家電製品ミニレビュー

スマホと連携するオムロンとパナソニックの血圧計を比べてみた【後編】

~お年寄りも巻きやすいパナソニック「手首式血圧計 EW-BW53」

左がパナソニックの「手首式血圧計 EW-BW53」。右がオムロンヘルスケア「自動血圧計 HEM-6310F」。いずれもスマートフォンでデータをグラフ化して確認できる

 毎日の健康を自宅で測れる家庭用の血圧計。最近では測定したデータをスマートフォンに転送してグラフ化できるものも出てきている。

 そこで2日間に渡って、オムロンとパナソニックの手首式血圧計を使い比べた模様をお伝えしている。昨日はオムロンヘルスケアの「自動血圧計 HEM-6310F」をレポートしたので、本日はパナソニックの「手首式血圧計 EW-BW53」について取り上げたい。最後にスマートフォンでグラフ化するメリットと意義を総括しよう。

前編は→コチラ

お年寄りにも巻きやすい、パナソニック「手首式血圧計 EW-BW53」

 パナソニックの手首式血圧計「EW-BW53」は、カフの部分が曲がっていて、手首に巻き付けやすい血圧計だ。本体サイズは約64×89×34mm(幅×奥行き×高さ)で、本体重量は121g。カラーはホワイトとブラックがあり、今回はホワイトを購入した。

 本体には付属品として布製ポーチが付属している。電源は別売りの単四形アルカリ乾電池2本を使用する。

パナソニック「手首式血圧計 EW-BW53」。液晶画面の左側に、スマートフォンをタッチさせる通信マークを備えている
上から見た図。カフは湾曲している
側面
別売りの単四形乾電池2本を用意する
右側がパナソニック「EW-BW53」の布製ポーチ。左側はオムロンの「HEM-6310F」のプラスチック製ケース。どちらもコンパクトに持ち歩ける

 EW-BW53の特徴は、専用の無料アプリ「パナソニックスマートアプリ」を使って、Androidスマートフォン上で測定データを確認できる点だ。データの転送には、NFC通信、またはおサイフケータイ機能を採用している。スマートフォンとの連携機能については、のちほど触れよう。

血圧測定にかかる時間は34秒で、遅い

 まずは血圧を測ってみよう。電池を入れ時刻を合わせ、初期設定を済ませたら、カフを手首に巻く。カフはマジックテープで留める。本体上部には「位置合わせガイド」という目印が付いており、この目印が手首内側の中央部に来るように巻けば良い。測定開始ボタンを押すと、測定が始まる。

カフはマジックテープで留める
薄い布に矢印マークがプリントされている「位置合わせガイド」
測定の様子。カフが絞まってから緩むまでの時間は、実測で34秒だった
測定が終わると、最高血圧と最低血圧、脈拍数が表示される

 測定が終わると、カフの空気が抜けて、液晶画面に最高血圧と最低血圧、脈拍が表示される。測定にかかった時間は34秒ほど。オムロンの血圧計「HEM-6310F」が24秒ほどであったのに対し、時間がかかった。また測定中は、「ジジジジ……」というカフが絞まる音が響く。うるさいとは言わないが、静かな空間ではちょっと気になる。

 とはいえ、液晶にはバックライトを搭載しており、結果が見やすい。

 また、手首への取り付けは、オムロンの「HEM-6310F」よりもしっくりくる。パナソニックの「EW-BW53」は、カフにカーブが付いており、ユーザーはここに手を差し込み、マジックテープで留めれば良いだけ。一方のオムロンの「HEM-6310F」は、カフが柔らかい布状で、取り付けには慣れが必要だった。うちの祖母が自分で血圧を測る際は、パナソニックの血圧計のほうが手首を差し込むだけで測りやすいと言う。

84歳の祖母が測定している様子
測定が終わると、最高血圧、最低血圧、脈拍を表示
液晶はバックライト搭載で薄暗い場所でも見やすい。右側は今回比較しているオムロンの血圧計で、バックライトは搭載していない

 また、正確に測定するために、手首の高さと心臓の高さを合わせる「手くび高さセンサー」を搭載している。手首の位置が高すぎたり、低すぎたりすると、液晶に表示して知らせる。

液晶の右側に、高さがちょうど良い時は丸印が表示される
低すぎる場合は、画像のように表示される

 最後に、測定したデータを本体にデータを記録する時は、測定後にその都度「記録/呼出」ボタンを押す必要がある。ここで記録ボタンを押しておかないと、のちにスマートフォンへデータが転送されないので、困ることになる。実際に何度かこの「記録」ボタンを押し忘れて、データが登録されず、悔しい思いをしたことがあった。

 「EW-BW53」1台につき、データは最大90回分、1ユーザーのみ記録できる。通常時に「記録/呼出」ボタンを1回押すと、最も新しい記憶データと、同じ時間帯に測定されたデータの平均値が表示され、比較できる。基本的に朝晩の血圧値には差が出るので、それを考慮した平均値を確認できるというわけだ。さらに「記録/呼出」ボタンを複数回押すと、過去90回分まで遡ってデータを確認できる。

