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家電製品ミニレビュー
三栄コーポレーション「モッフル MMH-100-MW」

~衝撃の新食感! 和が生んだファーストフード
Reported by 藤山 哲人

三栄コーポレーション「モッフル MMH-100-MW」
 「モッフル」という食べ物をご存知だろうか? 「ワッフル」のタイプミスじゃないかって? そうワッフルはバターの風味が甘くておいしい、空気清浄機のフィルターみたいなお菓子だ。例えがよくないが、筆者にはそう見える。

 「ベルギーワッフル」ブームに沸いて、サクさくフモふもの食感を楽しんだ人も多いだろう。一方「モッフル」も、フィルター型の食べ物で、見た目はワッフルそっくり。

 別に卵を入れ忘れたワッフルじゃない! お正月のお餅からできているがモッフルだ。だから「餅ワッフル」、略して「モッフル」というわけ。「なんちゅ~安易な……」とため息を漏らす人もいるかも知れないが、実はこの名前しっかり登録商標になっている。そして商標を持っている三栄コーポレーションが発売しているのが、家庭用モッフルメーカーだ。


写真で見れば一発でおわかりのワッフル。コイツはベーキングパウダーを混ぜた正方形のアメリカンワッフル
卵白だけで作ったような真っ白のモッフル
家庭用モッフルメーカー(1個焼きタイプ)

 この機械があると、さっきのモッフルが簡単にできちゃうというワケ。あまり耳にしない食べ物だけに、本当においしいの? と疑念を持たれてしまうかも知れないが、全国各地にモッフルを食べられるお店がある。しかも最近は、お祭りでモッフルが食べられるだけでなく、秋葉原のアイス専門店「ドラゴンアイス」でもモッフルがっ! そんな話題のモッフルを家電Watchが見逃すハズがないのだ!

メーカー三栄コーポレーション
製品名モッフル MMH-100-MW
希望小売価格10,500円
購入場所楽天市場
購入価格8,800円


かわいい業務用器!?

 電源をONにすると赤く点灯するスイッチに、適温になると点灯する緑のインジケータ、ボディーはすべて金属製となっていて頑丈そうなレバーが鈍く光る。見た目はかなり業務用に近いデザインだけど、アイボリーに塗られ角が丸く処理されてギリギリ家庭用向けといった感じだ。とはいえワッフルメーカーも、機能的にこんな感じのデザインが多い。技術者-EYEを持つ筆者にとっては、この無骨さが秘めたる技術を感じさせるが「キッチンに置いておくのには可愛くないわ♪」という奥様-EYEをお持ちの方は、こんな風にしてはどうだろう。

 丸いシールを2枚貼るだけでカバに早替わり!本体を水色に塗ったら、フィンランドに住んでるカバの妖怪ファミリーにそっくりだ。ん、アイツは妖精だっけ? 購入したのは家庭用の1枚焼きタイプだが、2枚焼きタイプもあり、それぞれカラーバリエーションに白とピンクがある。また「明日から脱サラしてモッフル露天を始めるぜ!」という勇者向けには、剛性と電気系統の強化、業務向けのサービスも付帯した4枚焼きタイプも用意されている。

 レバーを上げるとワッフルメーカーそのものだ。ただ型の形が格子状ではなく、丸いドットになっているのがワッフルメーカーとの大きな違い。おそらくこの形状にも計算された技術の裏づけがあるに違いない。さらに2枚のモッフル型はテフロン加工されていて、取り外しも可能で、使用後のお手入れも簡単になっている。


切り欠きを口に見たてて可愛くしてみた
テフロン加工なので焼きあがったモッフルもスポッ!っと取り出せる

プレーンモッフルを作ってみよう

 まずはマニュアルどおりに、プレーンモッフルを焼いてみよう。モッフルメーカーの電源を入れ、余熱すること約6分で緑のランプが点灯し適温になったことをお知らせしてくれる。あとは普通のお餅を型の中心に置いて待つこと6分。これじゃ記事にならないじゃないか!ってぐらい簡単でしょ。


赤い電源スイッチを入れるとランプが点灯し余熱開始
緑の余熱完了ランプが点灯したら、お餅を型に乗せる。ふたの重みで型同士が密着するのでレバーを押さえる必要はない
待つこと6分。一切こげることなく真っ白なモッフルのできあがり!

