家電製品ミニレビュー

±0「コーヒー&ティーメーカー」

~紅茶や緑茶も入れられるコーヒーメーカー
by 西村 敦子
±0「コーヒー&ティーメーカー」

 一般的なコーヒーメーカーで抽出できるのはコーヒーだけですが、できれば、ほかのものも抽出してみたいと思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

 コーヒー以外にも、紅茶、緑茶、中国茶、ハーブティなど飲み物の種類にはいろいろありますが、こだわりはじめるとそのお茶ごとに最適なポットを用意する必要があるので、あっという間に茶器だらけになってしまいます。

 普段ひとりで使うにはポットや急須で十分ですが、来客が多いときにはやっぱりポットが便利です。暑い時期は一気に作って冷蔵庫に入れておいても、一日持たずに飲みきってしまうことも少なくありません。

 今回の±0の「コーヒー&ティーメーカー」は、6カップ分とたっぷりの容量を持ち、コーヒーの抽出だけでなく紅茶や緑茶にも使えるという用途の広い製品です。±0らしいシンプルなデザインで、人数の多いオフィスなどでの利用にもおすすめです。


メーカー±0
製品名コーヒー&ティーメーカー
希望小売価格12,600円
購入場所直販サイト
購入価格12,600円

清潔感のあるシンプルを極めたフォルム

 「コーヒー&ティーメーカー」の第一印象は「色々使える割にずいぶんシンプルだなぁ」というもの。±0ならではのシンプルさで、キッチンツールというより、白磁の陶器か、もしくは文房具のような印象を持つフォルムです。外形寸法は170×120×239mm(幅×奥行き×高さ)とほぼ四角形で、四隅が丸いためやわらかな雰囲気です。また、全体的な質感はマットですが、ポットはガラスで清潔感があり、すっきりしています。ちなみに、今回使用したのはホワイトですが、同製品にはブラックもあり、オフィスなどにはこのブラックもしっくりきそうです。

 全体は、水を入れるタンクや保温版を備えた本体と、大きなガラスポットから構成されていて、ガラスポットの中にすっぽりフィルターがセットできます。ガラスポットを本体にセットすると、持ち手以外は出っ張りがないシンプルなデザインになり、本体側面にロゴマーク、ガラスポットに容量目盛りがある程度で印字も極力抑えられています。

斜めから見たフォルム。四隅は丸みを帯びて、とがったところがありません正面。ここにあるON/OFFスイッチが唯一の操作ボタンです裏面もシンプルそのもの。こちらの面から見られても大丈夫
左横に控えめにあるロゴと注意表示。コンセントもこの位置右横には大きなガラスポットをセット。ハンドルもかなり大きめ本体底面。単に四角形ではなく、右半分はガラスポットに沿った円形になっています

最大量760ccの本体で6カップ分一気に抽出できる

 本体の機能は、基本的には水のタンクとボイル、上部のシャワーノズル、保温板。タンクは最大量760ccと大容量で、最大6カップが一度に抽出できます。抽出のためのシャワーはフラットで手入れが簡単。抽出時はリズミカルに少量ずつ抽出されます。また、保温板は1時間のオートOFF機能付きで、置きっぱなしになったときも安心です。

 また、このコーヒー&ティーメーカー唯一の操作ボタンは正面の電源ボタンだけで、ONにすると点灯し、OFFにすると消灯。水を注いで電源をONにするとすぐ抽出作業がはじまります。

ガラスポットを保温するための保温板上部のフラットなノズル部分からお湯が降り注ぎます左上がフタ部分。固定はされておらず、簡単に開きます
目盛りを目安にして直接水を注ぎます。最大量は760cc唯一の操作ボタンがこの電源ON/OFFボタンONになっている間はマークが点灯します。昼間でも見やすい明るさ

浄水フィルター+シャワーノズルでコーヒーをおいしく

 大きなガラスポットは、上から下までストレートな円柱形で、ビーカーのような形。コーヒーメーカーのポットには上部が狭くなっているものが多いので、ここまでストレートな形ははじめて見ました。ただ、ストレートで口が大きい分、水洗いするときなどの手入れはとてもラクでした。

 ガラスポットには、バスケットとバスケットフタをセットして使用します。バスケットはコーヒーバスケットとティーバスケットの2種類が付属し、内容に合わせて使い分けます。コーヒーバスケットの方はペーパーフィルターを使用します。

ストレートで大型のガラスポット。取っ手付きのビーカーのようコーヒーバスケットと付属の計量スプーン。使用時は紙フィルターを使います

 ティーバスケットの方は、紅茶、日本茶、中国茶、ハーブティなどさまざまなタイプのお茶が楽しめる用途の広いもの。コーヒーメーカーでお茶も入れられる、という多機能さをこのバスケットひとつで実現してしまっていて、このアイディアには「なるほど!」と思わせられました。このティーバスケットには小さな穴が35個空いていて、茶葉を蒸らしながら抽出するのに役立っています。

 フタ中央の浄水フィルターは、活性炭素二重浄水フィルター。抽出前によりおいしく水を濾過できます。この部分だけが取り外せるようになっており、±0のサイトで交換用のフィルターがオプションとして税込1,050円で販売されています。

