家電製品ミニレビュー

シャープ「プラズマクラスターイオン発生機 IG-DK100」

~寝ている間の乾燥対策に! 寝室向けのイオン発生機
by 小林 樹
シャープ「プラズマクラスターイオン発生機 IG-DK100」

 空気清浄機やイオン発生機というと様々なタイプのものがあるが、この冬シャープから、寝室向けのイオン発生機「プラズマクラスターイオン発生機 IG-DK100(以下、IG-DK100)」というものが発売された。

 就寝時、喉が痛くなるほど乾燥を感じていた私は、寝室向けで、加湿機能も搭載している点に惹かれ、試してみることにした。


メーカーシャープ
製品名プラズマクラスターイオン発生機
IG-DK100
希望小売価格35,000円前後
購入場所ヨドバシ.com
購入価格26,700円

 IG-DK100は、シャープ独自の除菌・脱臭技術「プラズマクラスターイオン」の放出機能を備えた、寝室専用のイオン発生機だ。イオンの適用床面積は約6畳で、“寝室用”と謳っているだけあり、リビングに置くにはちょっと物足りない。個人の部屋など、限られたスペース向けの製品だ。また、同社独自のプラズマクラスターイオン搭載で、除菌や肌の保湿が寝ながらできるというのも嬉しいポイントだ。

 IG-DK100では、1立方cm当たり25,000個のイオンを放出する「高濃度プラズマクラスター25000」発生ユニットを搭載しており、これは現在、同社が出しているプラズマクラスター製品の中で、もっともイオン濃度の高い製品の1つにあたる。

加湿機能により、イオンを取り囲む水分子が増加し、保湿効果が高まるという

 さらに、IG-DK100では、1時間あたり300mLの本格的な加湿運転機能も搭載している。加湿適用床面積は、プレハブ洋室で8畳まで、木造和室で5畳まで。プラズマクラスターイオンとの組み合わせによって保湿効果が高まり、肌にツヤやハリを与えたり、肌のキメを整えるたり、肌の保湿効果を約1.8倍に高める美肌効果もあるという。

 前置きが長くなってしまったが、本体の様子を確認しておこう。IG-DK100は丸みを帯びたコンパクトな直方体で、本体サイズは201×309×332mm(幅×奥行き×高さ)、本体重量は約4.2kg。電源コードの長さは3mだ。

本体前面本体天面には操作パネルがある本体側面の端には吸気口が配置されている
本体背面最初に使う時に、フィルターを本体にセットする本体に格納されているプラズマクラスター発生ユニット

 水タンクは容量2.1L。本体手前に格納されており、上部の取っ手で取り外しできる。加湿には、ローター気化式を採用。円盤型の回転フィルターに水を通して、湿った空気を吹き出すしくみだ。

水タンクは本体手前に格納されている水タンクの容量は2.1L
トレーと加湿フィルターを取り外したところ回転する円盤型のフィルターに水を通して、湿った空気を吹き出す加湿方式、ローター気化式を採用している

 操作は、天面の操作パネルで行なう。運転モードは、通常運転の「イオン運転」と、加湿しながらイオンを放出する「加湿イオン運転」の2つ。それぞれ風量は「フルパワー/標準/弱」から選べる。風量「フルパワー」は、掃除機をかけた時や布団の上げ下ろしの際など、空気の汚れが気になる時向け。「標準」は強めの風量で、イオンの効果を高めたい時、「弱」は運転音を抑えたい時に、それぞれ適しているという。

 イオンと風の吹き出す方向は、ルーバーを手動で調節する。イオンの適用床面積は約6畳、加湿の適用床面積はプレハブ洋室で8畳まで、木造和室で5畳までとなっている。

イオン吹出口と操作パネル操作部の拡大図ルーバーの向きは手動で調節する

 加湿イオン運転ではさらに、「自動エコ」モードも搭載している。湿度センサーによって、自動的に加湿運転をON/OFFし、部屋の湿度が60%になるよう自動運転するモードなのだ。

運転スイッチを入れると、はじめは風量「弱」で運転を始める。続けてボタンを押すと、風量が選べる「自動エコ」モードで運転時の操作パネルの様子「自動エコ」モードでは、部屋の湿度が60%になるよう自動運転する

