家電製品ミニレビュー

クリエート「FDL型LED電球」

~オフィスやマンションのコンパクト蛍光灯をLEDに
by 伊達 浩二
クリエート「FDL型LED電球」

 E26口金やE17口金のLED電球は、すっかり普及し、照明器具売り場の店頭では主役となっている。売れ始めているLEDシーリングライトとともに、家庭用のLED照明器具は完全に定着したと言っていいだろう。

 しかし、マンションやオフィスの照明器具では、E26やE17のような白熱電球用の口金を使った器具は少ない。節電のために、コンパクト蛍光灯という種類の器具が普及しているのだ。約20年前から10年前ぐらいに設計されたビルではコンパクト蛍光灯が主役となっているビルが多い。

 私が住んでいるマンションも、築10年だが、通路など共有部分の照明は、ほとんどコンパクト蛍光灯を使った器具になっていた。コンパクト蛍光灯は、白熱電球に比べれば明るく省エネで、優れた器具なのだが、蛍光灯専用に設計されているので、そのままではLEDに交換することが難しい。

 したがって、LEDに置き換えて節電する案を勧める業者に見積りを取ると、器具ごとにLED照明に交換するという提案を持ってくる。もちろん、工事費がかかるので、けっこうな金額になってしまう。

 だが、いろいろ調べてみると、一部のタイプでは、コンパクト蛍光灯専用口金を持ったLED電球が実用化されていた。それが、今回紹介するクリエート「FDL型LED電球」だ。

 FDL型LED電球は、GX10という口金を使用するコンパクト蛍光灯を置き換えるLED電球だ。これならば、器具ごと交換せずにすみ、工事費もほとんどかからずに、照明器具のLED化が図れる。節電がテーマとなっているマンションやオフィスにとっては、とても興味深い製品だ。

 


メーカークリエート
製品名FDL型LED電球 2.5W型
希望小売価格9,800円
購入場所メーカー直販
サンプル価格3,980円

 現在、このLED電球の販売は、Webサイトの問い合わせフォームでのみに限られており、価格も記載されていない。かなり限られた形での販売だ。私が購入したときは、フォームで価格を問い合わせ、メールで返事をもらって、その返信で注文を確定するという手順だった。

 さて、前置きが長くなってしまったが、「FDL型LED電球」本体を見ていこう。まず、FDL型というのは、蛍光灯の形状を指している。2本のU字型の発光管が並んだコンパクトな管で、ちょっと見ると4本の管を束ねたように見える。

 形状は縦型と横型、出力が2.5W型と5W型で合計4タイプ用意されている。それぞれ電球色と昼光色があるので、合計8機種が揃う。購入時に在庫があったのは縦型の2.5W型のみだったので、2.5W型の電球色と昼光色を発注した。

 価格は電球1個が定価9,800円のところ、サンプル価格ということで3,980円(税別)。決済は代引きだったので、送料と手数料を含めて、合計で9,198円だった。この価格は、私が購入した時点のサンプル価格であり、変動する可能性もあるのでご承知おきいただきたい。

GX10という蛍光灯専用口金に対応

 到着したパッケージは、紙筒と緩衝材で丁寧に梱包されていた。化粧箱などには入っておらず、あくまでもサンプル品らしい梱包だ。この梱包を見ただけで、まだ一般に販売される製品ではないということが伝わってくる。

梱包は丁寧だがサンプル品らしいもの1年間の保証付きFDL型LED電球は小型で軽量だ。LEDのカバーは樹脂製

 FDL型LED電球は、口金の部分を除くと、E26口金の一般的なLED電球と同じぐらいの大きさだ。LEDの部分は、小さいLEDがたくさん載ったタイプで、最新のLED電球とはだいぶ異なって見える。4~5年前のE26口金LED電球のような形をしている。

LEDは出力の小さいものをたくさん使うタイプ左から最近のLED電球、本製品、5年前のLED電球デザイン的には、右側の5年前のLED電球に近い

 口金は、GX10というタイプだ。これは、コンパクト蛍光灯のために作られた規格で、灯具側に安定器やインバータ点灯回路を持っている。今回の「FDL型LED電球」は、電球側に回路を追加することで、GX10に直接接続できるようにしたところが新しい。

左から昼白色と電球色上半分は一般のLED電球のようだが、コネクタ部分がコンパクト蛍光灯用になっているコネクタ部分のアップ

明るさと器具の種別を確認する必要がある

 GX10には、蛍光灯のワット数によって、いくつかの種類がある。コネクタの上部に設けられたツメで、そのワット数が指定されており、器具と電球の両方のワット数が合わないと使えないようになっている。しかし、FDL型LED電球には、このツメがなく、9/13/18/27Wの4種類の器具に対応している。

