
家全体を掃除するときはやはり掃除機である。そのあとのちょいちょい掃除には、とりあえずワイパー。コロコロに比べて、シートの交換が圧倒的に少なくて済むのが気楽である。そして、ワイパーではとれない大きな汚れや、ワイパーが最後に取りこぼしてしまうホコリなどをコロコロにフォローしてもらいたい。何より、くるくる回る愉快な使い勝手が捨てがたい。
これからの季節、窓を開けるので砂ボコリが増える。コロコロの出番が増えそうだ。
2010年 3月 12日 00:00
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