 「イオン運転」と「加湿イオン運転」、それぞれの風量「フルパワー/標準/弱」での運転状況は、以下の動画でご確認いただきたい。風量が大きくなると、運転音も大きくなるのがはっきりわかるだろう。

加湿イオン運転→イオン運転の順で、それぞれ風量を大きくしていったところ。運転音は「弱」だと小さいが、フルパワーだとかなり大きくなる

  なお運転スイッチを入れた時には、部屋の湿度の目安も操作パネルに表示する。就寝時に、これらのランプの明かりがまぶしい場合は、操作パネル上部の「明/暗」ボタンでランプの明るさを抑えられる。寝室で使うには嬉しい仕様だ。

電源OFFの状態ランプが「明」の状態ランプが「暗」の状態。少し暗くなる

  消費電力は、加湿イオン運転で「標準」の風量の場合、11W。電気代は、1日24時間運転した場合、約5.8円になるという。


枕元の限られたスペースにも設置しやすいコンパクトさ

和室の枕元で使用した

 実際に寝室の枕元で1カ月以上使ってみたところ、良かった点はいくつもある。まず、本体がコンパクトで、枕元の限られたスペースにも設置しやすかったこと。布団を上げ下げする際や、部屋を掃除する際にも、ひょいっと持ち上げて動かせるので、楽チンだ。また、和室に置いても圧迫感がないのも嬉しい。別の部屋に、大きめの加湿空気清浄機を置いているのだが、こちらは動かすのが大変だし、和室に置くと圧迫感が出て、オーバースペックな印象だったのだ。

 2つ目は、これはプラズマクラスターイオンの効果だと思うが、朝起きた時に髪の絡まりを感じる日が減ったことだ。長髪で、寝相の悪い私は、特に冬場の乾燥している時期に、寝ているうちに髪が絡まりやすいのが悩みだったが、IG-DK100を運転して寝ると、朝起きた時に簡単に髪に指が通るようになった。プラズマクラスターイオンは、静電気の低減や保湿効果が確認されているから、おそらくその効果の現れだろう。

普段の寝起きの髪は、手ぐしだけではなかなかほどけないほど、絡まってボサボサIG-DK100を運転した翌朝は、手ぐしだけで髪の絡まりがスルッとおちた

 3つ目に良かったのは、加湿効果だ。IG-DK100を枕元に置くようになってからというもの、夜間の乾燥による喉の痛みがなくなったのだ。運転開始時は40%を示していた湿度も、20~30分ほどで60%まであがった。

 毎日水を取り替えていたが、水タンクの容量が2.1Lとたっぷりあるので、夜中に水が尽きてしまうようなことはない。コンパクトな加湿器だと、夜中にタンクの水が尽きて、喉が痛くなって目を覚ますことがあった。リビング用の加湿空気清浄機に比べたら、水タンク自体はコンパクトなので、給水時にも水が注ぎやすい。

衣類に付いたニオイも軽減

 また、衣類に付いたタバコのニオイも軽減できた。プラズマクラスターイオンは、ニオイの除去効果も謳っている。IG-DK100を使っていたのはちょうど忘年会、新年会シーズンだったので、次から次へと衣類にイオンを当てて使った。1時間ほどしてから衣類のニオイを嗅ぐと、タバコやお酒のニオイがほとんど感じられなくなっていた。

  なお手入れは、フィルターが1週間に1回掃除機で吸引、加湿フィルターとトレーは1カ月に1回水洗いが推奨されている。



加湿フィルターとトレイは水洗いするトレーの下にも水がこぼれていたりするので要注意

 気になったのは運転音。説明書によれば、運転音は25~42dBとある。特に運転開始直後は、乾燥した部屋の湿度をあげるために、ハイパワー運転で、風吹き音が結構うるさい。しばらくして、湿度が約60%に近づけば、自然と「弱」モードで運転し、静かになるが、もし音が気になるようなら、あらかじめ少し前の時間から、運転スイッチを入れておくことをオススメする。

 とはいえIG-DK100は、スピーディーに加湿とイオン放出を行なうので、効率的に部屋の空気をキレイにできるのがメリット。寝室など、日中人が不在の部屋や、布団周りになかなかスペースが取れない方には、IG-DK100のような“スポット使い”向けの加湿機能付きのイオン発生機をオススメしたい。






2012年1月13日 00:00