家電製品ミニレビュー

cloer「クレープメーカー」

~薄いクレープが誰でも簡単にできる
by 石井 和美
cloer「クレープメーカー」

 若い頃、クレープは憧れだった。原宿を中心に大流行となり、一気に全国へ広まったが、流行当時はクレープ屋には行列ができたのを覚えている。初めて食べたときのあの感激は、今でも強烈な印象として残っている。

 たまにクレープ屋を見かけると、今でもつい買ってしまうのだが、クレープは意外に高価で、定番のバナナチョコ(生クリーム入り)で400円以上する。生地さえできれば、中にいれる具材はスーパーで安く手に入るものばかりである。「自分で作れば安いのに…」と、ケチ主婦根性丸出しで、手作りに挑戦したことがある。家庭用クレープパンを購入したのだ。

 トンボというクレープを薄くのばす道具で生地を薄く伸ばすタイプだが、実際にやってみるとこれが非常に難しい。何度か挑戦してみたが、生地がどうしても分厚くなってしまう。

 自分で作ってみてわかったのだが、クレープは薄くなければクレープではない。あの薄い生地こそがクレープの食感であり、おいしさの秘密なのだ。頑張って何度かやってみたが、コツはつかめず、分厚いクレープを作り続け、うんざりしてそのクレープパンはお蔵入りになってしまった。

 今回、ご紹介するのはcloerのクレープメーカーだ。テレビで某家電芸人が紹介していたもので、あまりにも簡単に、あっという間に薄いクレープを作っていたので、テレビの前で「欲しい!」と叫んでしまった製品だ。


メーカーcloer
製品名クレープメーカー
希望小売価格6,720円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格6,720円


 cloerのクレープメーカーは、生地をプレートにのせて薄く伸ばすのではなく、プレート側を生地につけて焼く。トンボで薄く伸ばす作業は必要なく、ただ焼けるのを待つだけだ。

 プレートは直径18.5cmで、一般的なクレープより小さめだ。外で食べるクレープは30cm以上あるので、実際に手にとってみると、かなり小ぶりな印象である。

フライパンのような形のクレープメーカー。本体は軽く、使いやすい電源台があり、その上に本体を置くようになっている。本体が温まったら取り外して使うクレープ生地用トレイ。こちらに生地を流し込んで使う

 生地のレシピは、取扱説明書で紹介されている。今回、ホットケーキミックスを使った作り方でクレープを作ることにした。なお、レシピによるとホットケーキの素を使うときは甘いクレープ、砂糖を使用しない小麦粉から作る生地は食事用となっている。

 生地ができたら、クレープ生地用トレイに流し込む。ちょうど1回分がトレイに入るようになっている。

予熱が完了すると、電源ランプが消える

 本体を電源台にのせ、予熱する。予熱の際の本体の向きなどは特に指定がなく、どの向きにでもセットすることができる。予熱中はランプがつき、予熱が完了するとランプが消える。

 予熱が完了したことを確認し、本体の取っ手を持って電源台から離す。本体はコードレスになっており、とりまわしがしやすい。焼き面プレートが下になるように持って、トレイの生地につける。プレートを浸す時間は3秒程度だ。このとき、どこまで生地に浸けていいのか最初はわかりづらいのだが、数回使ううちにちょうどいい浸し具合がわかってくる。

ホットケーキミックスを使った場合は必要ないが、小麦粉から作る場合は、数時間冷蔵庫で寝かせておく。寝かせたほうが、生地がよく伸びるらしいちょうど1回分がトレイに入る。トレイにはおさえることができるツマミがついている本体をひっくり返して、プレート焼き面を生地に浸ける

浸けるのは数秒でOK。生地の粘度によって、浸ける時間を変える必要がある。何度か試してちょうどいい浸け時間に調整する

 注意したいのが、下のトレイが軽く浮き上がりやすいというところ。本体のプレートを生地に浸けたとき、浮き上がってしまう。トレイにはツマミがついているので、そこをしっかり持って押さえながら、本体を上に持ち上げたほうがよさそうだ。

 生地が本体にくっついたら、すばやく上に向ける。このとき、モタモタしていると生地がはがれて、下に落ちてしまうことがある。ノンスティックコーティングのプレートは生地の離れがよく、するりとはがれるので注意が必要だ。

