やじうまミニレビュー
MBT「スポーツ 20 LMT020」
■ダイエット活動の一環として、靴を「MBT」にしてみた
正面から見ると普通のスニーカーに見える「MBT」。選んだのは男女兼用の「スポーツ 20」というデザイン |
目下ダイエットに取り組んでいる。「ダイエットしたいの~。だけどこれおいしそうだからダイエットはまた明日からにしちゃおウフフ♪」なんて生やさしいものではない。8月中旬頃から開始した1時間のウォーキングを皮切りに、本気でダイエットしているのである。2カ月少々経過した時点で約9kg減量していることからも、その本気度はおわかりいただけると思う。
口先だけで本腰を入れていなかったからというのが最大の理由だろうが、これまで何度も失敗した反省を踏まえ、今回は大量にまとってしまった体脂肪を減らしつつ、基礎代謝量を上げるための「運動」と、必要以上のカロリーをとらないような「カロリーコントロール」を軸に、できる限りの方法を試してみようと考えた。ウォーキングは始めたし、本も読んだし、本誌ですでにご紹介済みの「レッグマジックX」ももちろん活用。置き換え食やサプリメントも導入した。そのうちの一つが今回ご紹介する靴「MBT」である。
メーカー | エバニュー |
製品名 | MBTシューズ スポーツ 20 LMT020 |
希望小売価格 | 32,550円 |
購入場所 | 京王百貨店 |
購入価格 | 32,550円 |
当初ウォーキングには適当なスニーカーを履いていた。「専用のシューズを履いたほうが効果的かな?」と考えていたところ、すでに「MBT」を利用していた知人らが「通勤のときMBTを履いて歩いていたら、体が引き締まっていつの間にか痩せていた」「ずっとMBTを履いて歩き回っていたら、ジーンズが1サイズ落ちた」などというのだ。これは試さないわけにはいかないのである!
■マサイ族の素足生活からヒントを得た「MBT」
「MBT」とは「MASAI Barefoot Technology」の略。MASAIとは南アフリカの遊牧民マサイ族、Barefootは素足。「MBT」の技術コンセプトは、素足で地面を歩き回りながら、しなやかな身体を維持する彼らの生活から得られている。
見た目は厚底スニーカーだが、ちょんと踵をつつくと前後にユラユラ揺れるほど靴底が丸いのが最大の特徴。普通の靴では絶対に起こりえないことだ。ポイントは「マサイセンサー」と呼ばれる弾力性に優れたパーツと、踵部分の丸み、およびつま先がやや持ち上がったソール構造にある。これが不安定さを生み出しているらしい。
このため、「MBT」を履くことで踵からつま先にかけての自然なローリング運動が起こり、都会の舗装道路の上でも、柔らかく不均一で不安定な自然の大地を歩いているような状態を再現し、効果的に筋肉を鍛えられるトレーニング効果を生むのだとか。
横から見ると底が丸く、かなりの厚底であるのがわかる | 背後から見ると、踵部分が特徴的 |
紡錘型に見える部分が「マサイセンサー」 | 「MBT」の裏側 |
足に履くわけなので「靴」といいたいところだが、「MBT」は従来の靴の機能性に疑問を呈しており、自身を“The anti-shoe”としている。強いていうなら「フットウェア」というわけなのだ。
■「MBT」はまるで「履くぶるぶるマシン」
最寄りの販売店を探したところ、新宿の京王百貨店で取り扱っていた。なにせ専門の販売員の指導を受けねばならないというのだから尋常ではない。サイズ表記も独特なので、気になるデザインを選んだら通常の靴のサイズを伝え、あいそうな商品を出していただいた。そこで中のソールを取り出して、踵を合わせながらサイズをチェックする。踵をぴったり合わせたときに、つま先に2cm程度の余裕がなければいけないらしい。
合うサイズが見つかったら試着だ。ここでも踵をぴったり合わせ、しっかり紐を結ぶよう指導された。そのままスタッフの指示で直立してみると、これが本当に不安定で不思議な感覚なのだ。踵に重心をおくよう意識しながら姿勢を正し、まっすぐ前を見る。するとつま先が上がっているためユラユラするのだ。普通の靴のように平坦ではないので、まっすぐ立つのも難しい。体幹部の筋肉はなんとかバランスを保とうと必死だ。