 今回、居住先のマンションで試せたのは27W型の器具だった。ワット数が変われば、明るさも変わるので、13W型の器具には2.5WのLED、18W型の器具には5.0WのLEDの使用が推奨されているが、今回LEDは2.5W型しか入手できなかったので、かなり暗くなってしまうことが予想される。

 また、ダウンライト器具には、縦型と横型の2種類がある。つまり、蛍光灯を縦にしたものと、横にしたものがあるのだ。

縦型機器の例コネクタが奥にあり、垂直に蛍光灯が入っている
横型機器の例コネクタは側面の穴の奥にあり、水平に蛍光灯が入っている

 横型の器具には、器具の高さを抑えることができるというメリットがある。しかし、今回用意した「FDL型LED電球」は縦型なので、横型の器具には使用できない。

 やはり、もともと蛍光灯用に用意された規格なので、それにLED電球をマッチングさせるには、いろいろ考えなければならないことが多いのだ。比べてみると、E26口金はシンプルで素直な規格だったと思う。

マンションの通路照明で確認

 取り付けたのは、居住先のマンションのエレベーターホールの前にある、縦型のダウンライト器具だ。17W型の蛍光灯に対応している。

エレベータホール前にあったダウンライト。17型対応で縦型の機器だ蛍光管は天井に近い位置まで届いている蛍光管を取り出した状態。かなり長いものであることがわかる

 FDLタイプの蛍光灯は、適合した器具であれば交換は簡単だ。ただし、蛍光灯に比べ、LED電球は上下が短いので、思ったよりも奥に手を差し入れる必要がある。FDLタイプの口金は樹脂製で、無理に力を加えると割れてしまうことがあるので注意してほしい。

 また、蛍光灯はかなり熱くなっているので、交換する際は、消灯して冷めた状態で行なうようにしたい。一般に、高い天井部分に器具はあるので、踏み台か脚立を用意した方がいい。

 LEDは2.5W型なので、予想通り、少し暗くなってしまった。通路の1カ所だけ、これに交換すると気がつくぐらいの差はある。だが、電球色も昼光色も色味に違和感はないし、何時間か経ってさわってみても、蛍光灯ほど熱くならない。

機器のかなり奥にコネクタが見える昼白色の設置例電球色の設置例
電球の長さが短いので、かなり奥まった感じになる蛍光管よりも太いが周囲には余裕がある

 全体的に、ごく普通に使える製品であり、もう少し明るいであろう5W型だったら、このまま交換しておいても誰も違和感を感じないだろう。設置の簡単さも含めて、実用性は高いと思われる。

 ちなみに、27Wタイプの蛍光灯を5WタイプのLEDに交換すると、差は22Wになる。今回の場所では、1日12時間点灯するので、22×12で、0.264kWh/日となる。1カ月で7.9kWhだから、電気代は173.8円浮く計算になる。年間にすれば2,085.6円の計算だ。今回のサンプル価格で入手できるとすれば、2年ちょっとで元が取れる計算だ。

 ダウンライトは、一般にビル1つで数十個使用される器具なので、ビル全体にすればかなりの節電になる計算だ。

価格と入手性が課題

 「FDL型LED電球」はユニークで、面白い製品だ。ただし、自分が住んでいるマンションで導入するかというと、まだ考えてしまう。

 まず、現状で入手できるのがサンプル品であること、また価格についても、送料や代引手数料を入れると1個4,000円を越えてしまう。分野が異なるとは言え、少し前の型であれば、西友で770円で売っているE26型LED電球とは比べ物にならない。

 現状では、一般の人に勧めるというよりは、興味のある専門家や、節電に熱心なビルオーナーが試験的に導入するという段階だと思われる。

 クリエートでは、販売代理店も募集しているので、そういうルートが充実して、パッケージとして販売されるようになってほしい。基本的には施設や法人向けに向けた製品だが、節電が課題となっている今の時代には合致した製品であり、普及する可能性は高いと思う。

 さらに、スリム型蛍光灯には多くの種類がある。少しずつでも対応してくれるLED電球が登場することを期待したい。

今回の電球とは異なるスリム型蛍光灯機器の例1その内部
外部の防滴型機器もスリム型蛍光灯対応だ縦に長い蛍光管が入っている





2012年4月19日 00:00