同じ時間帯に測った過去の平均値が下に表示されるので、簡単に比較できる
過去の測定データを最大90回分、遡って表示できる

 EW-BW53は、スマートフォンと連携させなくとも、過去と比較できるように配慮されている。自分の平均の測定値や、過去のデータの確認がボタン一つで済む。血圧計の測定やデータの確認といった基本機能は一通りカバーされている。

最高血圧と最低血圧を折れ線グラフで表示

パナソニックスマートアプリに機器を登録すると、アプリのホーム画面に血圧計のアイコンが現れる

 次に、スマートフォンとの連携機能を使ってみよう。スマートフォンと連携するには、あらかじめパナソニックが提供する無料のアプリ「パナソニックスマートアプリ」をインストールしておく必要がある。このアプリに対応する機種は、Android OS バージョン2.3.3以上で、おサイフケータイ機能またはNFC機能搭載機種となっている。

 そもそもパナソニックスマートアプリとは、パナソニックの家電製品と連携するクラウドサービスのアプリケーションだ。インストールの際には、同社の会員情報サイト「CLUB Panasonic」への登録が必要となる。連携できる機器は同社製のスマートフォンとの連携機能を搭載した家電製品で、具体的には血圧計のほか、体組成計や活動量計、冷蔵庫、電子レンジなどがラインナップしている。弊誌では既に、体組成計オーブンレンジ「3つ星ビストロ」のレビューにて、スマートフォンと連携する様子をレポートしているので、ご参考にしていただきたい。

 アプリをインストールしたら、アプリに機器を登録する。まずアプリを立ち上げて通信状態をONにし、血圧計の通信ボタンを3秒長押しすると、スタンバイ状態になる。そこへスマートフォンをタッチさせると、「シャララララン」とさわやかな音と共に、機器の認識が完了する。

スマートフォンの専用アプリを立ち上げて、「血圧計にタッチ」ボタンを押し、スタンバイ状態に
血圧計本体も、通信ボタンを3秒以上押して、スタンバイ状態にする

 血圧計本体に蓄積された計測データを転送する際も、通信方法は同様だ。スマートフォンのアプリを立ち上げて「血圧計にタッチ」ボタンを押し、血圧計のほうも「通信」ボタンを長押ししてスタンバイ状態にしてから、タッチする。データは最大90回分をまとめて転送できる。

 それでは計測したデータをアプリのグラフから確認してみよう。最高血圧と最低血圧は折れ線グラフで表示される。期間は、1日ごと、週平均、月平均の3パターンで表示を切り替えられる。

血圧計のホーム画面
「血圧メモ」を開くと、「グラフをみる」「計測データを記録する」「計測履歴」などの項目が表示される
計測データを折れ線グラフ化。これは1日毎のデータを表示した様子
週平均値

 また、朝晩の最高血圧と最低血圧を1つのグラフに表示できる「朝夜比較グラフ」機能も搭載しており、画面上のボタンを押すことで切り替えられる。

1日毎に、朝と夜の最高血圧、最低血圧をそれぞれ表示できる
週平均の朝と夜それぞれの最高血圧、最低血圧

 データは、グラフとして表示する以外に、メモ形式でも表示する。そもそもこの血圧計は、測定時刻によって朝、昼、夜に分けてデータを記録できるので、一日3件、つまり各時間帯ごとに1件ずつ、測定データを登録可能だ。

 1日3回測ることで、よりきめ細かく自分の血圧の変化を把握できるようになるというが、実際には、平日の日中を会社で過ごすサラリーマンにとって、昼間の計測は極めて難しく、結局朝晩1回ずつ測るのが精一杯だった。

計測履歴はカレンダー式に表示される
カレンダー内の日付をクリックすると、その日の計測データをメモ形式で閲覧できる
下にスクロールすると、朝、昼、晩の3回分の計測データを確認できる。体動などエラーがあった場合にも記録される
アプリの「使い方ガイド」は、説明書代わりになる

 このほかアプリでは、「使い方ガイド」で機器の使い方を取扱い説明書の代わりに確認できたり、「機器設定」から血圧計の時刻を設定できる機能も備えている。

 また、ほかのユーザーを登録して、そのユーザーのデータを閲覧できる「友達リンク」機能も搭載しているので、例えば離れて暮らす家族に「EW-BW53」を持たせて、日々の血圧や活動を見守ることもできるという。

パソコンと併用して使いこなすならオムロン、初心者にはパナソニックがオススメ

 オムロンの「HEM-6310F」とパナソニックの「EW-BW53」は、いずれもコンパクトな手首式血圧計で、おサイフケータイ機能を搭載したAndroidスマートフォンとの連携機能を搭載している点が共通している。一通り使ったところで、スペックの違いを表にまとめた。

