【特別企画】

LED電球、どれを買う? 2010

東芝「E-CORE ミニクリプトン形3.4W」

~購入しやすくなったE17口金LED電球を試す
by 藤原 大蔵

 

E17口金タイプも購入しやすい価格に


東芝ライテック「E-CORE(イー・コア) ミニクリプトン形3.4W LDA3L-E17」
 LED電球というと、家庭の電球ソケットで一般的なE26口金に接続するタイプが主流。しかし最近は、ダウンライトや小型の電気スタンドでよく使われるE17口金用のLED電球も、大手家電メーカーを中心に市場に並び始めた。発売当初は5,000円近くと、気軽に購入できる価格ではなかったが、市場全体の価格下落とともに、現在では3,000円以下と、E26口金のLED電球と同様に手に入りやすくなった。

 今回紹介する、東芝のE17口金LED電球「E-CORE ミニクリプトン形3.4W LDA3L-E17」も、2,555円(2010年6月時点)と、求めやすい価格となっている。ラインナップは電球色と昼白色の2種類。調光器には非対応だが、密閉形器具には使用できる。

 既に紹介している東芝のE26口金LED電球は、明るく光色も良好だったこともあり、E17口金タイプについても期待がかかる。今回は、この東芝のE17口金LED電球について、一般家庭でよく利用されるミニクリプトン電球(60/40W形)・電球形蛍光灯(40Wタイプ)と比較し、実力を探っていこう。

 なお、比較用の電球形蛍光灯は、小型で光色の良いNECライティングの「コスモボール・ミニ」を使用する。また、25W形ミニクリプトン電球は、単体では暗く、室内照明としては用途が少ないため、比較対象から外させていただく点をご了解いただきたい。

シリーズ名E-CORE
タイプミニクリプトン形3.4W
品番LDA3L-E17
定格消費電力3.4W
白熱電球と比較した
明るさ
60W形相当
購入価格
(Amazon.co.jp 5/5時点)
2,555円
光色電球色相当
色温度2,800K
口金E17
全光束220lm
最大光度56cd
定格寿命20,000時間
白熱電球と比較した
明るさ(ランプ単体)
25W形の約85%
白熱電球と比較した
明るさ(直下部)
60W相当
調光器対応-
密閉器具対応
サイズ60×110mm(直径×高さ)
重量75g

※ミニクリプトン電球はパナソニックの「LDS100V54WWK」「LDS100V36WWK」(いずれも250円で購入)を使用

※E26口金の照明器具では、E17口金の変換アダプタを使用



【基本スペック編】


サイズ比較

 パッと見の感想は“太い”。サイズは73×43mm(高さ×直径)で、数値だと、ミニクリプトン電球よりも6mm背が高く、8mm太いことになる。ミニクリプトン電球自体がもともと小さいので、ずいぶん大ぶりな印象を受ける。
 
 とは言うものの、口金付近に向かって細くくびれており、放熱部分の仕上げも白色で、器具から見えてもそれほどゴツイ印象ではない。重さは63g、小型LED電球の中では重めではあるが、器具に負担がかかるほどではないだろう。

 ちなみに光源部分は、E26口金タイプと同様に樹脂で覆われており、内部のLEDが薄く透けて見える。

高さは73mm(中央)で、60/40Wタイプのミニクリプトン電球(左)と比べると6mm高く、電球形蛍光灯よりも14mm低い。重量は63gと、LED電球の中では少し重め直径は43mm(中央)。ミニクリプトン電球(左)より5mm太い。もともとが小さい電球なので、余計に大ぶりに見えてしまう。光源部分は樹脂製でLEDが薄っすらと透けてみえる

器具に取り付けたようす

 照明器具に取り付け、点灯していない際にどのように見えるかを試してみたい。パターンは2種類。ダウンライトなどの取り付けを考慮し、電球がすっぽり覆われるほどシェードの深い器具、電球自体が器具のデザインの一部となるようなシェードの浅い器具に、それぞれ取り付けてみた。