 型がテフロン加工されているのでスコッ!と取り出せるところもいい感じだ。色も真っ白で一切コゲていなく、モッフル専用器の技を見せてもらった。


表面はパリっとふ菓子や(関東風の)ひなあられに近い食感 割ってみると、ちょっとお餅の感じも残っている 中は空洞になっていて、サクッとしている

 表面はパリッとした感じに仕上がっているが、割ってみると中が少しお餅状態。何もつけずに食べてみると……。サクッとした舌触りのあとに来るモチモチ感が、まさに新食感! これをどう文字にして伝えればいいのか? と頭を悩ませたが……

 「お吸い物に入れる「おふ」で餅を包んだ食べ物」

 このぐらいしか表現する手段がないっ! 食べれば一発、食べてみないことにはわからないという新食感だ。味は思いっきり餅。そりゃぁ、お餅は煮ても焼いても餅以外にはならないか……ただしょうゆをつけると、ツユダクの生せんべいに近い。塩を振ると、一晩封を開けてあったメショめしょの「餅太郎」になり、黒蜜をつけるとふ菓子になる。

 「料理は実験だ!」がモットーの筆者としては、マニュアルで指示されている6分以上やそれ未満の場合、どんなモッフルができるのか非常に気になるところなので、さらに実験を続けた。その結果、10分では6分モノとさほど変わらなかったので、20分かけでじっくり焼いてみたところ、モチモチ感のないせんべいができあがった。コゲは一切ないが、歯だけでなく食欲までもが折れそうになるぐらい固いモッフルになる。また4分で引き上げると、単なる焼き餅になってしまう。お雑煮に入れたらちょうどよさそうな仕上がりだ。


20分モノは超高硬度のモッフルに。割ってみると中のモチモチ感がなくなっているのがわかる
4分モノは型全体まで広がっていない状態になる。お雑煮にちょうどいいかも?
割ってみると、お餅そのものじゃないかっ! これはこれでウマいんだが……

いろんな味のモッフルにチャレンジしてみる

ライスバーガー系のきんぴら、味噌カツに海鮮かきあげといった中身もイケそうな気がする
 パッケージによれば、無限の可能性があるモッフル。男なら負けると分かっていても、挑戦しなければならないときがある。ハムチーズにあんみつ、コロッケにサルサチーズはウマそうだ。納豆にすき焼き、かなり大目に見てチンジャオロースやエビチリも、そこそこウマそうな気がする。が! 刺身に塩辛、明太子はどうなんだ、本当に合うのか? おそらく方向性として、ご飯に合うものはモッフルにも合うという算段で、メーカーではこれらの革新的なレシピを推奨しているのだろう。

 パッケージのレシピ以外にも、モッフルの公式Webページで「これはウマそう!」というものから「マジっすか?」というチャレンジャー向けレシピが公開されているので参考にしてほしい。筆者はヘタレのため、モッフル初試食は冒険せず安全圏内(笑)のレシピでテイスティング。

 プレーンモッフルにハムとチーズ、レタスを乗せマヨネーズをつけて食べてみた。これは激ウマ! ただ具を乗せただけなので、かぶりつくと具がズレちゃうのが難点。そこで考えたのが一緒に焼いてしまうというアイディアだ。近所のスーパーに駆け込み、こんな食材を買ってきた。


ミートソースや「ごはんですよ」、焼きそばに漬物なんてのもアリかも お餅は普通のヤツと、なべ用の薄切り餅を用意。韓国の「トック」でもいいかも

 全部レトルトという偏ったメニューだが、モッフルの手軽さを損なわないためにレトルトを中心に選んでみた。なおビンに入っているものはメイプルシロップだ。

 創作モッフル第1弾は、ベーコンモッフルだ! お餅をモッフルメーカーに乗せ、その上にベーコンを乗せて一緒に焼いたところ、香ばしいベーコンモッフルになった。写真では、ベーコン1枚を2つに切ったものを乗せているが塩分がちょっと少ないので、お餅の両面に1枚ずつというのがベストだ。


