家電製品ミニレビュー
シングルライフにもぴったり! コンパクトかつお手頃価格な「電気圧力鍋」
by すずまり(2014/6/12 07:00)
これまで購入した調理器具の中で、「買って大正解! 」と思えるものがいくつかある。そのうちの1つが圧力鍋だ。単純に調理時間が短縮できることも嬉しいが、魚の骨まで柔らかく煮込めるなど、通常の煮込み料理では難しい料理も可能になる点も大きな魅力。友達が購入を迷っていたら、即お薦めしてしまうほどだ。
ただ、価格がネックになっていることも多い。実際購入してしまえば出番は増えるはずだが、自身の利用頻度を想像して、後悔しないだろうかと迷うようだ。そんなときはコンパクトな電気圧力鍋から始めてみるのもいいかもしれない。
たとえば今回ご紹介するRELICIAの「コンパクト電気圧力鍋」。基本構成は本体、フタ、内鍋、電源ケーブルの3つで、このほか蒸し用のスタンドとしゃもじが1本、取扱説明書とレシピ集が付属するというもの。これが操作も簡単でとても扱いやすく、手軽に圧力鍋料理が楽しめるのでビギナーにぴったりの製品なのだ。
メーカー | TOHO |
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ブランド名 | RELICIA |
製品名 | コンパクト電気圧力鍋 RLC-PC02 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 9,000円 |
スイッチを入れたらあとはお任せの簡単操作
この製品のおすすめポイントは、とてもコンパクトで場所を取らない、電気が使える場所ならどこでも調理できる、電気なので加熱から加圧、減圧まですべて自動、蒸気が出ない、手入れが楽、お手頃価格の6点である。
まずサイズだが、外形寸法が240×240×300mm(幅×奥行き×高さ)、重さ3.2kgととても小さい。それでも内鍋の容量は2Lあり、ご飯でいえば3合、カレー(後述)なら3~4人分は作れるだけの容量がある。
スイッチを入れたら、あとは完全にお任せにできるところは電気圧力鍋ならではのメリットだ。コンロで調理する時のように火加減を見守ったり調理時間を計る手間が要らない。電気圧力鍋なら、加熱、加圧、蒸らし、減圧という工程を全て自動でやってくれる。
調理メニューは、「ご飯」「スープ」「お粥」「肉類」「ケーキ」の5種類が搭載されているので、メニューでモードを選ぶだけで自動的に加圧時間をセットできる。ご飯は10分、スープは20分、お粥は20分、肉類は12分、ケーキは30分。いずれも前後数分ずつの調整も可能なうえ、5分から最大60分まで加圧時間を指定できる「お好み」モードも用意されている。
ご飯は粘りが増してもっちりやわらかく
まずはご飯を炊いてみた。使用したのは、あきたこまちの無洗米とミルキークイーンだ。
使い方は、材料をセットして炊飯メニューを選んだら、あとは完全におまかせ。内部の圧力が一定に達したところで圧力ピンが持ち上がり、そこから自動的に加圧が開始される。設定時間が経過したらアラームが3回鳴って加圧は終了。しばらくそのままにしておき、自然に減圧されてピンが下がったらフタを開ける。
炊飯時間を計ってみたところ、お米2合で圧力ピンが上がるまで約9分。そこから10分加圧し、アラームが鳴ってからピンが下がるまで約18分。準備時間を除けば、炊飯の所要時間は約38分程度となった。
あきたこまちはうっすらグレーになり、非常に粘りがでた。これは圧力鍋炊飯特有の、デンプン質のアルファ化現象。消化がアップした証でもある。決して鍋が溶けて色がついたわけではないのでご安心を。
もともと粘りのあるミルキークイーンは、あまり色は変わらなかったが、弾力はアップ。どんなお米も、瞬く間にもちもちにしてしまうのが圧力鍋炊飯。いずれもいつもと違った食感と味わいを楽しむことができた。
驚いたのは、蒸気がほとんど出ないことだった。筆者が使っているコンロ用の圧力鍋は、加圧が始まるとシューシュー蒸気が噴出される。しかし「コンパクト電気圧力鍋」の場合、圧力ピンが上がる直前に少し蒸気がでる程度で、あとはとても静かなのだ。蒸気がどうしても苦手という方にとって、これは嬉しいのではないだろうか。