「MBT」の靴底がどれだけ丸いか、動かしてみた |
トレーニングジムなどで「ぶるぶるマシン」を体験したことのある方は、あの揺れるボードの上にいる感覚を想像していただくといいだろう。「MBT」はまるで極小の履く「ぶるぶるマシン」といった感じなのである。
歩いてみると有無を言わさずつま先があがるのが分かった。踵が丸いので着地したときふくらはぎがグッと伸びる。歩く度にふくらはぎを伸ばすストレッチボードに乗るようなものだ。しかもマサイセンサーの弾力なのか、体重をかけて歩いているときもどこか平坦さは感じない。常に何らかの筋肉が緊張する感覚が分かった。
確かにこれは何の情報もないまま履いたら大変である。説明によればいきなり1日中履いてはいけないという。最初は室内で装着してまっすぐ立つ練習をし、はじめの1週間は1回の着用時間を15分程度にとどめたほうがいいとのことだった。徐々に使用時間を延ばしていくと、1カ月程度で2時間ははき続けられるようになるという。
最終的に選んだのは、ウォーキングと普段使いの両方で合わせられそうな、オーソドックスな黒いデザイン。男女兼用のスポーツタイプである。購入するとDVDと取扱説明書が同梱されるから驚きだ。説明書が必要な靴(ではないが)はこれが初めてである。
インソールが入っており、取り出してサイズ合わせを行う | ロゴにはさりげなくマサイ族が!? | 使用説明書と解説DVDがついてくる |
■ふくらはぎが引き締まってきたような気がする!
実際に履いてみたところ |
帰宅後、DVDをチェックしてから改めて装着して立ち上がってみた。踵で立っているような感覚にふくらはぎが必死だ。試し履きで近所のコンビニまで買い物に出てみたところ、足が疲れてしまった。そこからしばらくはスーパーまでの往復など、比較的短時間の使用にとどめつつ体を慣らしてみた。
それまでのウォーキングが功を奏したのか、幸い筋肉痛にはならなかったが、ある日買い物で小一時間歩き回ったところ、帰宅後に全身運動後の筋肉疲労に似た倦怠感を感じ、急激な睡魔に襲われて眠ってしまったことがあった。普通のスニーカーでは全くあり得ないことだ。その後も買い物や習い事で履いてみたが、それまで久しく感じたことのない筋肉疲労を感じ続けた。
歩いてみると自然とつま先が上がり、足の裏側の筋肉が伸びる。歩幅は小さめがいいらしい |
積極的に履き続けていたところ、なんとか歩行には違和感を感じなくなってきた。20日近く経過した現在では1時間のウォーキングでも問題なく履き続けられるようになったが、走るとなるとまだ少し難しさを感じる。また、立った状態で上を向くと、そのまま後ろにひっくり返りそうになるので注意が必要だ。
気になる成果をお知らせしよう。使用開始からまだ1カ月経過していないことや、ダイエット活動が「MBT」だけではないこともあり、体重やサイズなどで明確な数値を提示するのは難しいのだが、まず第一に明らかに足首からふくらはぎにかけて引き締まったと感じている。もちろん自分比であり、世間一般の女性と比べればまだまだだが、マッサージしてみると以前と比べて硬く絞れた感じがするのだ。さらに減量途中で買い換えたばかりのジーンズがはきやすくなっていることに気づいた。サイズダウンまでは至らないが、明らかに足が通しやすい。これだけでは「ジーンズが伸びたんじゃないの」と思われるかもしれないが、鏡に映した自分の太ももの後ろ側のラインが、たるんだストレートから筋肉質風のカーブに変わってきているのだ。これはかなり嬉しい兆候だ。
「MBT」を履いている限り姿勢の悪いペタペタ歩きとは無縁になる。おかげで意識的に出かけるウォーキングだけでなく、買い物などの日常的な歩行もエクササイズになっているといっていいだろう。さらにはき続けることで、もっと嬉しい成果が得られそうな気がしてならない。「MBT」はこれから長い付き合いにしてゆきたいと感じる“フットウェア”である。
なお、一般的な靴とはかなり使用感が異なるため、医師の治療を受けている方や持病がある方などは必ず医師に相談されたほうがいいだろう。
2009年 10月 28日 00:00
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