 シェードが深いタイプの器具では、はみ出ることなく、問題なく収まった。白色の放熱部が多少見えても特に違和感はない。

【ミニクリプトン電球:40W】
電球の球体部が見える角度から撮影。60Wのものも見え方は全く同じなので割愛
【電球形蛍光灯】
らせん状の蛍光管がかなり目立つが、器具内には収まっている
【東芝E17LED
ミニクリプトン電球よりも大ぶりではあるが、収まりは良い。放熱部も白色で違和感はない

 一方、浅いシェードの器具の場合、放熱部が完全にはみ出してしまい、器具とのバランスが崩れてしまった。点灯してもガラス製のシェードに光が届かず、器具本来のイメージが得られない。取り付ける器具のデザインに注意をはらう必要があるだろう。

【ミニクリプトン電球:40W】
器具とのバランスを見るため真横から撮影。器具のデザインと一体感がある
【電球形蛍光灯】
蛍光管が完全に飛び出してしまい、フォルムが崩れてしまった
【東芝E17LED
それなりに収まっているのだが、放熱部が器具よりも飛び出してしまい、あまり格好が良くない

【ミニクリプトン電球:40W】
点灯するとシェードも輝く
【電球形蛍光灯】
シェードには光はまわるものの、やはりバランスは良くない
【東芝E17LED】
点灯してもシェードにはほとんど光が届かず、器具の特徴が活かされない

光の広がりかた

 光源部を中心に、球形に近い光を放っている。ソケット方向や側面への光の広がりは、クリプトン電球や蛍光灯に比べて弱いが、他のLED電球同様、光がより遠くまで届いている。

【ミニクリプトン電球:60W】
ソケットぎりぎりまで明るい。電球を中心に床面に近いところから光が広がっている
【ミニクリプトン電球:40W】
光の広がり方は60Wのものと同じ

【電球形蛍光灯】
ソケット付近にもかなり光が届いている。しかし遠くまでは光が届かない印象だ
【東芝E17LED】
ほぼ球形に光が拡散している。ソケット付近と側面への光の回り込みは弱いが、光の伸びは良く、遠くまで届いている

明るさ(55cm直下の照度)

 明るさは少々物足りない。小型電球形蛍光灯よりも暗い251Lxという結果だった。明るさは、E26口金のLED電球40Wクラスと同じぐらいなので、小さいながらも健闘していと言えるが、天井に近い器具にとりつけた場合、どうしても明るさは物足りなくなるだろう。せめて電球形蛍光灯並みの明るさは欲しかった。

【ミニクリプトン電球:60W 785Lx】
光源を55mm上方にセットし、直下照度を計測した

【ミニクリプトン電球:40W 497Lx】

【電球形蛍光灯 328Lx】【東芝E17LED 251Lx】
ミニクリプトン電球や蛍光灯と比較すると、数値でも見た目でも暗い。一応、LED電球40Wタイプのものとそれほど変わらない明るさはある



 正直なところ、明るさはイマイチという感がぬぐえなかった。というのも、他社のE17口金のLED電球には、ミニクリプトン電球と同じ大きさでかつ明るいものがあるからだ。逆に考えれば、小型のデスクライトや雰囲気を演出するようなインテリアライトには向いているかもしれない。



【実使用編】

 次は実際の生活シーンに取り付けて、よりリアルな使用感から見てみよう。密閉型器具に対応しているので、浴室や密閉型のインテリアライトにも使用した。

玄関

 玄関にはちょうど良かった。さすがに60Wタイプのミニクリプトン電球と比べると物足りないのは事実だが、40Wタイプのミニクリプトン電球や、小型電球形蛍光灯の明るさで満足しているのであれば、それほど暗くなったという印象にはならないだろう。光色も良く、肉眼ではまずまずの印象だった。

