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進化を続ける炊飯ジャー。食卓を想う機能が詰まった「炎舞炊き」の魅力

今年の「家電大賞 2021」に、象印マホービンの「圧力IH炊飯ジャー“炎舞炊き”」(NW-LB10)がノミネートされた。より激しい対流で甘み成分を引き出す“炎舞炊き”がさらに進化した製品だ。“炎舞炊き”に搭載されている業界初(※1)の「ローテーションIH構造」は、2021年2月に特許(※2)を取得。

※1 家庭用炊飯ジャーにおいて底IHヒーターを3つ以上の独立制御する技術。2018年5月31日発表による(象印調べ)
※2 特許第6833440号 登録日2021年2月5日
部分的に集中加熱を実現する独自の炊飯方式において特許を取得

2018年に創業100周年を迎え、炊飯ジャーの登場から近年の高級炊飯器ブームまで約70年間に亘り炊飯器業界をリードし続ける象印マホービンの最新モデルの魅力を探ってみる。

「圧力IH炊飯ジャー“炎舞炊き”」(NW-LB10・18)の本体カラーは「濃墨(こずみ)」、「絹白(きぬしろ)」の2色

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特許取得(※2)の「ローテーションIH構造」で炎舞炊きがさらに進化

象印マホービンの「炎舞炊き」は2018年の初登場時、「NW-KA10」のモデルで「家電大賞 2018」の炊飯器部門賞を受賞。読者からも、内釜の進化やお手入れのしやすさ、炊飯方式を根本から変えた「ローテーションIH構造」の採用が革新的かつ、美味しさが格段にアップした点など、高い評価を受けた。

今回の「家電大賞 2021」の炊飯器部門の注目製品(エントリーNo,81)にノミネートされた「圧力IH炊飯ジャー“炎舞炊き”」(NW-LB10)は、炊飯器部門賞を受賞した初代からさらに進化したモデルだ。「NW-KA10」で3つだった本体底IHヒーターが6つに増強され、前述の対流をより激しく複雑に起こすことで、お米の甘み成分(甘み成分のひとつである還元糖)を引き出している。

「ローテーションIH構造」のしくみ。底IHヒーターを6ブロックに分け対角線上にある2つのヒーターを同時に、かつ、代わる代わる加熱することで、かまどの炎のゆらぎを再現。釜内で激しい対流を起こして、ごはんの炊き上がりを良くしている

いまだに伝統的なかまど炊きのごはんが理想とされるのは、強い火力とむらのない炊飯で、お米がふっくら炊き上がるためだ。かまど炊きで炊くごはんに近づき、追い越せるようなごはんを家庭で再現するために、象印は「火力」と「激しい対流」にこだわった。「炎舞炊き」の「ローテーションIH構造」は、まさにこの沸とう維持工程での部分的な集中加熱による大火力と激しい対流を起こすための構造だ。

具体的には、6つある底IHヒーターのうち対角線上にある2つのヒーターを集中加熱。切り替えていくことでより対流を激しくすることに成功している。象印はこの「ローテーションIH構造」の「部分的に集中加熱を実現する独自の炊飯方式」で特許(※2)も取得している。

「NW-LB10」の内釜を赤外線サーモグラフィで撮影したもので「ローテーションIH構造」の働きを見て見ると、確かに2カ所ずつ内釜に高温が伝わっていることがわかる。このIHヒーターは単位面積当たり約12.5W/cm2と、「ローテーションIH構造」を採用する前に同社で採用されていた1つの底IHヒーター(2017年モデル、「NW-AT10」)と比較して4倍以上(※3)の大火力だ。かまどの場合は激しく炎がゆらぐことで釜内が部分的に加熱されて温度差ができるが、このゆらぎを、6つのヒーターの対面する2カ所を“ローテーション”させることで再現。こうして釜内を激しい対流でかき混ぜて炊きむらを抑えると、ごはんは弾力を持ちつつ大粒で、ふっくらもちもちに炊き上がるという。

※3 中パッパ~沸とう維持工程の単位面積当たりの火力比較 2017年象印従来品NW-AT10型 約3.0W/cm²とNW-LB10型 約12.5W/cm²との比較 象印調べ 単位面積当たりの火力算出方法=中パッパ~沸とう維持工程の平均電力(W)÷IHヒーター加熱面積(cm²)×発熱効率(電波法に定める電磁調理器の高周波出力測定方法にて測定)