ベーコンは、お餅を挟むように上下2枚分入れたほうが塩分ピッタリ。1枚だけだとちょっと塩っ気が足りない 見るからにおいしそうなベーコンモッフル

 さらにお鍋に入れて食べる薄切りの餅を使うと具入りのモッフルが作れる。薄切り餅2枚を用意して、型のふちで数秒過熱し少し解けた状態にして2枚を張り合わせるのだ。


本当は両手にお餅を持ってやる。ここでは右手がシャッターの上だったので片手で……
こうして2枚のお餅を張り合わせて、薄い正方形のお餅シートを作る

 正方形の薄いお餅シートを作ったところで、モッフルメーカーに1枚を置き、さらに具を乗せ、もう1枚の餅で挟み込む。あとはプレーンモッフルと同様の作り方で、モッフルサンドができるというわけ。


パスタ用のツナマヨソースを挟んでみる。ついてた刻みノリもトッピング
お餅シートで具を挟み、同じ要領でモッフルを焼くと……
ツナマヨモッフルのできあがり。味はツナマヨのぬれせんべいといった感じ

 ここではパスタに和えるだけでいいというツナ・マヨネーズソースを使ってみたところ、ツナマヨ味のぬれせんべいができた。さらに今度は、ベーコンとチーズを餅に挟んで焼いてみたところ、これまた朝食やおつまみにぴったりのモッフルが完成! 気に入ったので、今度は生卵を落とした上にベーコンとチーズを餅ではさんだものを作ってみたところ、型から餅があふれてしまった。


卵をダイレクトに落としてみる
普通のお餅を卵の黄身をつぶすようにのせ、さらにチーズとベーコンをトッピング
ベーコン・エッグ・チーズモッフル! お餅の量が多すぎだった。具が多い場合は、薄切り餅かトックを使うといいだろう

 具の量が多い場合は、薄切り餅にしたり韓国餅のトックを使い分量を調整する必要がありそうだ。とはいえ、ベーコン・エッグ・チーズモッフルは、すでにハンバーガーの領域の味で非常においしい。さらに実験を続け、麻婆豆腐の素モッフル(辛すぎて失敗したが、そこそこ中華だ)、ハンバーグモッフル(これは最高においしい!)、ココナッツをトッピングしたモッフルにメイプルシロップをかけると、ちゃんとしたデザートになり、チョコを挟んで焼いてみるとこれまたチョコデザートになる。


麻婆豆腐の素を入れてみたところ……
激辛の豆板醤味モッフルに。辛すぎて食えん……

チキンハンバーグモッフル。これは簡単でウマいぞ ココナッツと一緒にお餅を焼いてメイプルシロップをかけた、ハワイアンモッフル 板チョコをサンドして焼いたチョコモッフル。意外にイケる

 手元に薄切り餅がないときや、挟んで焼くのが面倒なときは、プレーンモッフルを焼いて、そこにミートソースやカルボナーラのソースをかけてもいいだろう。なおカレーは、モッフルに挟むには水分が多く不適。とはいえカレーを別皿で温め、モッフルをナン替わりにして食べると、これまた美味である。


カルボナーラソースをかけて、カルボナーラモッフルに
先ほどのツナマヨソースはあと乗せでもOK

モッフルの極意は湯気にあり!

 たくさんのモッフルを作ってわかったことは、プレーンモッフルは6分、サンドモッフルは4分という焼き時間の目安がマニュアルに記載されているが、具を挟んだり載せたりした場合は、具の水分によって大きく焼き時間が変わってくることだ。とくにソース系や卵を落としたときには、お餅が水分を吸ってしまうため10分以上焼かないとモッフルにならない。

 それを見極める極意は、立ち上る湯気。水分を含んだ具を挟んで焼き始めると、豪快に湯気が立ち上り始めるが、いい具合に焼けてくるころには湯気が出ないのだ。焼き上がりの湯気の目安は、ハンドルにつく水滴で見極めよう。


