家電製品ミニレビュー
アテックス「ルルド 3Dもみパーソナルチェア」
アテックス「ルルド 3Dもみパーソナルチェア」 |
最近のマッサージチェアの大きなトレンドとして、インテリア性が高いものが注目を集めている。パナソニックやフジ医療器といった業界大手も「リビングに置ける」マッサージチェアを提案している。今回紹介するアテックスの「ルルド 3Dもみパーソナルチェア AX-CL1630」(以下、パーソナルチェア)もその流れに乗った製品の1つだ。ただ、これまでに紹介してきた製品とは大きな違いがある。それが価格とサイズだ。
メーカー | アテックス |
製品名 | ルルド 3Dもみパーソナルチェア |
希望小売価格 | 62,000円 |
購入場所 | 楽天市場 |
購入価格 | 39,800円 |
まず価格については、希望小売価格は62,000円。一部のネットストアでは4万円を切る価格で購入できる。これは、大手メーカーの製品の役4分の1程度。通常時の本体サイズは、700×860×970mm(幅×奥行き×高さ)で、奥行きも高さも従来のタイプと比べるとかなり小さめだ。
製品本体 | 本体背面 | 座面 |
電源コード | リモコンは本体とコードでつながっている | 本体の下部。回転機構が搭載されていて、120度まで回転できる |
リクライニングする際は、座面に備えられている黒い取っ手を引っ張る |
価格が安くて小さいというと、本体の構造が心配になるが、本体はかなりしっかりした造り。手動ではあるが、リクライニング機能を備えるほか、120度の本体回転機構も採用する。
本体デザインは、まさに「家具」といった感じ。特徴的なのが、温かみのある本体カラーだ。今回選んだアーバンレッドのほかに、ブラウン系の「モカブラウン」も用意するが、いずれも太い糸と細い糸を織り込んだ織り生地を採用。馴染みやすい柔らかい色となっている。
サイズがコンパクトなので、置き場所の選択肢が広いという利点もある。たとえばパナソニックやフジ医療器の製品は、インテリアとしてのバランスを考えると、10畳程度の広さの部屋に置きたいが、パーソナルチェアなら、6畳の部屋に置いてもバランスが取れる。その意味でいうと、これまでのどの製品よりもインテリア性が高いといえるかもしれない。
本体側面 | 最大限倒したところ | リクライニングすると前のフットレストも持ち上がる仕組み |
■マッサージ機能はシンプル
では、マッサージ機能はどうかというと、こちらはごくシンプル。当然だが、高級機種に比べると、マッサージできる部位も、コースも少ない。パーソナルチェアでマッサージできるのは、腰と背中だけで、足や座面のマッサージには対応していない。本体内蔵の4つのもみ玉が回転しながら、上下に動いてマッサージを行なう。
自動コースは全部で4つ、もみ玉が角度をつけながらマッサージを行なう「3Dもみモード」、筋肉を伸ばすように施術する「ストレッチマッサージ」、背中と腰のマッサージを行なう「マッサージモード」、もみ玉をヒーターで温めながらマッサージする「ヒーター」モードも備える。
本体リモコン | マッサージ使用時は、背面のクッションを後ろにひっくり返す | ヒートコースを選択するともみ玉が赤く光る |
4つあるマッサージコースのうち特に気に入って使ったのが、背中や腰を伸ばしてくれるストレッチマッサージ。1日働いた後に使うとこれが格別。固まった筋肉をゆっくりと確実に伸ばしてくれるので、気持ちよさに思わず「あー」という声が出る程だ。
一方のマッサージコースは、今まで使ってきたマッサージチェアに比べると少し物足りない。29歳女子としては、もっとグリグリゴリゴリ来て欲しい。ついつい、背中をマッサージ部に押し付けてしまっていた。
特に不満を感じたのは、マッサージが腰と背中だけということ。腰と背中だけをマッサージすると、首についつい力が入ってしまい、マッサージ後もなんだか疲れが残ってしまう。価格を考えると、これもしょうがないとは思うが、マッサージ機能を重視する人にとっては、物足りないかもしれない。
■マッサージ機能付き1人用ソファとして
マッサージ機能には少々不満が残ったものの、全体的な印象としては悪くない。従来の「リビングタイプ」のマッサージチェアが、「マッサージチェア」にインテリア性を持たせた製品だとすると、パーソナルチェアは、「1人用ソファ」にマッサージ機能を付けた製品だと感じた。リビングに常に置いておけるし、テレビを見る時の1人ソファとしての座り心地も悪くない。
座っているところ。写真では身長177cmの男性が座っている | 倒したところ。脚が投げ出されるような格好になる | 本体背面には雑誌などを入れられる大型ポケットも付いていて、リビングに置く椅子としては機能性が高い |
従来「大人のもの」であったマッサージチェアを、購入しやすい値段や部屋に置きたくなるようなデザインを採用することによって、20代の1人暮らしの女性でも欲しくなるような製品に仕上げてきている。機能的な1人用ソファを探している人は、検討の価値アリだ。
2011年9月16日 00:00