家電製品ミニレビュー
無印良品「デジタルコードレス留守番電話機 TEL-MJ1」
無印良品「デジタルコードレス留守番電話機 TEL-MJ1」 |
■FAX電話機を使わなくなって久しい
もう随分長い間、FAX電話機のFAX機能を使っていないことに気がついた。ごくまれに送られてくることもあるが、ほとんどはDM。普通紙FAXなので、「インクと用紙が無駄になった……」とちょっと凹む。いや、FAXを使わないというより、自宅の回線に電話がかかってこないといってもいい。たまにかかってきても、化粧品などの電話セールスか、クレジットカード会社の“お得なご案内”程度だ。
こっちから電話をかけるときも、手が伸びるのは子機である。なのに、親機はかなりの存在感。確かに以前は大活躍してくれていたが、今となっては、ホコリは溜まるわ、黄ばみで見た目も悪くなってくるわと悩ましい存在になってしまった。
いつかなんとかしなければ……というときに我が家にやってきたのが、無印良品のデジタルコードレス留守番電話機「TEL-MJ1」であった。
メーカー | 無印良品 |
製品名 | デジタルコードレス留守番電話機 TEL-MJ1 |
販売価格 | 10,999円 |
購入場所 | 無印良品ネットストア |
この電話機、電池を入れても130g、サイズは44×30×169mm(幅×奥行き×高さ)というスリムな子機と充電台、そして無線LANのような小さな白いボックス(115×35×115mm)が親機という、実に小さく、思い切りのよい構成だ。つまり、FAX機能がない。
FAX機能はあっても使わないが、なくなると心配、という複雑な気持ちを抱きつつも、実験もかねて、付け替えてみることにした。重たいFAX電話機をどかし、電話線と電源ケーブルを抜く。抜いた電話線は「TEL-MJ1」の親機に挿し、子機ともども電源ケーブルを差し込む。入れ換え完了だ。
パッケージ内容 | 子機 | 子機の右サイド |
子機の背面 | 子機の左サイド | キーは立体感があり、押しやすい |
親機の側面 | 親機の正面 | 親機の背面 |
■必要な機能は、すべて子機の中に
コンパクトになった電話機を眺めていると、あまりの変わりようになんだか心配になってきた。なにせ操作できるのは、ボタンがついた薄い子機1つだからだ。
手のひらへの収まり具合はなかなか | 使用前に子機用電池を入れ、13時間充電する | 親機にはボタン類が一切ついていない |
側面のカバーをはずすと、4桁の子機登録用ID番号と登録ボタンが現れる。これは別売の子機を増設する場合に使用する | 取扱説明書が1冊付属。無印のサイト上には、PDFでも用意されている |
しかし心配は無用であった。この子機だけで、必要なことはすべてこなせてしまうのである。
最初に気になったのは、留守電機能だ。留守番電話は「留守」ボタンを押すだけでセット完了。留守番電話に切り替わるまでの時間は自動(5分)、30秒、応答専用の3つから選べ、録音時間は合計約45分(通話中の録音分も含まれる)。件数にして、最大50件まで録音可能だ。
自分の声を使った自作応答メッセージも利用できるし、相手の声を確かめてから出る「居留守モニター」機能があるほか、録音された用件を外出先から聞くなどのリモート操作も可能なので、従来の電話機と遜色ない。むしろ小さくなってありがたいくらいである。
「留守」ボタンを押し、留守番機能を有効にした状態 | 自分で応答メッセージも録音できる | モーニングコール機能付き |
液晶はオレンジ色で、文字の視認性も高い。常に日時が表示されているので、近くにあると意外と便利だ。通話は手ぶらも可能で、十字キーを使った通話中の音量調整も簡単だ。
着信履歴は30件まで保存される。履歴からコールバックしたり、電話帳への登録、着信を防ぐ「番号ガード」が利用できる。
漢字対応の電話帳機能もあり、100件までの名前と、ケータイ電話と家の電話など、1件につき2つの番号を登録しておける。電話帳に登録した番号は、待受表示中に十字キーの▲または▼キーを押す「全検索」と、相手の読みが割り当てられているダイヤルボタンを2秒以上押す「時短検索」の種類で探せる。
電話帳には漢字が使用できる | 着信履歴 | 発信履歴 |
呼び出し音量の調節 | 電話帳残り件数の確認 | 電話帳の登録 |
「ナンバーディスプレイ」を契約している場合は、番号もしっかり表示してくれるし、特定の相手を呼び出し音で分ける「すき・すきコール」機能や、「迷惑電話ガード」も利用できる。「ネーム・ディスプレイ」を契約されている方は、番号が登録されていなくても相手の名前が確認できる。
いたずら電話など、迷惑電話がかかってきたら、「ゲキタイ」(再生)ボタンから、プリセットされた撃退用メッセージ(6種類)を流せる。男性の声で「いいかげんにしてください!」と流せるので、一人暮らしの女性には嬉しい機能だ。また、長電話を切りたいときは、3種類の「きっかけ音」を流し、電話を切るきっかけがつくれる機能も搭載されている。
家庭用電話機として、最低限どころか十分な機能を備えていると言ってもいいだろう。なお、子機は4台まで増設でき、子機間の通話も可能である。
■これからは、シンプルでいいのかも
交換してから、約1カ月。もともとFAX電話機のあった場所はスッキリし、実にすがすがしい。
従来のFAX電話機。トレイの一部が破損したため、ダンボールで代用するという状況 | 「TEL-MJ1」に置き換えたところ、驚くほどスッキリした! |
FAXの送受信ができない点が頭の片隅でひっかかってはいるものの、この1カ月、良いのか悪いのか、1度もFAXは流れてこないし、こちらから送信する必要性に駆られたこともなかった。これから頻繁に必要になるとも考えにくい。もはや、「必要になったときに考える」でもいいのかもしれない。
これまでを振り返ると、親機の受話器を使うことはまずなかった。留守番電話の再生やFAXの送受信には使うが、使うのは取り扱いやすい場所に置いた子機というパターンだ。しかも、過去の親機は設置場所に悩んだものだが、TEL-MJ1は子機にすべての機能が入っているうえ、充電器がコンパクトなので、設置場所を選ばないという点もありがたい。
軽くて、女性の手にもグリップしやすく、ボタンも押しやすい点も評価できる。気になったのは、充電台においておくと、底面付近がやや熱を帯びていることくらいだろうか。握れないほど熱いわけではないのだが。
TEL-MJ1には驚くような機能があるわけではないが、ケータイ電話とインターネットが普及した今は、思い切ってここまでミニマムにするのもいいものだな、と感じた。
2010年9月16日 00:00