家電製品ミニレビュー

綿ボコリがゼロに! パナソニックのタワー型加湿空気清浄機

加湿空気清浄機 F-VKJ20

 今回ご紹介するのは、パナソニックの加湿空気清浄機「F-VKJ20」である。この製品のターゲット層は、単身世帯や共働きのDINKS世帯なんだそうだ。家に不在がちな単身世帯は、空気の動きが少ないためホコリが床に落ちやすい。そのため綿ボコリが気になる割合が多いという。

 そして我が家は単身世帯。気がつくと、部屋の隅に綿ボコリが……確かにある! 見渡せば割と高い位置の観葉植物の葉から、黒い鏡面仕上げのプリンターの上、そして床の隅まで、気がつくと至るところにうっすらとホコリが溜まっている。床にも綿ボコリが目につく。掃除しても溜まるのでうんざりしているところだったが、「F-VKJ20」は、筆者のような人間のための製品ということらしい。

メーカーパナソニック
製品名加湿空気清浄機 F-VKJ20
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格18,486円

業界初の「おそうじ気流」搭載で落下前にホコリをキャッチ

 加湿空気清浄機というと、旅行用の大型トランクのような四角いものをイメージしがち。しかし「F-VKJ20」は230×230×612mm(幅×奥行き×高さ)のタワー型で、今回使用したカラーは「キャラメルモカ」。ミルクティーのような薄いブラウンが配色されており、軟らかい雰囲気を醸している。

サイドパネル側
背面

 空気清浄機能としては、業界初の「おそうじ気流」を搭載しているのが大きな特徴。床上空間のホコリを集中的に吸引するため、ホコリが床に落ちるのを防ぎ、床に落ちるホコリが約50%低減するという。

 本体の上には操作部、吹き出し口、およびルーバーがあり、本体側面から吸い込まれた空気がフィルターを通って上から吹き出る仕組み。

吹き出し口とルーバー
操作するのは中央のボタンのみ

 フィルターは「集じんフィルター」と「脱臭フィルター」の2枚で、本体両側にあるサイドパネルの内側に収納されており、いずれも簡単に着脱できる。吸引したホコリの量が3段階で分かる「ホコリインジケーター」や、湿度の状態が分かる「湿度サイン」も備えている。

サイドパネル内にある「集じんフィルター」
「集じんフィルター」の奥に「脱臭フィルター」がある
集じんフィルター(左)と脱臭フィルター(右)
「集じんフィルター」を拡大

 空気清浄機能だけでなく、加湿機能も搭載し、本体裏側には加湿用のタンクを備える。容量は約1.2Lだ。

加湿用のタンクには、持ち運び用のハンドルがついている
右側は加湿フィルター部分
タンクを外した状態のボディ

 運転モードは利用シーンに合わせて4つのうちから選べる。留守の間にお掃除気流で部屋中のホコリやにおいを掃除する「留守そうじ」、日常的な稼働に向いた「おまかせ」、アロマエッセンスを使うことで、空気に潤いと香りをプラスできる「うるおいアロマ」、就寝時に最適な「おやすみアロマ」の4モードが選択できる。

 アロマオイルを入れられる「アロマケース」は本体背面に備えており、加湿しながら香りを楽しめるというわけだ。

アロマケース
アロマオイルを浸したティッシュなどをいれておく

 適用床面積は空気清浄が8畳、加湿が木造5畳/プレハブ8畳。タンク満水時の加湿時間は、うるおいアロマ運転で約4時間、おやすみアロマ運転で約6時間の加湿が可能だ(室内の温度が20℃、湿度が30%の場合)。

操作はモードの切り替えのみ。モードが変わるとルーバーの角度と風量が変わる

留守、在宅、就寝時のメリハリ運転でホコリをガンガン吸引

ホコリが溜まりやすい場所に「F-VKJ20」を設置

 実はこれが人生初の空気清浄機の筆者。使い方やメンテナンスが面倒臭かったらイヤだなと思っていたが、拍子抜けするほど簡単であった。電源コードをセットし、タンクに水を入れてセットしたら、運転ボタンを何度か押して好きなモードを選ぶ。たったこれだけ。

