家電製品ミニレビュー
象印 「空気清浄機 PA-DA08」
象印 「空気清浄機 PA-DA08」 |
花粉症とは無縁の私だが、唯一、病院の検査で判明しているのが「ハウスダストアレルギー」。これがかなり辛い。布団の上げ下ろしや洗濯物の取り込み、片付け、掃除など日常生活の中でホコリが舞いまくるのシーンは多々ある。
私の場合、このハウスダストの量が一定以上になると、くしゃみを連発し、鼻水はズルズル。目がしばしばしてきて、ひどくなると頭がボーッとしてしまう。
これまで、加湿機能付の空気清浄機などの導入も検討したが、何せ設置場所がない。とりあえず小型の卓上加湿器だけを導入してお茶を濁していたが、ちょっとカワイイ空気清浄機があると知り、試してみることにした。それが象印マホービンから出た卓上専用の「空気清浄機 PA-DA08」(以下、PA-DA08)である。
メーカー | 象印マホービン |
製品名 | 空気清浄機 PA-DA08 |
希望小売価格 | 21,000円 |
購入場所 | amazon.co.jp |
購入価格 | 9,442円 |
「PA-DA08」は、サイズが250×250×260mm(幅×奥行き×高さ)と、ほぼキューブ型のコンパクトタイプで、8畳(約13平方m)までに対応する空気清浄機だ。操作ボタンはわずか2つだけというシンプルな操作性と、空気清浄機には見えにくいスタイリッシュなデザインが特徴。「花粉・ホコリセンサー」により、自動的に空気清浄が行われる自動運転モードと、「光センサー」により、消灯後は自動的に静音モードに切り替わるなどの親切な機能も搭載している。また、3時間で停止するタイマー機能のほか、36時間何も操作がないと運転が停止する仕組みも備える。
空気清浄フィルターは「Ag+除菌&ポリフェノール空気清浄フィルター」(以下、空気清浄フィルター)を搭載。ホコリやニオイの除去を行い、除菌効果、抗ウイルス効果、防カビ効果、花粉やハウスダストの作用抑制効果が期待できるという。なお、フィルターの交換はだいたい2年に1度だという。
正面 | 右側面 | 左側面 |
背面 | 底面の様子 | 吹出口 |
■コンパクトでかわいいが、性能はしっかり
届いた「PA-DA08」の箱を持ち上げて驚いた。軽いのだ。重さは約3kgとあるが、実際持ち上げてみると非常に軽い。開けてみるとそこには、まさに空気清浄機に見えない、キューブ型で赤い空気清浄機の姿が。
設置に手間がかかるのはイヤだなと思っていたのだが、実際にはフロントパネルを外して、付属の空気清浄フィルターをセットするだけであった。
空気清浄フィルター。材質は、ポリエステル、ポリプロピレン、活性炭。2年に1回程度の交換でOK。洗浄しての再利用はできない。また、タバコのニオイは吸着するが、一酸化炭素などの有害物質は除去できない | 蛇腹状になった空気清浄フィルターの内部 | 空気清浄フィルターの奥に見られるファン |
空気清浄フィルターをセットした様子 | 両サイドにあるフィルターストッパーでしっかり固定する | 交換時期を把握するために、使用開始日がメモできるシールが付属している |
液晶パネル類はついておらず、操作部のボタン操作は、「入/切 選択キー」と「切タイマーキー」のボタン2つ。操作は非常に簡単だ。右端にある「入/切 選択キー」では電源のオン・オフが可能で、繰り返し押すことで、運転モードが順次切り替わる。左端の「切タイマーキー」は短く押すとタイマーのセット、3秒以上長押しすると光センサーのセットが可能だ。
上部 | 操作部。左から、光センサー感知部、切タイマーキー、切タイマーランプ、光センサーランプ、きれいモニターランプ、自動運転ランプ、連続運転ランプ、入/切 選択キー |
電源オンから、運転モードの切り替え、および光センサーの反応チェック |
選択できるモードは、大きく分けて2つ。部屋の状態に合わせ、運転状態を自動的に切り替えられる「自動運転」と、空気の状態に関係なく、選んだ一定の風量で連続稼働できる「連続運転」だ。
「自動運転」は、部屋の状態に合わせ、最適な状態を保ってくれる「標準」と、急速17分→静音43分→標準35分→静音25分(ここで再び標準35分に戻る)という動作をする「花粉」の2つがある。「連続運転」には、「静音」「標準」「急速」の3種類があり、「静音」は就寝時に、「急速」は喫煙時など、急いで清浄したいときに便利な機能だ。
これら2つのボタンを使って、好みのモードにセットしたら、あとはそのまま「花粉・ホコリセンサー」と「光センサー」の2つのセンサーにお任せである。「花粉・ホコリセンサー」とは、本体右側面に搭載されているセンサーで、ニオイ以外で、タバコの粒子やハウスダストを感知し、空気の状態を「きれいモニター」のランプで知らせてくれるというもの。通常は緑色だが、汚れが分かると赤に切り替わり、自動運転モード時は風量が変わる。つまり、常時監視しながら、必要なときに勝手に働いてくれるのである。
花粉・ホコリセンサー | 花粉・ホコリセンサーが空気の汚れを感知していない状態では、「きれいモニター」に緑のランプが点灯する | 花粉・ホコリセンサーが空気の汚れを感知すると、「きれいモニター」の赤いランプが点灯し、モードによっては風量がアップする |
