家電製品ミニレビュー
安いけど「ツカエル!!」 アイリスオーヤマの充電式スティッククリーナー
by スタパ齋藤(2014/5/12 07:00)
この充電式掃除機、安いけど「ツカエル!!」
家電Watch編集部から「貴様はコードレス掃除機野郎なので、比較的に安価な充電式掃除機を試してみなはれ」風なメッセージとともに、アイリスオーヤマの「充電式スティッククリーナー ESC-7DCK」が送られてきた。あーっ!! これ、ホームセンターとかで最近超よく見るやつ!! ヘッド小さめだしバッテリー2個付きだし、非常に気になっていたのだ。
メーカー名 | アイリスオーヤマ |
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製品名 | 充電式スティッククリーナー ESC-7DCK |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 13,099円 |
店頭で見かけて興味津々だったわけですけど、興味のポイントは、たとえば価格。実勢価格は15,000円前後で、手を出しやすい価格なんですな。この価格でバッテリーが2個付いていて、最長40分使えるらしい。店頭でちょっと試した範囲では吸引力もそこそこ強そう。なかなか良さそうな充電式掃除機である。
でも既にダイソンのコードレスクリーナー「DC62」を使用中だし、じつはダイソンの「DC61」買っちゃったばかりだし……。てな感じでアイリスオーヤマのこのコードレス掃除機については、我ながら珍しく買い控えモードなのであった。
そこに送られてきた「充電式スティッククリーナー ESC-7DCK」。ぜひ!! 興味津々モードで試用してゆきたいッ!! と鼻息を荒くした次第。
で、ザッと使ってみた印象を先に言っちゃうと、いくつか細々した難点はあったものの、実勢価格15,000円前後で買えるコードレスクリーナーとしては、かな~り「ツカエル!!」と感じましたよ、ええ。このカテゴリーのコードレスクリーナーに軽く価格破壊をカマしてきたアイリスオーヤマ、みたいな。ともあれ以降、「充電式スティッククリーナー ESC-7DCK」の使用感などを見ていこう。
使いやすい充電台と充実した装備
この「ESC-7DCK」に触れてまず思ったのは、価格のわりには充実したパッケージになっているということ。つまり装備が充実している感じ。狭いスペースに立てておける充電台、3種類のノズル、そして前述のとおりバッテリーが2個付属しているあたりですな。
必要十分なノズル類が付いているし、バッテリーもたっぷり使えそうだし、充電台も本体もシンプルだし、非常にマトマリがイイですな。よ~く見ると一部部品の作りがチープだったりはするが、低価格で買える充電式スティッククリーナーとしてはかなり充実した内容だと感じられる。
扱いやすい本体とまずまずの吸引力
では実際に「ESC-7DCK」で掃除開始!! 使い勝手はどんなんかナ~?
持ってみた感じは、ちょっと重め。フロアヘッド込みの重さは約2kgあるので、ハンディー掃除機として考えるとゴツくて重い製品という印象となる。が、スティック型掃除機として使ってみると、手元近くに重心があるので、取り回しがしやすい。
ただし、掃除中に2kg程度の重みが片手にかかる。キャニスター式掃除機のハンドルを握ったときよりずっと重い感じですな。なので、「そもそも2kgの重量を支えるのがツライ」という人には向かないかも。そのあたり、店頭実機でぜひチェックしてみてほしい。
モーターを含めた本体の主な機構が手元付近にあるタイプの掃除機は、ヘッド周辺が細身。なので、わりと狭かったり込み入ったりしている箇所の掃除もわりとスムーズに行なえて好印象だ。
また、フロアヘッドの横幅は約18cmで、高さは7cm程度。家具やベッドの下へも侵入しやすく掃除しやすい。トイレの便器左右隙間、脱衣室等々狭い場所の掃除も同様、やりやすい。しかもコードが邪魔しないので、気分的には「狭い場所の掃除が超しやすい♪」、みたいな。
付属ノズル類の使い勝手も悪くない。ノズル類の装着は、本体に直接取り付ければハンディ掃除機として使えて、延長パイプの先に取り付ければスティック型掃除機として使える。なお、本体に直接フロアヘッドを装着することもできる。