内釜を赤外線サーモグラフィで撮影したもので「ローテーションIH構造」の働きを見たもの。2カ所ずつ内釜に高温が伝わっていることがわかる

「炎舞炊き」の集中加熱を活かす「鉄~くろがね仕込み~ 豪炎かまど釜」

この「ローテーションIH構造」による大火力をより活かすために開発された「豪炎かまど釜」は、鉄の高い発熱効率や蓄熱性を活かしつつ、熱伝導率の優れたアルミや、耐久性に優れたステンレスを組み合わせて作られたもの。しかも、間に仕込まれた鉄は、一枚板を贅沢に使用しており、鉄の板を他の素材で密着させるという。この内釜ひとつとっても象印の技術の高さがうかがえる。

形も特徴的で、厚みのあるふちを採用。この部分が上部の熱を集めて熱が外に逃げるのを抑え、効率よく大火力の熱をお米に伝えていく。ただ、鉄をアルミとステンレスで挟むというプレス加工自体、難易度が高く、さらにフチに厚いリングをつけると従来以上の精度が求められることになり、加工にはかなり苦労があったという。

また、内ぶたと内釜の内面には「うまみプラスプラチナコート」(遠赤外線+プラチナナノ粒子)でコーティング。その効果でごはんの甘み成分のひとつである還元糖と、うまみ成分のひとつであるアミノ酸を引き出すという。内釜のフッ素加工は5年間の保証つきで、取扱説明書の記載事項にそわない使い方をしなければ、破損時に無償交換されるというのも安心だ。

「鉄~くろがね仕込み~ 豪炎かまど釜」の構造。鉄をステンレスで挟み込み、熱伝導率の優れたアルミと組み合わせて作られている。ふちの厚いフランジは、「炎舞炊き」の熱が外に逃げるのを抑える大きな工夫だ

ご自身、または家庭好みの炊きあがりに進化する「わが家炊き」

ここ数年、銘柄米に合わせて炊き分ける機能が人気だが、象印は「銘柄米の味は産地や気候で変わる」という考え方で、お米に合わすのではなく、その人個人の好みに合わすというコンセプトだ。確かに「ちょっと違うな」という微妙な違いは結局水の量で調整してしまいがち。さらに同じ銘柄でも古米と新米では炊き上がりも違うし、白米なら常温保存なのか冷蔵保存なのかでも影響は受けてしまう。銘柄の違いよりも、そのときのお米の状態を反映させるほうが確実だろう。

「炎舞炊き」に搭載されている「わが家炊き」は、前回のごはんの感想を、「かたさ」、「粘り」の項目から選ぶと、その入力した情報をもとに次、炊く時の食感を調整して炊き上げる仕組み。最大121通りの炊き方があり、それぞれの家庭の好みの食感に進化させながら炊けるという。象印の考えるおいしさの基準だけでなく、「やわらかくもちもちのごはん」や「かためで粒感がしっかりしたごはん」など、さまざまな調整が行なえる。

この調整が行なえるのは、ふたの内部に、圧力を検知する「圧力センサー」と、圧力の制御を行なう「圧力チューナー」を搭載しているため。これにより、釜内にかける圧力を自動で0.05気圧ごとにきめ細かく調整できるという(NW-LB型のみ搭載)。

実は以前、筆者が「お米マイスター」の資格を持つお米屋さんに家庭でごはんをよりおいしく炊くコツを聞いたところ、「お米と水を正確に測ること」という拍子抜けするような答えが返ってきたことがあった。確かに、計量カップをしっかり「すりきり」で量らなかったり、「うちは柔らかめが好きだから、目盛より少し水を足して炊こう」と勝手に微調整して失敗することもあるし、「今日は最高の炊き具合だ!」と思っても、水の量をどう調整したのか食べる段階でもう忘れていたりする。

この「わが家炊き」を調整しておけば、常に「正確に測る」ことだけを意識すれば毎回ベストな炊き上がりが期待できるわけで、この“再現性がある”ことがすごいのだ。お米を変えた時だけに調整すれば良いだけなので、煩雑な作業でもない。ぜひ使いこなしたいメニューだ。

