家電製品ミニレビュー

山善「YDS-J14」

~実売2,000円以下で買える手頃なデスクファン
by 伊達 浩二
山善「YDS-J14」

 東京は暑い日が続いている。外回りをしているときの暑さもつらいが、オフィス内の自分の机にいながら微妙に暑いのもつらい。

 最近のオフィスでエアコンがないことは考えられないが、すべての席がむらなく冷えるわけではないし、温度の感じ方にも個人差がある。昨今はエコのために、設定温度が高めの場合もあるだろう。

 机の上に置く扇風機としては、パソコンのUSB端子を電源とするものが普及しているが、これらは、5Vの弱い電圧で動くため、風量に不満を感じることが多い。

 もう少し本格的で、きちんと風が送れる安いデスクファンを捜してみた。それが、今回紹介する山善の「YDS-J14」という商品だ。安いところを探すと、実売価格が2,000円を切っている。


メーカー山善
型番YDS-J14
購入店舗Amazon.co.jp
購入価格1,966円

 山善は本格的な扇風機もたくさん出しているが、このデスクファンシリーズも長く販売されている。YDS-J14は2009年の春ごろからあるようで、ボディカラーは本体がホワイトでルーバー部分だけ色が異なる。当初ホワイトブルー/ホワイトブラック/ホワイトオレンジの3色があったが、今年の夏はホワイトオレンジは見かけない。今回は、少し安かったので、ホワイトブルーを選んだ。

 YDS-J14の電源はAC100Vを使用している。電源コードの長さは約1.4m。ボディは樹脂製で、比較的大きい。サイズは、180×145×15mm(幅×奥行き×高さ)で、重さ1kgある。底面積は、ちょうどDVDのトールケースと同じぐらいだ。

本体正面本体背面。電源コードは直付け底面積はDVDのトールケースと同じぐらい

 シロッコファンを使っているので、いわゆる扇風機のような形はしていない。空気は本体の左右から吸い込んで、前面のルーバーから吹き出すようになっている。

 ルーバーは、だいたい水平の位置から、やや上向きまで調整できる。机の上に置いて、自分の顔に風を当てるのに不自由はない。左右の調整はないので、方向を変えるときは本体をそちらに向ける必要がある。当然、首振り機能はない。ちなみに、私が購入した個体では、水平より下に風を向けようとすると、ゆっくりとルーバーが上へ戻ってしまい、水平より下に向かない。まあ、実用上は上に向けて使うことが多いので困らない。

ルーバーを一番下げた状態ルーバーを一番上げた状態。机の上に置き、顔に風を当てる場合に便利

 風量の調整はロータリースイッチで行なう。調整は2段階しかなく、1と2で表されている。1でも風量はあり、「微風」というよりは「弱」という感じだ。2は「中」というよりは「強」という感じで、かなり強い風が吹く。

 1に設定していると、音は静かと言って良い。深夜一人で作業していると音が気になるときがあるが、昼間の通常のオフィスであれば、まったく気にならない。所用で席を立つ際に電源を切り忘れてしまうぐらいだ。2は、ちょっとうるさく、周囲の人も気になるかもしれない。とりあえず外出先から戻ったときは2にして、しばらくしたら1にするという使い方をしている。

 風量の点でも、音の点でも、もう1段階設定を増やして、1と2の間が設定できると良かったと思う。ボリューム式にして無段階に調整できれば、なお良かった。

風は2段階調整。吹出口に糸を付け、風の強さがわかるようにした。吹き出し口の無い中央部分は糸が垂れたままとなる

 なお、設計上の標準使用期間は4年と、本体に書いてある。メーカー保証期間は1年間だが、数年使えるぐらいの耐久性はあるようだ。

 この手の製品としては、無印良品の「デスクファン」が有名だが、あれに比べると、吹き出し口が広く、風量がある印象だ。その代わり、無印良品の製品は吹き出し口の方向の自由度が高く、下向きにも風が送れる。知人によれば、ネイルを乾かすときに、下向きに風が送れると、机の上に手を置いたままで良いので便利なのだそうだ。デザインには好みがあると思うが、私には無印良品の方が格好良く見える。その分、山善には価格と風量という実利があると思えばよい。

 山善「YDS-J14」は、改善してほしい点もあるが、実売価格が2,000円を切ることを思えば、妥当な品質と言って良いだろう。もうしばらくは暑い日々が続きそうなので、とりあえず顔に風を当てるための実用的な道具として推薦できる。

設計上は4年持つとしているルーバーの隙間から見たシロッコファン。数週間の使用でホコリがついている。ファンの掃除は扇風機型の方がやりやすい






2010年8月11日 00:00