実際、布団の上げ下ろしや、周辺を掃除していたところ、突然「ゴー!」と音を立てて風量がアップしてビックリ。「むむ、こいつ、見てるな」という感じである。部屋のセンターラグを交換したときも、荷物を動かしたり、掃除したりと存分にホコリを巻き上げていたら、突然稼働し出し、しばらく動作した後、静かになっていた。静かに仕事をしてくれてもいいのだが、「ええ。確かに今、私がホコリをまき上げましたよ!」と分かるタイミングで、しっかり動作してくれるので、使っているうちに相棒のような気がしてきて面白い。
わざとホコリをたてて刺激したところ、赤いランプが点灯。「連続運転」の「標準」だったため風量は変わっていないが、「自動運転」時は風量がアップする |
モードによって風量がどう変わるかをチェック |
「光センサー」を有効にしておくと、部屋が暗くなると自動的に「静音」に切り替えてくれる。昼間なら標準運転でもほとんど気にならないが、静かな夜はさすがに難しい。そのあたりを自動的に制御してくれるというわけだ。おかげで駆動音で眠れないということもなかった。
なお、「切タイマー」を使うと3時間で自動的に運転を停止するが、「自動運転」も「連続運転」も、36時間ボタン操作がないと自動的に停止する。連続運転するとなると電気代が気になるところだが、「自動運転」の「標準」で電気代を計測したところ、1時間あたり0.3円という結果になった。
■自動的に、空気を清浄してくれる
非常に軽くて持ち運びがしやすいということもあり、設置場所は特に固定しなかった。最初は部屋の隅に置いていたが、掃除のときは部屋の真ん中に移動し、存分に働いてもらった。中途半端なところに置くのもいかがなものか、と思ってからは、カラーボックスの上に置き、周りを本で固めてみるなどした。どこにあってもほとんど気にならなかったのはすばらしい。
背面のとっ手に手を入れると簡単に持ち運べる | 初めは部屋の隅に置いてみた | 掃除のときはホコリが立ちやすい場所に移動 |
カラーボックスの上に移動 | 周りを本で囲んでみたが、かなり収まりがいい |
どの程度効果があるのかという点が、一番気になるところかもしれない。まずニオイ。慣れてしまっているせいか、自分の部屋のニオイというのはほとんど気にしたことがなかったが、稼働中は心なしか、さわやかになったような気がした。大きく違ったわけではないが、ちょっと清々しいというか、透明感がプラスされたような感じ。1人暮らしだと生活臭を自分で感知できなくなってしまうので、そんなとき空気清浄機があると、気づかぬところで対処してくれるのでありがたい。
ホコリについては、前述の通り、動作に合わせて自動的に空気の汚れを感知して吸い込んでくれるので、特別困ることはなかった。動作をチェックしたくて、枕を叩く、近くでタオル類をワサワサと振ってみるなど、わざと大量のホコリを立ててみたことがあった。マスクをしていなかったので、恒例のくしゃみと鼻水に見舞われたが、これが意外と回復が早かったのには驚いた。そのときも「花粉・ホコリセンサー」が働いたので、積極的にハウスダストを吸い込んでくれていたおかげではないかと考えている。
あいにく花粉のシーズンではなかったことや、自身がまだ花粉症ではないこともあって、花粉に対する仕事ぶりを体で感じることはできなかった。しかしセンサーの動作を見ると、花粉もしっかりキャッチしてくれるのだろうと推測できる。
お手入れに関しては、空気清浄フィルターの交換が2年に1回というだけあって、とにかく手間いらずである。ただ唯一気になったのが、本体に付着するホコリであった。空気は本体の側面および底面にある吸込口から入り、上部から排出される。その流れのせいか、それとも素材のせいかはわからないが、本体にホコリがつきやすい。赤ゆえに、余計ホコリが目立ってしまう。せっかくのインテリア性も台無しでは、と思われるほどなので、ときどきふきんなどで綺麗にふいたほうがいいだろう。
ボディにホコリが付着しやすいのが難点 | 約3週間後の空気清浄フィルターの表面。モワっとしたホコリが蓄積しているのが分かる |
■花粉予防に導入してみたい
「PA-DA08」は、片手でひょいと持ち上げてどこにでも簡単に持ち運べるので、掃除のときなどは、ホコリを巻き上げそうな場所に手軽に移動できるので助かる。床に置いたり、棚の上に置いてみたりといろんな配置が可能だ。デザインもインテリアも意識されているだけあって、機械然としておらず、言われなければ空気清浄機 だとは思えない。
卓上専用とはあるが、デスクの上に置いて使えるかというと、難しいかもしれない。一応「静音」なら就寝時も気にならないくらい静かなのだが、空気中の汚れを感知して本格的に作動しだすと、かなり勢いよく風を排出するためだ。部屋の隅で稼働している分には頼もしいが、間近になるとちょっと驚いてしまうだろう。
しかし、こんなに簡単で手間いらずなら、ぜひとも導入しておきたいと感じた。花粉症については、まだなっていないだけで、これから身に降りかかる可能性もある。一時的なハウスダストアレルギーでも辛いのに、慢性的に花粉症に苦しむ友人らを見ていると、とても耐えられないだろうと感じる。予防のために先手を打って導入するのは大いにアリだろう。
2010年10月29日 00:00