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やじうまミニレビュー
山善「工業用扇風機 KC-AH45」

~実売8千円弱の超大型扇風機
Reported by 本誌:伊達 浩二

山善「工業用扇風機 KC-AH45」
 私は、機械モノが好きだが、それを作る工場も大好きだ。

 何の工場に行っても、実用性が最優先された工場内のラインで、何もなかったところから、製品となっていく過程を見ていると飽きない。

 その影響で、“プロ用”とか“工業用”という言葉にとても弱い。使いこなす技量などないくせに、やけに高価な道具に凝ってしまうことがある。今回レビューする山善「KC-AH45」を買ったのも、“工業用”という言葉に負けたからだ。

 なんせ、ファンの直径が45cm、総重量約7.6kg、3本脚でようやく支え、キャスターに頼って移動するような超大型の扇風機なのだ。自宅に置いてどうしようというのだ。数字で言えば、風速も風量も家庭用の30cm扇風機の約2倍あるのだ。

 しかし、オレンジの大きなファン、丸パイプを組んだだけの本体と脚、おまけに移動用の取っ手パイプがシッポのように跳ね上がったスタイルが、心を捉えて離さない。これが、自分の部屋でブンブン回っていたら、どんなにカッコ良いだろう。うっとりする。

 しかもすごく安いのだ。私が買ったときでも安かったが、シーズンオフになりかけの今なら、ヨドバシカメラでの通販価格は7,980円と1万円もしない。楽天市場のメーカー直販ショップでは6,980円、しかも送料込みで売っているぐらいだ。

 それでも最後の理性が働いて、自宅ではなく会社に送ることにした。どうしようもなく持て余してしまったら、誰かがもらってくれる(かもしれない)という可能性を残しておいたのだ。


大きな箱の入り口にはパイプだけが見えている
 到着した箱は予想よりもずっと大きかった、一人で引きずって移動できるぎりぎりの大きさだ。

 さっそく箱を開けると、オレンジ色のばかでかいファンとカバー以外は、濃いグレーのパイプだけにしか見えない。

 部品を並べて組み立てるだけでも場所をとるので、フロアで唯一スペースがあるエレベーターホールを占領した。エレベーターに出入りする人の視線が痛い。

 とりあえず組み立てないと話が始まらない。まず、3本のパイプをスタンドに組み付けて自立させる。次に、3本の脚の中心に本体を組み付けると、だいぶ形になってきた。これにガードとファンを組み付けると、終了だ。

 わかっていたことだが、とても大きい。というか、デカイ。でも、カッコイイ。


主要部品一覧。左上から、本体、ガードネット、スタンド、ファン、下に並ぶのは脚になるパイプと移動用の取っ手 まず、脚の取り付けから始める

3本の脚を取り付けるとスタンドが自立できる U字型のパイプに、取っ手をネジ止めする

スタンドに本体を取り付ける
ガードに続き、ファンを取り付ける。根本に見えているネジでがっしりと固定する

ようやく完成
上から見たところ。電源コードはケーブルに巻き付ける

風力調整は、ファンの後ろにある4つのボタンで行なう。「切」はなく、「0」を押すと電源オフになる。モーターの上には首振り切り替えのツマミが見えている
 操作は、とてもシンプルで、ゴツイ押しボタンで3段階の風量を選ぶ。首振りはモーター部分のノブを押し引きする昔ながらの方法だ。タイマーやリモコンなどの軟弱な装備は一切ない。

 こわごわと「1」のボタンを押す、一番弱い設定だが、かなりの風量だ。そうか、工業用だから、人に涼を与えるというよりは、風を送るが目的なのだ、と、この時点でようやく思いつく。「2」、「3」と上げていくととてつもない風量と騒音がする。あまりの風の強さに、そうか、こういう扇風機は特撮のメイキングで見たのが最初だったなぁ、プールに向けて嵐を起こしていたのだっけ、などと思い出す。

 おもしろがって、フロア内に見せびらかしに行こうとしたのだが、あまりの大きさに机と机の間が通れない。また、3本の脚を支える根元の部分の強度が弱く、脚が開いて来てしまう。工業用と良いながら、なんたる軟弱さ、と思う一方で、まぁ、8千円だから、という気もする。

 通りがかるスタッフのうち、何人か声をかけてくる。おおっ、やはり同好の士はいるのだ。しかし、あまりの大きさと風量の強さに「ください」という人間はいない。


一般家庭用の30cmリビング扇風機(左)との比較。ファンの大きさが全然違う 工業扇は、奥行きが深い。後ろにあるドアの幅と比べると幅の大きさもわかる

 そう、すでにこの時点で、この扇風機を自分で使う気はかなり失せていたのだ。なんというか、覚悟もなく興味だけで大型犬を飼い始めてしまった飼主のような後悔の念にとらわれはじめていたのだ。

 しかし、この超大型扇風機にも活躍の機会は訪れた。レビュー記事の写真撮影のために、スタッフの一人が、会社でビリーズ・ブート・キャンプのエクササイズを行なうことになったのだ。エクササイズ中は、とても汗をかくので、踊っている側面から強風を当てるという役割だ。通常なら、体温を奪われて体調を崩しそうな強風でも、汗びっしょりで動き回るスタッフにとっては福音となったのであった。しかし、それも一瞬で、超大型扇風機は再び深い眠りについたのだった。


【動画】風力を弱い方から順番に動かす(WMV形式, 2.76MB) スタッフの一人が、ビリーズ・ブート・キャンプのエクササイズを行なう機会があり、このときには大変活躍した

 お盆前に、ようやく引き取り手が現われたので、肩の荷を下ろした気持ちだ。声がかかったときは、二つ返事で相手の気が変わらないうちにと、押しつけてしまった。冷房の補助に使うと言っていたが、いらなくなっても返さないという条件なので、何に使うのかは興味がない。すでに、場所ふさぎに耐えきれず、会社が入っているビルの管理会社にポリッシャーを使った床掃除の乾燥用として引き取ってもらえないかと掛け合いに行こうとしていた矢先だった。

 というわけで、私はこの工業用扇風機を生かしてあげることができなかった。誠に自らの未熟さによるもので慚愧の念に堪えない。自分に一言言ってやりたい。「おもしろいからと言って、使うあてのないものを買ってはいけない」と。

 そして、自分のことは棚に上げて申しわけないが、この製品を買おうという人にも忠告させてほしい。「値段が安いからと言って、プロ用の道具をなめてはいけない」と。それは、日常生活では持て余すような力と大きさを備えているかもしれないのだから。





URL
  山善
  http://www.yamazen.co.jp/

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2007/08/21 00:02

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