 設置したのは、仕事部屋の中でも綿ボコリがたまりやすい場所である。近くには観葉植物もあり、葉の上にまでホコリが舞い落ちる。床を含め周辺を掃除し、葉のホコリも拭き取ってから、まずは「おまかせ」でスイッチオン。外出時には再び運転ボタンを押して「留守そうじ」に変更。帰宅後タンクの水を確認してからしばらく「うるおいアロマ」で運転したのち、就寝前には「おやすみアロマ」に。そんな感じで約2週間ほど連続的に運転させてみた。

気がつくと貯まっている床の綿ボコリ
観葉植物の葉の上もホコリでこの通り……
通常は「おまかせ」モードで運転

 約2週間後、掃除をしていなかった床をチェックしたところ、ホコリの少なさに驚いた。設置前に綿ボコリが2つも確認された場所を拭き取ってみたが、ホコリの量は想像以下だったのだ。もちろん綿ボコリはゼロである。観葉植物の葉の上も綺麗なまま……。分かりやすいのがパソコンのモニターの裏側や上、および黒光りするプリンタの上である。さすがにゼロとは言わないが、以前よりもかなり少ない。

 もしやとサイドパネルを外してみたところ、大量のホコリが吸着されていた。それまでの我が家なら、床に落ちては歩行の際に舞い上げていたはずのホコリと思われる。目には見えなくても、しっかり働いてくれていたのだ。なお、モードごとにルーバーの角度や風量が変わるが、そばにあっても作動音が気になることはなかった。

ホコリが溜まりやすい場所をチェックするも、綿ボコリの姿はなし!
拭いてみたところホコリの量が半減していた
集じんフィルターは大変なことに!

ズボラな“舞い上げ掃除術”を編み出す!?

エアダスターでわざわざホコリを舞い上げて外出。帰宅すると「ホコリインジケーター」が大いに反応していた

 その効果を確認してからは、出かける前にエアダスターでわざと周辺のホコリを舞い上げてから「留守そうじ」にして出かけたりするようになった。落下してしまったホコリは吸い上げてくれないが、空中に浮遊させておけばキャッチしてもらえる可能性が高まり、こちらの掃除の手間が省けるからである。舞い上げたホコリは、帰宅時には綺麗になっている(はず)。唯一持っているアレルギーが「ハウスダストアレルギー」だが、帰宅後にくしゃみが止まらなくなったことはなかった。

 我ながらズボラ過ぎだとは思うが、これがかなり効果的なのだから仕方がない。帰宅後は、アロマケースにアロマオイル(レモン)を染みこませたティッシュを入れて「うるおいアロマ」モードに。クリーンな空気の中で、好きな香りまで楽しめるのだからありがたい。加湿、アロマ、空気清浄の3つがそろっているのは正直得した気分である。

 気になるメンテナンスだが、「集じんフィルター」は1週間に1度のペースで、吸着したホコリをクリーナーで吸い取ればいいらしい。「集じんフィルター」と「脱臭フィルター」の交換は2年間、加湿用タンクの「加湿フィルター」は10年間は交換不要だとか。これならずぼらでも使い続けられそうだ。

「F-VKJ20」のおかげで掃除が楽に。1人暮らしでも空気清浄機はアリ!

タンクの満水位置を示す印。操作部あたりに給水ランプがあると分かりやすい

 唯一不満があるとすれば、加湿用タンクの水の残量がわかりにくい点だろうか。特にこの時期の加湿機能は重宝する。タンクの容量が増え、フロントからでも給水を知らせるランプなどが確認できるとありがたい。

 実は、これまで単身者には空気清浄機など贅沢と思っていた。逆にお掃除ロボットが欲しいな、なんて考えていたのだ。しかし、まず導入すべきは部屋を立体的にカバーできる空気清浄機のようだ。

 1人暮らしは部屋の数も限られることが多い。同じ部屋が寝室、リビング、食堂、仕事場を兼ねる場合もある。となると、寝具や衣類など、さまざまなホコリが常時舞い上がりやすいわけで、それを空気清浄機が随時吸い上げてくれれば、クリーンな環境がすぐ手に入りやすいともいえる。つまり、ワンルームこそ空気清浄機が活躍しやすい場所なのかもしれない。

 髪の毛や糸くずなど、空気中に漂わないゴミは自力で掃除する必要があるが、軽いホコリが少ないので、掃除をする際もホコリまみれになりにくく、アレルギー持ちにも優しい。これはぜひ導入せねばなるまいと心に決めた筆者である。

すずまり