【ミニクリプトン電球:60W】
床面まで光が届き、十分な明るさがある
【ミニクリプトン電球:40W】
玄関としては、もうすこし明るさが欲しいか

【電球形蛍光灯】
40W形のミニクリプトン電球とほぼ同じ明るさが感じられる
【東芝E17LED】
40W形のミニクリプトン電球の明るさで満足しているなら、これはこれでアリだろう

浴室

 結論を先に言えば、浴室での使用は避けておいたほうが良いだろう。

 密閉器具に対応しているため、浴室での使用も可能ではある。しかし、どうしても明るさが損なわれてしまい、清々しい気分になりたい浴室ではもっと明るさが欲しいところだ。電球の側面からの光があまり期待できないため、狭い空間であっても壁からの反射光があまり望めない。

【ミニクリプトン電球:60W】
浴室全体に光が行き渡り快適な明るさだ
【ミニクリプトン電球:40W】
少し物足りない明るさだが、まだまだ十分な明るさを感じる

【電球形蛍光灯】
蛍光灯は器具に閉じ込めると明るさがずいぶん落ちる印象だ。浴室の明るさとしては物足りない
【東芝E17LED】
蛍光灯よりもさらに暗くなってしまう。密閉器具対応ではあるが、一灯だけではかなり不満が残る

トイレ

 トイレのような狭い空間ならば、印象は決して悪くはない。もともとE26口金のLED電球40Wクラスの明るさは備えており、さらに光色も良いので、多少暗くても陰気な雰囲気にはならない。撮影時の設定を、60Wタイプのミニクリプトン電球に合わせているので、写真の印象はどうしても暗くなってしまうが、実際にはまずまずの使用感が得られる。

 なお、トイレは点滅頻度が高いため、点滅回数が寿命に影響する電球形蛍光灯の写真は割愛する。

【ミニクリプトン電球:60W】
明るく気持ちよく過ごせる
【ミニクリプトン電球:40W】
少し暗いが狭い空間なので、まだまだ十分に明るく感じる
【東芝E17LED】
写真だと暗めに見えるが、肉眼では決して悪くはなかった。十分、使用に値するだろう

テーブルランプ


 テーブルランプなど、手元に近い位置に置く器具との相性はとても良い。40Wタイプのミニクリプトン電球と比較しても明るは引けをとらず、本を読むのに全く問題ない明るさが得られた。小型電球形蛍光灯よりも光色が良く、自然な色合いが得られる。読書灯やベッドサイドの灯りとしても適しているだろう。

 なお、ここで使用した照明器具は、60Wタイプのミニクリプトン電球には対応していないため、割愛する。

【ミニクリプトン電球:40W】
本までの距離は40cm程。十分に明るく細かな文字もしっかり読める明るさがある
【電球形蛍光灯】
蛍光灯も明るさは十分だが、色味は全体的に少し劣る
【東芝E17LED】
ミニクリプトン電球や蛍光灯と比較しても遜色なく、細かな文字もしっかり読める明るさが得られる

リビングルーム(インテリア照明)

 密閉器具に対応しているため、リビングの密閉型インテリア照明にも取り付けられる。光が器具の上部に若干偏る傾向はあるが、全く気にならないレベル。アクセント照明としてちょうど良い明るさで、直視してもまぶしさが感じられない。一言で言えば“快適”である。

【ミニクリプトン電球:60W】
アクセント照明としては明るすぎる。視界に入ると眩しくて直視できない
【ミニクリプトン電球:40W】
アクセント照明として使用するにはまだまだ明るすぎる。不快な眩しさを感じてしまう

【電球形蛍光灯】
アクセント照明としては使用するにはまだ眩しすぎるかもしれない
【東芝E17LED】
アクセント照明としてはちょうど良い明るさ。光色も良く、落ち着いた雰囲気が演出できる。光は多少器具の上部に集中するが、比較してやっと分かる程度

食事の風景


 演色性、色の再現性はまずまずと言ったところ。多少の色被り(余計な色が加わること)はあるのだが、比較しなければ特に気にならないレベルだ。食べ物はおいしそうに見え、食器の微妙な色合いも識別できる。ただし、一灯だけでは暗いので、複数の電球を使用する使い方が良いだろう。

