家電製品ミニレビュー
純金メッキフィルターを使ったコーヒーメーカー
by 伊達 浩二(2013/12/25 07:00)
輸入家電で実績がある商社の自社ブランド
今回紹介する「Cores(コレス) 5カップコーヒーメーカー C301WH」というコーヒーメーカーは、コーヒーを濾過するフィルターが金メッキ加工されたステンレスでできているのが特徴だ。
Coresは、ラッセル・ホブスなどの海外家電製品を扱っている大石アンドアソシエイツという商社の自社ブランドだ。今年発売された、金メッキされたコーヒーフィルター「ゴールドフィルター」と、それを使った今回のC301WHというコーヒーメーカーが最初の製品だ。
メリタなどのペーパードリップ式でレギュラーコーヒーを淹れる際に、フィルターの質によって味が変わるというのは、よく言われることだが、ゴールドフィルターを使うことによって、どれだけ違いがあるのか試してみたい。
メーカー名 | 大石アンドアソシエイツ |
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製品名 | 5カップコーヒーメーカー C301WH |
希望小売価格 | 7,350円 |
購入先 | 直販サイト |
購入価格 | 7,350円 |
ペーパーフィルターとゴールドフィルターの味の差
C301WHは、2カップから5カップまでのコーヒーが淹れられるコーヒーメーカーだ。5カップまで淹れられる割にはコンパクトで、A4の用紙ほどのスペースがあれば余裕を持って置ける。
デザインは、白と黒のツートーンカラーで構成されたシンプルなもので、スッキリして好感が持てる。
ちなみに、C301WHの7,350円という価格は、最大5カップ用の一般的なコーヒーメーカーとしては、やや高い部類だ。しかし、1カップ~5カップ用の「C240」というゴールドフィルターを、単体で購入すると3,150円するので、それを考えれば、納得できる範囲だろう。
まず、2カップ分のコーヒーを淹れてみよう。ガラス製のカラフェ(コーヒーサーバー)にフィルターホルダーとゴールドフィルター、フィルターカバーをセットし、適量のコーヒーを入れる。C301WHでは、コーヒー1杯につきティースプーン2杯分(約8g)が目安だ。今回はいつも飲んでいる中挽きのモカを使った。
次に、水タンクにカップ分の水を注ぐ。タンクには1カップごとに容量の目印がついているので、それを目安に注げば良い。水タンクは分離式で蛇口から直接注げる。
準備ができたら、電源スイッチを入れる。ヒーターがお湯を沸かし、自動的に抽出を行なう。抽出のときには、“コポコポコポコポッ”というお湯が出る音や、“シュー”という蒸気が出る音がしてにぎやかな方だ。隣の部屋にいた飼い猫の鉄蔵が様子を見に来るほどだ。
ヒーターの消費電力は650Wと大きめで、小型のコーヒーメーカーとしては抽出が速い。2杯分の抽出が終わるまで、だいたい3分ぐらいだった。上限の5杯分を淹れると7分近くかかった。
淹れたコーヒーは、いつものペーパードリップに比べて、ちょっとだけ香りが強く、濃い感じがする。豆の量をスプーン半分ほど多くしたときに近い印象だ。
C301WHの特徴は、コーヒーの保温を考えていないことだ。抽出が終わると、すぐに電源スイッチを切るように指示されており、放っておけば、すぐにコーヒーは冷めてしまう。
カラフェを置く位置にヒーターは備わっているのだが、「これは予めカラフェを温めることと、抽出中にコーヒーやお茶が冷めないようにするためです」と取扱説明書に書かれている。つまり、せっかくおいしいコーヒーが入っているのだから、すぐに飲みなさいというわけだ。
ペーパーフィルターも使える
C301WHでは、ゴールドフィルターだけではなく、一般のペーパーフィルターも使えるので試してみた。ペーパーフィルターは、「102」または「1×2」と呼ばれる一般的なサイズのものを使う。お湯の量やタイミングなどの淹れ方はゴールドフィルターの時と同じなので、フィルターによる味の差がわかる。
飲み比べてみると、ペーパーフィルターの方が、おとなしい感じがする。ゴールドフィルターの方が、豆の特徴が出ていて野性的な印象なので濃く感じたのだと思う。ペーパーフィルターには油脂などを吸着する性質があり、濾過時間もゴールドフィルターに比べると長めになるので、こういう味の差が出るのだろう。
正直な話、ゴールドフィルターの方が確実においしいかと言われると迷う。しかし、ゴールドフィルターの方が、コーヒー豆の特徴が出ているし、ペーパーフィルターとの差も、はっきりわかる。豆や挽き方を変えて色々試して見たいという興味が湧いてくる。
なお、ゴールドフィルターを使うと、ペーパーフィルターを買い置きしたり、折ってセットする手間が省けるというメリットもある。
紅茶などが淹れられるティーサーバーも付属
また、C301WHでは、付属のティーサーバーを使って紅茶や中国茶、ハーブティを淹れることもできる。今回はセイロンキャンディーという紅茶で試したがおいしかった。これぐらいちゃんと淹れられるのであれば、実用になる。
ティーサーバーは、お湯の出口が小さく、茶葉がよく蒸れるようになっている。その分、抽出時間はかかり、2杯分で5分程度必要だ。ティーサーバー内にお湯が残っているので、コーヒーメーカーからお湯が出終わっても1分ぐらい待つ必要がある。あわててカップにお茶を注ごうとすると、ティーサーバーからお湯がこぼれてくることがあるので、気長に待った方が良い。
ちなみに、日本茶でも試してみたが、抽出時間が長すぎるようで、出過ぎた感じになってしまう。取扱説明書にも書かれているとおり、日本茶を淹れるのには向いていない。
接客の多い家庭に向いている
コーヒーを淹れ終わった後の後片付けでは、カラフェが洗いやすいのが印象的だった。ガラス製のカラフェはビーカーのような真っ直ぐな形で、入り口の直径が約12cmと大きいこともあって、手を入れて洗うことができる。食器洗い乾燥機で洗うことは禁止されているのだが、これぐらい洗いやすければ苦にならないだろう。他の部品の数も少なく、小さい部品もないので、コーヒーメーカーとしては手入れがしやすい部類だ。
また、コーヒーメーカー本体の使い方も簡単だ。保温を前提とせず、淹れたコーヒーをすぐに飲むという点さえ押さえておけば、使いこなしで迷うところはないだろう。
C301WHのような一般的なレギュラーコーヒーから淹れるタイプのコーヒーメーカーは、最近は一杯ずつ淹れるカプセルタイプに押され気味のようで、大型量販店でも売り場の主役からは外れている。しかし、数人分をまとめて淹れたい場合には、こういうタイプのコーヒーメーカーは便利だ。家族の多い家庭や、接客の多い家庭、小さい事務所程度などにも向いた製品と言えるだろう。