前回食べたごはんの食感の印象をアンケートに答えることで、「わが家炊き」として記憶。次回の炊き上がりをよりその家庭の好みに変えてくれる

玄米などの健康米や金芽米もおいしく炊ける

玄米や雑穀米などの健康米をおいしく炊き上げられるのも、「炎舞炊き」の特長のひとつ。玄米には1.3気圧の圧力をかけ続けて高温で炊き上げ、皮のかたさが気にならない、やわらかくもっちりした食べやすい食感に炊き上げる。さらに、特に時間をかけてうまみを引き出し、甘み成分(溶出還元糖)を約2.3倍(※4)、GABAを約1.4倍(※5)に高める「熟成炊き」の機能と併用すると、玄米もまるで白米のように、やわらかくもちもちに炊き上がるのでお勧めだ。

最近人気が高まっている麦ごはんも、「麦ごはんふつう」メニューと「麦ごはんもちもち」メニューの2種類の炊き分けが可能で、「NW-LB」のみ特殊な精米をした無洗米の「金芽米(きんめまい)(※6)」の専用メニューも搭載。おいしくヘルシーな金芽米のファンには見逃せない機能だろう。

さらに40時間までおいしく保温できる「極め保温」の機能を搭載。ふたセンサーと底センサーによる保温に適切な火加減で温度をコントロールして、水分の蒸発を抑えるという。食事の時間がバラバラの家族でも、いつでも温かいごはんをおいしく食べてほしいという気持ちに応えてくれる。

※4 熟成炊き(玄米)炊飯時の溶出還元糖量0.035mg/g、玄米メニュー炊飯時0.015mg/gとの比較 象印自社基準による東京農業大学調べ。
※5 熟成炊き(玄米)炊飯時のGABA7.1mg/100gと、玄米のGABA5mg/100gとの比較 象印自社基準による日本食品分析センター調べ。
※6 金芽米は東洋ライス株式会社の登録商標です。

「炎舞炊き」には40時間までおいしく保温できる「極め保温」の機能も搭載しており、いつでもおいしいごはんを楽しむことができる

毎日使うものは、使いやすくてお手入れしやすい製品がベスト

実は高級炊飯器の洗浄パーツは多い傾向にある。圧力や蒸気などのコントロールに使われる細かいパーツを毎回手洗いするのは想像以上に面倒なものだ。小さいパーツは紛失しやすく、すぐに入手できるものでもないのでサポートから取り寄せることになることもしばしばだ。

一方で「炎舞炊き NW-LB」は蒸気口セットも着脱式ではなく、毎回洗うのは外して洗える内ぶたと内釜の2点のみという非常に便利な作りでお手入れが簡単だ。また、水や油を扱うキッチンでは家電も汚れやすいため、凹凸の少ないトップパネルや、フレームは汚れも拭きやすくなっていたりするのも好印象だ。個人的には、炊き込みごはんを炊いたあとのにおい残りを抑える「クリーニング機能」にも非常に引かれた。炊き込みごはんを炊いたあとは意外に炊飯器ににおいが残り、次に炊く白米へのにおい残りが気になるからだ。この機能があれば、悩まずにいろいろなメニューにも挑戦できそうだ。

「炎舞炊き」で毎回のお手入れが必要なのは、外して洗える内ぶたと内釜の2点のみという非常に便利な作り

ほかにも、抗菌効果のある銀イオン(Ag+)を配合した「Ag+抗菌加工(※7) 立つしゃもじ」が付属するほか、外ぶたを開けるときに押すプッシュボタンも抗菌加工されているなど、お手入れのしやすさと清潔さへのこだわりも感じる。

※7 試験機関:一般財団法人ボーケン品質評価機構 試験方法:JIS Z 2801 に基づく 抗菌の方法:Ag+ 抗菌の対象部分:しゃもじ・プッシュボタン 99%の抗菌効果(試験番号 20220018093-1)

こうしたいろいろな角度から「炎舞炊き」を見ても、特許(※2)を取得した「ローテーションIH構造」をはじめとした技術的な完成度が高い製品という印象で、全体的なバランスが良く、使い勝手の面でもしっかりと進化。炊飯器ユーザーの買い換え需要にはもちろん、初めて高級炊飯器を購入する層や他機種からの買い換えユーザーにも満足度が高いだろう。「おいしいごはんを炊くための逸品」が、これからも食卓を充実させてくれるはずだ。