【ミニクリプトン電球:60/40W】
全体的においしそうに見える
【電球形蛍光灯】
光色の良さに定評のあるNEC製だが、ミニクリプトン電球と並べると全体的に発色が悪く見えてしまう
【東芝E17LED】
演色性は良好。食べ物全体がおいしそう見え、皿の微妙な色合いもわかる。写真では多少の色被りはあるが、肉眼ではほとんど気にならない程度だった。ただし、一灯だけでは十分な明るさにはならいのは正直なところ



白熱電球との交換で、元が取れるのは最短で【9カ月後】

 ミニクリプトン電球と東芝LED電球を交換した場合、60W形では9カ月、40W形ではちょうど1年で元が取れる計算となった(1日8時間使用と仮定)。ミニクリプトン形LED電球の寿命は20,000時間と、一般電球形LED電球の半分ではあるが、元が取れてから6年以上も使用できることになる。しかもその消費電力は2Wほどと、1年間の電気代はたったの100円強。40Wタイプのミニクリプトン電球の1/20以下の電気代しかかからないので、大幅にコストダウンができる。

 電球形蛍光灯と比較した場合、もし問題なく使用できているのならば、今すぐ取替える必要はない。試算では3年1カ月で元が取れる計算となるが、その前に蛍光灯は切れてしまうからだ(寿命は8,000時間=約2年9カ月)。しかし、蛍光灯よりも光色は良く、しかも電気代は1/4になる。蛍光灯が寿命を迎えた場合には、LED電球に取替えることをお勧めする。


使用期間消費電力
(実測)
1カ月3カ月半年
(6カ月)
9カ月1年2年3年
1カ月
4年
東芝E17LED2W2,564円2,582円2,610円2,637円2,665円2,774円2,893円2,993円
ミニクリプトン60W54W539円1,117円1,984円3,101円3,968円7,685円11,941円15730円
ミニクリプトン40W35W436円807円1363円2,170円2,727円5,203円8,115円10,406円
電球形蛍光灯7W817円889円999円1,109円1,218円1,656円2,910円3,312円
※表中の値段は、電球代と電気代をプラスした「維持費」  ※1日の使用時間は8時間と仮定
※白熱電球は4カ月ごと、電球形蛍光灯は2年9カ月ごと電球代を加算する (切れた電球代の購入費として)
※電気代は1kWh=22円で計算


【ミニクリプトン電球:60W  54W】【ミニクリプトン電球:40W  35W】

【電球形蛍光灯  7W】【東芝E17LED  2W】



デスクライトやインテリアライトなど、部分照明にお勧め


 部屋全体を照らすには明るさは物足りないが、テーブル上のデスクライトやインテリアライトなど“部分照明”として利用するには最適といえる。40Wタイプのミニクリプトン電球とさほど変わらない明るさで、かつ照らされても熱さを感じない快適な灯りになるだろう。形が大きめなので、器具はある程度選ぶが、蛍光灯よりも演色性が良好で、複数個同時に使用するのであれば、色味が重要な食卓の上のペンダントなどにも適している。

 電球自体の値段はミニクリプトン電球の10倍だが、電気代は1/20以下。たった1年で電球代の元が取れてしまうので、決して高い買い物にはならないだろう。手元の明かりや、雰囲気を演出する灯りとして、特にお勧めできる小型のLED電球だ。



東芝「E-CORE ミニクリプトン形3.4W」はこんなLED電球

・手元に置くデスクスタンドや、雰囲気を演出する小型の器具に。全体照明には不向き
・演色性が良く、色味が重要な食卓にもOK
・消費電力はわずか2W。毎日8時間つけっぱなしにしても1年間電気代は100円程度
・ミニクリプトン電球と交換した場合、60Wは9カ月、40Wは1年で元がとれる (1日8時間使用)