 生地を乗せた本体を上に向けたまま電源台に戻し、ランプが消えるまで焼く。生地を浸してからランプが消えて焼き上がるまで、1分かからない。あっという間に完成する。

 焼き上がったら、ヘラなどを使ってクレープをはがしてお皿にうつす。1枚焼くのに1分かからないが、ひっくり返して焼くわけではないので、焦げ目がつくのは片面だけだ。もし両面焼きたいのなら、生地の反対側にプレートをあてて数秒焼いてもいいだろう。

焼き面は平らではなく、なだらかなドーム状になっているため、端の方をヘラでめくるとするっととれる焼き上がったクレープ生地。薄く焼けて大満足! あっという間にできるので、どんどん作ることができる。これなら家族を待たせることもない

 薄く均一に焼けるのか? ここが一番気になるところだったが、驚くほど薄くできたので非常に満足している。まるで、お店で買ったクレープのようである。生地はトレイに浸す時間によって、薄くなったり厚くなったりするが、トンボで作っていたクレープのようにムラもなく、均一の厚みなので口当たりもいい。

 一回分の生地で12枚~13枚とあるが、実際作ることができたのは10枚だった。もう少し浸す時間を減らし、薄くしてもいいのかもしれない。

 クレープレシピは、取扱説明書に5種類紹介されている。ホットケーキミックスを使ったホットクレープ、食事用におすすめのプレーンクレープ、珈琲クレープ、ガレットだ。トッピングの例は、ホイップクリームなどを使った甘い系、ハムやチーズを使った甘くない食事系に分かれており、作るときの参考になる。

生クリームといちご、チョコレートを使った子供が喜ぶ定番クレープを作ってみたたくさん入れすぎると折りたためなくなるので、このように縦長に細長く入れる子供達に大好評の甘いクレープ。大きすぎないので、おやつにちょうどいい
こちらは朝食や旦那の夜食用にぴったりな食事用クレープ。レタス、ハム、チーズ、マヨネーズを入れた。ツナも好評だった食事用クレープは、生地がアツアツのうちに作った方がおいしい

 次にそば粉を使ったガレットに挑戦してみた。先にクレープメーカーで生地を作ってから、卵やチーズを載せ、フライパンでフタをして蒸し焼きにする。

フライパンにクレープ生地を入れ、そこに卵と好みの具材を入れて蒸し焼きにする半熟卵とそば粉の生地は相性抜群。中に入れる具材は、キノコやベーコンなど、色々組み合わせてもおいしそう

 薄い生地と卵の相性が抜群のガレット。朝食にもなりそうだ。フライパンであたため直すので、クレープ生地だけ多めに作りおきして、あとで一気に家族分を焼いてもおいしくいただけるだろう。

 終わった後は、焼き面プレートをペーパータオルなどで残った生地や汚れを落とす。生地がたれてしまって本体や電源代についた生地は、固くしぼったフキンなどできちんと落とす必要がある。焼き面プレートは取り外しができないが、汚れはすぐ落ちるのでお手入れは簡単だ。

近所のショッピングモール内にあるフードコートで購入したクレープ。折りたたんだ状態で半径が15cm以上ある。cloerのクレープメーカーは小ぶりだが、そのぶん色々な具材を入れてたくさん食べられるので、家庭で使うならちょうどいサイズだ

 クレープメーカーで作ったクレープは、油を使わず焼くことができるのでヘルシーだ。大きさも手頃で、子供もちょうど食べきれるサイズ。おやつを作るときも重宝しそうだ。

 焼きたてのクレープ生地に具材を乗せて、アツアツ状態で、好きな具材を各々まいて食べればちょっとしたクレープパーティーになる。誰でも上手にできるので、生地さえ作っておけば、全く料理をしない、我が家の不器用な旦那でもちゃんと作ることができた。

 お店で買うような薄い生地のクレープを、好きなだけ家で食べられるのは本当に嬉しい。クレープをどんどん作れば、すぐにモトがとれそうだ。クレープやガレットが大好きな方は、ぜひ試して頂きたい。




2010年2月2日 00:00