水分が多いともうもうと湯気があがる ハンドルがゆらゆらと曇る程度まで水分がなくなったころが焼きあがり

 湯気がもうもうと立ち上がり、ハンドルに大きな水滴がついたり、水滴がボタボタ落ちてくる状態は、モッフルとして生焼けの状態。焼き上がりの湯気は、窓ガラスに息をハァーっと吹きかけたような、細かな蒸気がハンドルを曇らせる程度がいい。防曇処理された風呂場の鏡のように曇ってもすぐに曇りが取れ、ハンドルにゆらゆらと動く曇りができたころが焼きあがりを示している。

 また極意その2として用意してほしいのは、ピザカッターだ。丸い刃がついていて、コロコロするとピザがきれいに切れるアレ。モッフルを切り分ける際、包丁だとお餅が刃について切りにくいが、ピザカッターを使うと簡単だ。100円ショップでも手に入るので、モッフルと一緒に用意しよう。


モッフルメーカーでワッフル・ワッフルメーカーでモッフルは焼けるか?

 誰しも疑問に思うのが、家にあるワッフルメーカーでモッフルが作れるんじゃない? という疑問だろう。またモッフルメーカーを買ったら、ワッフルも作れるんじゃないか? という下心だ。ということで、まずはワッフルメーカーでモッフルが焼けるか? 大実験!

 実験に使ったのは、シンプルなデザインが奥様がたに人気のVitantonioのワッフルメーカー。実はこれ、モッフルのメーカーである三栄コーポレーションが国内正規代理店だったりする。であれば、なおさらモッフル焼けそうじゃん!


家にあったVitantonioのワッフルメーカーで実験
モッフルと同じ要領で焼いてみる

 焼き時間はモッフルメーカーと同じように、湯気が落ち着いてきたところを見計らったところ6分! なんとモッフルメーカーをまったく同じ焼き時間じゃないか! ただ上下の型のかみ合いがモッフルよりゆるかったので、上ふたをずーっと押した状態で焼いた。その結果できたのが、コレ!


ガーン!ワッフルメーカーでモッフルが焼けるじゃん 見た目はモッフルそのものだが食感は微妙に異なる

 見た目はモッフルそのものなのだが、実際に食べてみると……。あれ?真ん中の方が硬っ! やはりワッフルメーカーの型は、かみ合わせがゆるく凹状になった部分(中央4~6ブロック)の厚みがあり、そこがせんべいのように固くなってしまうのだ。ただ周りのブロックはモッフルとまったく同じ食感に仕上がる。

 由緒正しくワッフルも焼いてみると、6分でご覧のとおりおいしいワッフルが焼きあがる。


ベーキングパウダーを入れるアメリカンワッフルの生地で実験
サクッ!ふわっ!のワッフル完成。おいしゅうございました

 ではモッフルメーカーを買えばワッフルができるのか?という実験だ。先と同じワッフルの生地をモッフルメーカーに流し込み待つこと4分。


さっきと同じ生地をモッフルメーカーに流し込んでみる 湯気がでなくなったので4分でふたを開けてみたところ、ワッフルが完成してる

きれいに焼きあがっている
 ワッフルメーカーでは焼き時間が6分だったのに、モッフルメーカーでは4分でこのコンガリ具合。どうやらモッフルメーカーは、かなり高温で焼いていることが判明した。ちなみにモッフルメーカーで焼いたワッフルを割ってみると、こんな断面になっている。

 唯一の難点は「割りにくい」という点。ワッフルメーカーで作ったワッフルは、手でちぎると四角くきれいに割れるが、モッフルメーカーで作るときれいに割れない。

結論! ワッフルメーカーで作るモッフルは固くて食感が悪い。でもモッフルメーカーなら、ワッフルもモッフルも焼ける!

 と、言いたいところだが、ワッフルメーカーにはたいていホットサンドの型もついてくるが、モッフルメーカーでホットサンドは作れない。や……、やるなぁ、三栄コーポレーション……というワケで、ホットサンドが食卓に並ぶか否かで、モッフルメーカーだけでこと足りるか、ワッフル&モッフルメーカーの両刀使いで行くかが決まりそうだ。





URL
  三栄コーポレーション
  http://www.sanyeicorp.com/
  製品情報
  http://www.sanyeicorp.com/work/brand/moffle.html

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2009/03/09 00:01

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