家電製品ミニレビュー

象印マホービン「電気ケトル CK-AU08」

~蒸気レスで、安心して使える

象印マホービン「電気ケトル CK-AU08」。0.8Lのお湯が涌かせる本体

 カップラーメン作りから、ちょっと温かいお茶を入れたいとき、お湯を沸かすアイテムとしてスタンダードなのが、電気ケトルだ。ガスで涌かすよりもエネルギー効率がよく、少量なら数分で涌かすことができる。もともと日本市場では、保温性の高い電気ポットが主流だったが、数年前に海外メーカー製の電気ケトルが日本国内でも人気を集め、一気に主流になっていった。

 今回取り上げる象印マホービンの「電気ケトル CK-AU08」は国産メーカー製らしく、ただ素早くお湯が沸かせるだけでなく、さまざまな機能を搭載している。実際にお湯を沸かしてみよう。

メーカー象印マホービン
製品名電気ケトル CK-AU08
購入場所Amazon.co.jp
購入価格7,617円

 電気ケトルの目的は基本的にお湯を沸かすこと。このため、特に付属品などもなく、本体とスタンドのみという構成だ。本体サイズは235×150×205mm(幅×奥行き×高さ)。本体重量は1kg。カラーはホワイトのほか、ボルドーも選べる。

 CK-AU08の一番の特徴は、沸騰時に蒸気があまりでない「蒸気レス」構造にある。内容器の上部と下部に沸騰検知センサーを搭載し、蒸気の発生を検知。ふたの内部で発生した湯気をしっかりとカットすることができる。蒸気が出ないため、食器棚の内部など、場所を選ぶことなくお湯を沸かすことが可能だ。

利用時に本体をセットする電源プレート
ハンドル部に配置された電源ボタンと保温ボタン。長押しでカルキも飛ばせる
お湯を注ぐときに押すレバー。押し加減でお湯の出る量を調整できる
フタはふたつのボタンでしっかりと固定されている。取り外しは簡単だ
蓋を取った状態。目盛り線も太く、濃く書かれているのでわかりやすい
フタの背面。この穴に蒸気が入り内部でカットされる仕組み

沸騰しても表面が熱くなりすぎないのが魅力

 ケトル内部に水道水を最大量の800cc注ぎ、沸騰ボタンを押して、時間を計測してみた。室温28度のリビングダイニングで、沸騰してスイッチが切れたの約3分47秒後。その間、フタの上部を見ていたが、湯気が噴き出すこともなく、特に沸騰時の音も聞こえなかったため、セットしたあと突然お湯が沸いた印象だった。

 ケトルの表面温度は沸騰前に25.3℃だったのに対して、沸騰後も39.6℃と約14度上昇。表面を触ると熱いは熱いが、やけどするような心配はなさそうだ。子どものいる家庭でも安心して使えるだろう。

エアコンにより室温が低かったため、ケトルの表面温度は25.3℃と低めだった
沸騰後、表面温度は39.6℃に上昇。ずっと触っていると熱いが、ちょっと触った程度なら問題なしだ

 なお、お湯を沸かすときに、「涌かす」ボタンをさらに3秒長押しすると、「カルキ飛ばしコース」が利用可能。その場合は沸騰後も沸かし続けてカルキ臭を抜くため、約2分半ほど沸騰時間が長くなる。

1時間の保温機能を搭載し、ポットのような使い方も可能

 CK-AU08は電気ケトルとしては珍しく保温機能を搭載している。「涌かす」ボタンでお湯を沸騰させると、自動的に保温を開始する仕組みで、保温しない場合はボタンを押して機能をオフにする必要がある。

 温度計での計測では、沸騰後の温度は約95℃。そして、1時間保温したあとの温度は約88℃だった。1時間経過すると、自動的に保温が終わる。さらに1時間、放置したあとの温度は約70℃まで下がっていた。

 なお、沸騰後にお湯を注ぐために本体を持ち上げると保温機能は自動的にオフになる。この状態で再び保温したい場合は、本体を電源プレートにセットして、保温ボタンを押すことで、再び保温モードに入ることができる。

沸騰直後、1時間の保温後、さらに1時間後それぞれの水温。保温機能をなしでも保温性は高そうだ

過信は禁物だが安全性は高い

 CK-AU08は蒸気レス構造のため、フタもしっかりと締まり、また、レバーから手を離すだけで、自動的にロックされる「自動給湯ロック」機能を搭載している。このため、電気ケトルのなかでは非常に安全性が高いと言える。

 さらに転倒湯漏れ防止構造も搭載し、内部のお湯がこぼれにくい。実際に倒してみると、注ぎ口から、わずかにお湯が出たものの、内部のお湯があふれるという心配はなかった。やけどの心配なく利用できるからこそ、安心して日常使いができそうだ。ただし、微量ながら熱いお湯が出ることもあり、子供が倒さないように配慮する必要はありそうだ。

 単にお湯を沸かすための道具として考えると、価格は海外製の電気ケトルと比較して高いと言わざるを得ない。しかし、その価格差は蒸気レス構造や、本体外壁が熱くならないこと、そして保温機能や湯漏れ防止構造によるものだ。大人だけの家庭なら、低価格な海外ブランドのケトルでも問題ないが、小さな子どものいる家庭なら、このような安全性を確保している電気ケトルがおすすめだ。

コヤマタカヒロ