メーカーオムロンヘルスケアパナソニック
製品名自動血圧計 HEM-6310F手首式血圧計 EW-BW53
計測時間24秒34秒
液晶サイズ(縦×横)45×42mm42×33mm
液晶バックライト×
対応アプリ名「からだグラフ」「パナソニックスマートアプリ」
アプリ対応機種Android 2.2以上Android 2.3.3以上
血圧グラフ表示棒グラフ折れ線グラフ
パソコンから閲覧×
iPhoneから閲覧×
Amazon価格7,430円6,405円
左から、オムロンの「HEM-6310F」とパナソニックの「EW-BW53」

 血圧計の本体機能の違いとしてはまず、測定時間はオムロンのほうが約10秒早い。また血圧計のデータをスマートフォンに転送する際は、パナソニックの「EW-BW53」は血圧計とスマートフォンの両方を通信ON状態に設定する必要があるが、オムロンの「HEM-6310F」はスマートフォン側だけ通信状態をONにすれば、データを転送できる。通信の手間はオムロンのほうがかからない。

 また、オムロンのアプリはウェブの健康管理サービス「ウェルネスリンク」と連携しているため、パソコンからも閲覧可能だ。一方パナソニックのスマートアプリはパソコンとは連携せず、スマートフォンの中で世界が完結している。こうした点から、通信しやすさやサービス全体の使い勝手はオムロンのほうが進んでいると思う。

 ただしアプリのグラフ表示については、オムロンが棒グラフ、パナソニックが折れ線グラフと表示方法に違いがあり、見やすさは好みによるだろう。パナソニックのアプリでは期間を月単位や週単位に切り替えたり、朝晩の血圧を同時に表示したりと細かく設定できるが、オムロンのアプリはシンプルな作りで、朝晩を一括して棒グラフで示すだけ。これはこれで一覧性はあるのだが、老眼の母や祖母からは、グラフが細かくて読めないと不評だった。

オムロンが棒グラフ、パナソニックが折れ線グラフ。パナソニックは表示期間を週単位や月単位にしてきめ細かく確認できる
メモ形式で表示する際、オムロンはその日の計測データを上限無しで保存。パナソニックは朝、昼、晩それぞれに分けて1日あたり最大3回分を保存

 なお、オムロンとパナソニック両者のアプリで表示されるデータは、いずれもスマートフォンのローカルではなく、サービスのクラウド上に保存される。よってどちらも、電波の入らないところではデータを確認できないのは残念だ。

 まとめると、オムロンの「HEM-6310F」は、スマートフォンやパソコンと測定データをどんどん連携させて使いこなしたい方向け、パナソニックの「EW-BW53」はスマートフォンとの連携をまずか試してみたいという初心者や毎日手軽に血圧を測りたいお年寄り向け、という印象だ。計測の素早さや、データ転送の手軽さはオムロン、本体の巻きやすさや見やすさはパナソニックに分がある。

 というわけで今後の我が家での使い方は、2ユーザーに対応するオムロンの「HEM-6310F」は私と母が共有して使い、パナソニックの「EW-BW53」は離れて暮らす祖母にプレゼントして、その結果を「友達リンク機能」で自分のスマートフォン上で確認したい、と考えている。

血圧をグラフ化する意義

スマートフォンとの連携でデータを記録する手間が省け、血圧の波が一目瞭然に

 昨日からオムロンとパナソニックのスマホ連携機能付きの血圧計を使ってきたが、2つの血圧計に共通するメリットは、測定データをペンで紙に記す手間が省ける点だ。計測したデータをメモ帳や手帳に書き留め、さらにそれをグラフ化するというのは手作業では大変面倒だ。毎日、それも朝晩と繰り返すのだから、よほど時間的な余裕がないと厳しい。それが、スマートフォンならタッチ1つで済んでしまう。忙しい社会人には便利な機能だ。自分の体の状況がこんなにいとも簡単に、グラフ化できる時代が来たことは素直に嬉しい。

 そして、こうして血圧計のデータをグラフ化して表示できると、自分の体調の変化が客観的にわかる。元々自分は非常に低血圧なのだが、熱は無いのにどうも体がだるい、という日は決まって朝の最高血圧が90mmHgを下回っている。また、前日からの変動が大きい日は、だるさをより強く感じることがグラフから明らかになった。

 自分の体のコンディションを数値で客観的に把握できるようになったことは、医者を受診する際にも役立っている。私の場合は最高血圧が100mmHg、最低血圧が80mmHg前後が平均とわかった。こうして血圧計に表示される平均値を覚えておけば、自分の体のコンディションを言葉で表す際の1つの指標になる。

 体組成計や血圧計といった、自分の体のコンディションを毎日計測する機器こそ、スマートフォンとの連携機能の醍醐味を味わえる。今後の対応機器の拡充や、サービスの広がりにも大いに期待したい。

小林 樹