加熱中は数字の左側が回転し、加圧が始まると「P」に変わって数字がカウントダウンされるので、状況が分かりやすい。加圧が終わったら自動的に保温モードに切り替わり、最大8時間は80℃でキープされる。停電しても通電が再開したら調理を継続できるメモリー機能も搭載されているので安心だ。
玄米も浸しなしですぐ炊ける
続いて玄米だ。夜のうちに水で洗い、8時間以上水を吸わせた2合分の玄米と水、塩を内鍋に入れ、「お好み」で加圧時間を30分にセット。減圧の時間も含めると、ピンが下がるまでの合計時間はおよそ60~70分程度だろうか。食べやすい固さの玄米ご飯が炊けた。
玄米炊飯で毎回思うのは浸し時間の長さである。やはり食べたいと思ったときにできると嬉しいもの。試してみたところ、「お好み」で加圧時間を40分にすると浸さなくても炊けることが確認できた。この辺りは量や仕上がりに応じて調整してみていただきたい。
定番の角煮もホロホロに
角煮も1度に2人前が作れた。付属のレシピを参考にしたが、設定時間は下茹でに30分、一旦取り出してからの味付けに5分であった。これだけで安い輸入バラ肉も短時間で軟らかく煮込めたからうれしい。時短調理の恩恵が感じられるメニューの1つだろう。
具がゴロゴロしたカレーも短時間で完成
時短&加圧の恩恵が感じられる料理といえば、もう1つはカレーやシチューだろう。通常は炒めて煮てという工程が必要だが、「コンパクト電気圧力鍋」なら材料を入れて「スープ」または「肉類」で煮込むだけ。フタを開けた状態でも調理できるので、カレーやシチューなどは加圧調理してから味付けをして普通に煮込むといった使い方も可能だ。
最後にカレールーを加えて混ぜ、フタを外したまま「お好み」モードでとろみがでるまで煮る。大きな肉も野菜もあっと言う間に軟らかくなるので、迫力のあるカレーが作れるうえ、玉ねぎは姿が見えなくなるほどトロトロにできるところも魅力だ。
なお、どうせなら最初からルーを入れたくなるところだが、粘度の高いカレーやシチューのルーを最初から加えることは禁じられているので気をつけよう。
骨まで食べられる魚の煮物もスイッチ1つで
我が家で圧力鍋の出番が多いのが魚の煮物。秋から冬はぶつ切りのサンマを煮て、骨までまるごと食べてしまう。小骨を気にせずモリモリ食べられるようになるのも魅力なのだ。
今の季節なら真アジが旬。というわけで試してみたところ、大きな真アジの背骨をホロホロにすることはできなかったが、小さな真アジなら、加圧時間20分で頭からしっぽまで食べられるくらい柔らかくなった。硬くて捨てるところといえば、目玉くらいだ。小骨が苦手で魚が食べられないという方にもおすすめである。
ゆで卵も7個同時に茹でられる
圧力鍋の知っておくと便利な活用方法として、ゆで卵が挙げられる。圧力鍋に入れたら破裂するんじゃないかと思うのだが心配御無用。しかも、新鮮な卵でも殻がとてもむきやすくなるという特典がついてくる。
「コンパクト電気圧力鍋」の内鍋の場合、7個の卵が入れられる。卵が半分隠れる程度の水を入れたら、「お好み」ボタンを押すだけ。加圧時間5分であとはピンが下がるまで放置すればよい。殻むきが苦手な方や、きれいなゆで卵をまとめて作りたい方はぜひお試しいただきたい。
リーズナブルだけど性能はバッチリ
コンパクト電気圧力鍋を初めて手にした時は、小さくて55kpaと他社製品よりやや低圧な点が気になったが、実用にまったく問題がなかった。むしろ置き場所を取らないし、軽いし、蒸気は出ないし、扱い易くて重宝している。コンセントがある場所で気軽に調理できるところもいい。
構造がシンプルなので、メンテナンスも楽だ。フタは完全に取り外せるようになっており、内側にある金属板やパッキンは簡単に外すことができ、本体以外は全部丸洗いできる。
少々不満をあげるとすれば、内鍋に持ち手がないので炊飯後に混ぜにくいことと、ピンが下がったら知らせて欲しい、ということくらいだろうか。
とはいっても、この価格でこれだけできるのだからありがたい。「コンパクト電気圧力鍋」は、まさに圧力鍋デビューにぴったりの製品といっていいだろう。