ちなみに、フロアヘッドにはモーター式回転ブラシの類は内蔵されていない。が、「超吸引毛取りヘッド」によりカーペットの糸くずや毛などを効率良くかき取ることができる。
ただ、壁や天井付近を掃除すべく、延長パイプの先にノズル類を装着して使うと、約2kg前後の重量を片手で支えるカタチになる。その状態で使い続けるのはけっこーキツく、一種の筋トレ状態。多くの人は両手で使うカタチにならざるを得ないだろう。
で、肝心の吸引力だが、予想以上に強いという印象になった。吸引力は一定で切り換えできないが、毛やホコリ、細かな砂、パンくずなどの軽めのゴミならほぼ問題なく吸引してくれる。1本のバッテリーで20分掃除でき、バッテリーを交換すれば倍の40分使えるということを考えれば、毎日の主役を張る掃除機になってくれそうだ。
動作時の騒音は、ハンディ掃除機くらいというイメージ。だが、高音成分が多めのノイズで、少々耳障り。なので、夜間の掃除機がけは少々憚られるかもしれない。
吸引力について、個人的に少々残念なのは、フロアヘッドにモーター式回転ブラシなどが内蔵されていないこと。床に静電気などでこびりついたホコリ汚れ(白っぽいアレ)は、なかなか取れない。その場合、フロアヘッドより小型ブラシで擦りつつ吸引したほうがキレイになるだろう。
それから、意外に吸引力が強いとは感じたが、重めのゴミを吸い込むほどは力がない感じ。たとえば鉱物系の猫砂などは吸い取り残すことが多い。バッテリー1本で15分稼働でいいから、鉱物系の猫砂をキッチリ吸う吸引力を実現して欲しかったニャ、と、猫関連商品も多数出してるアイリスオーヤマ製掃除機だけに思うのであった。
とは言っても、「この掃除機だけでだいたいイケちゃうじゃん」的な吸引力はある。また、充電台に立つ掃除機をパッと手に掴んでササッと掃除機がけできるという「必要な時にすぐ手早く使える」的な利便がある。ので、こういう掃除機を導入すると、面倒臭がらず毎日まめに掃除機がけできるようになり、恐らく多くのケースで「部屋がキレイになる」はず、だが、人によるのかも。
ほか気になったところでは、ゴミ捨て機構が微妙な感じだったこと。ダストカップの形状と取り外し機構が今一歩な雰囲気で、サッと手軽にゴミ捨て♪ という感じではない。具体的には、本体底面のロック機構を外し、本体を持ち上げるようにダストカップを外し、ダストカップ開口部をゴミ箱などに向けてゴミ捨て、という感じ。
上の写真、通常は本体を手に持ち、パイプ側を下に向けてダストカップを開く感じになるんですな。写真のように横向きだと、ゴミが床に散らかってしまう。
問題なのは、ダストカップ側にパイプが付いていたりするので、まずはゴミ捨て自体がしづらいこと。ゴミ捨て前に意識してパイプを外すなどする必要がありますな。あと、実はゴミ捨て後のダストカップの装着もちょっとやりにくい。
また、本体側に付いたメッシュフィルターにはホコリや毛などの軽いゴミが吸着されがちで、それらがダストカップに落ちていないこと。ダストカップを開く(本体から引き抜く)とき、メッシュフィルターに付いていたホコリや毛などがパラリと舞ってしまうことが多いのだ。また、結局はメッシュフィルターに付いたゴミを手でどうにか落とす必要もある。
てな感じで、ゴミ捨て時の使い勝手が少々よろしくないのだ。この掃除機のゴミ捨て時の使いにくさを体験すると、「あ~なるほど、片手でワンタッチゴミ捨をウリにしている掃除機、アレはとてもイイものなんだなあ」と思ってしまう。
まあでも、紙パック式以外の掃除機のゴミ捨ては、屋外なりベランダなり、ホコリが舞ってもいいような場所ですればいいだけではありますな。また、このタイプの掃除機の場合「ゴミが集まるフィルター上に台所用の不織布タイプ水切りをかぶせ、ゴミ捨て時に不織布タイプ水切りごと捨てて、ゴミ捨ての手間を減らす」という技もよく知られるところ(メーカー保証外だが)。一工夫すればイマイチ感を払拭できると思う。
てな感じの「充電式スティッククリーナー ESC-7DCK」。細かな難点はあるのだが、やはり15,000円前後という実勢価格が魅力。また難点も、さほど大きくない難点であり、全体的には実用性が高い充電式掃除機だと感じられる。「掃除機がけしたいけど……あ~も~掃除機のコードが面倒~イヤ~コード式嫌い~」なんて思っているなら、ゼヒ!! もちろん一度店頭等で実機に触れてからどうぞ~♪