紅茶や緑茶に使うティーバスケット。全部で35個の小さな穴があいていますバスケットふたと中央にセットする浄水フィルター。フィルターは消耗品です
ガラスポットにバスケットをセットし、その上に浄水フィルターをセットしたバスケットふたをかぶせて使用しますガラスポットのハンドルは、バスケット類やフタをセットするときのガイドの役割もしています

ティーメーカーとして使う場合

 ティーバスケットで紅茶を入れるときは、ティーバスケットを使用します。ガラスポットにセットし、そこに直接茶葉を入れてバスケットフタをセット。本体の保温板にガラスポットを乗せたら、本体左上のフタを開けて目盛りを参考に水を注ぎます。

ティーバスケットに直接茶葉を投入目盛りを参考に水をセット抽出開始。細く筋のように抽出されます

 本体の電源ボタンを押すと抽出がはじまり、シャワーノズルからお湯が出て抽出開始。少しずつ抽出され、底面の穴から細い筋のように落ちてきます。個人的には、コーヒーメーカーで紅茶を入れたのははじめてだったので少し抵抗がありましたが、案外簡単にできるものだな……と思いました。アイスなどでゴクゴク飲みたいとき、来客人数が多いときなど、急須の大きさが足りずに困ったことがよくあったので、そんなときに活躍しそうです。

残念ながら抽出中はガラスポットは曇ります注ぐときはいったんティーバスケットを外してからマグカップでも4杯分を一気に作れます

コーヒーメーカーとして使う場合

コーヒーバスケットにはペーパーフィルターを使用

 コーヒーバスケットにはペーパーフィルターを使用します。ひとつ穴タイプで、抽出時にはバスケット底面の穴から細く抽出されるのがよく見えます。

 抽出は最大6杯まで一度に行え、最大量を抽出しても、抽出したコーヒーがコーヒーバスケットの底面に付いてしまうようなことはありません。ガラスポットが大きく余裕があるため、このポットで直接アイスにすることもできます。


コーヒーバスケットはひとつ穴です最大の6杯分を抽出してもこの程度までしか来ませんそのまま牛乳や氷を投入してアイスカフェオレにもできてしまう大きさ

ティーバスケットならいろいろな茶葉に対応

 紅茶やコーヒー以外でも、ティーバスケットを使用すればいろいろな茶葉に応用できます。たとえば、中国茶や緑茶なども抽出可能。ただ、中国茶で花が開くタイプのものだと抽出中の見た目は少し残念。急須と違って抽出するお湯の量が少ないため、茶葉や花がお湯の中で踊るということがなく、ガラスポットも蒸気で内側が曇っているのでよく見えません。ただ、お茶自体は十分抽出できていました。

バラの花が入ったプーアル茶。これを抽出してみます残念ながらガラスポットの内側が蒸気でこもって花は見えませんたっぷり抽出できるのでいろいろなお茶がアイスでも楽しみやすくなります

 個人的に少しおどろいたのは中国茶です。一般的に、中国茶の茶器を使うと本当に一口ずつ飲む量しか抽出せず、何煎もお湯を注ぐ作業を繰り返します。この方法でしか飲んだことがなかったのですが、このティーメーカーでティーバスケットを使って一気に大量に抽出しても、そこそこおいしく抽出できたのは驚きでした。最大量で抽出して冷蔵庫で冷やし、アイスで飲むとおいしいと気がついて、しばらく中国茶の抽出にはまっていました。

こちらも見た目にキレイな、菊の入った中国茶。最大量で抽出しても茶葉はこの程度量が多いので、一度の抽出でホットでもアイスでも好きに楽しめます付属のスプーンで茶葉の量を量ってティーバスケットへ。最大量でもすりきり1杯と4/5杯で十分です
抽出中の様子。バスケット内にお湯がたっぷり入るわけではなく、ゆっくり抽出されますお湯の量は少しずつですが、抽出後の茶葉を見ると十分開いています抽出後はティーバスケットを外して保温。急須と違って保温板で保温できるので便利です

 そのほか、日本茶も抽出できますが、急須のように二煎目・三煎目とお湯を注ぎ直すことはできないので、一気に一煎目で抽出するのみ。ただし、緑茶は基本的に一煎目で栄養やうまみが出きってしまうそうなので、急須では一度で抽出できない人数分なら、この方法でも十分現実的かもしれません。

 もちろん、紅茶はたっぷりのお湯の中で茶葉をジャンピングさせる必要があるとか、緑茶はもっと低い温度で入れた方がいいとか、抽出自体にこだわると茶葉別に細かい点で気になる部分もあります。それでもコーヒーメーカーの機能でいろいろな茶葉に対応できるという点はやはり魅力。

 今回のコーヒー&ティーメーカーは、高級な茶葉を使って最大限おいしく入れるというよりも、急須では間に合わない量の抽出を一気に行なえ、手軽にいろいろなお茶を楽しめるアイディアもののアイテムとして見るといいかもしれません。家庭で、オフィスで、シンプルなデザインのコーヒー&ティーメーカーとして役立つ1台です。





2009年9月3日 00:00