あってよかった

カインズで災害対策グッズ3点を購入 出番はなくていい

くらしを快適にしてくれるアイテム探しに余念がない住生活ジャーナリスト・ライターの藤原千秋が、注目のショップで買って使ってよかったお気に入りを紹介するコーナーです (店頭では予告なく販売終了となることもあります)
「防災ワンタッチテント 縦でも横でも使える 2WAY タテ・ヨコ どっちもテント」

この連載のテーマは「あってよかった」なのだけれど、今回のラインナップに関しては正直なところ「あってよかった」というシチュエーションに至っていない。買ってみた。用意してみた。そこまでのものだ。最初に断っておく。

ただ、防災用品というのはおそらくそういう宿命を背負っている。一応、もしものときに備えて揃える。役に立たないかもしれない。そう、むしろそのほうがいい。

稀代の心配性である筆者、細々と防災用品を買い集めて27年ほどになる。最初期に高いお金を出して買った「2WAY手回し充電ラジオ」の「ラジオ」と「サイレン」「ライト」はともかく「携帯電話充電ケーブル」一式は無意味となった。当時はガラケーが最先端で、スマホなど影も形もなかった時代だ。

5年保存のはずが、賞味期限を10年も過ぎて発見される非常食。不安になり50セットずつ数年おきに買い足す防災用トイレ。まあ、どれもこれもまったく役に立たないまま四半世紀が経過したのは僥倖なのだ、と嘯きながら、懲りずに今夏購入した新入りの防災グッズを紹介する。

横にすれば一人が寝転がれる空間になるテント 縦でも使える

都市部での水害対策の記事を他媒体で書く機会があり、企画の初期、素材集めのために訪れたカインズで見かけて少し考え込んだのが、「防災ワンタッチテント 縦でも横でも使える 2WAY タテ・ヨコ どっちもテント」である。

店内では縦型に展開されて、中に防災用トイレ。トイレットペーパーがテント内部の紐に吊るされてディスプレイされていた。

このテントを使うシーンはいったいどんな場合が想定されるのだろう。自宅ならば、便器やトイレ空間そのものが使えなくなった場合だろうか。

避難先に個室がない場合にも役立ちそうだが、実際に用を足す自分を想像したら、なかなか厳しい気持ちにはなった。

それでも、何にも囲われない状態よりはるかにましだ。売り場で遠い目をしながら、そう結論づけた。大きなサイズだが、たたんだ状態なら肩にかけて電車で持ち帰れる。

横にすれば一人が寝転がれる空間になる。ゆえの2WAY。たたむのは厄介だが広げるだけならあっという間。安心料か。

広げることは簡単
たためば肩に掛けて運べる

寝袋と一緒に置く防災用まくらは役立つのか?

有事の際の「防災用まくら」の必要性とはどれほどなのだろう。よくわからない。

でも「寝床」の必要性はかなりだと思われる。過去「防災対策をしなくちゃスイッチ」が入った際、憑かれたように寝袋を買い、元・ワンゲル部の家人から「よくわからないのにこんなもの買って」と諫められたのを思い出す。

この寝袋スイッチは数年おきに活性化するため、封筒型やマミー型が入り混じった混沌のラインナップが我が家の押し入れには死蔵されている。白状すると、一度も使ったことはない。

今回の衝動は購入した「SOLEMI いつどこまくら 防災用」で押し止まった形だ。値段も500円前後なので多分怒られないで済むだろう。タオル地のカバーは悪くない。ただ、空気を入れて頭を乗せてみると、寝やすいかどうかは言葉に詰まる。寝袋コーナー行きは確定している。

いざという時にクッションにもなる防災用まくら

家族全員の足元を守ろうと思ったスリッパ

先日、午前2時ぴったりに関東にあの大きめな地震が起きたとき、筆者は風呂から上がって洗面所の足拭きマットに足を乗せたところだった。とりあえず「眩暈かな」と思った。そんな体勢では頭は迅速に働かないということを知る。

今回は何も被害はなかったが、居間あるいはどんな部屋であっても、ガラス製品が一つでも落ちて床に飛散したらもう終わりだと裸足で震え上がった。とはいえ、下足を部屋で履き暮らすわけにもいかない。

地震の数カ月前、なんとなく店頭で手に取り購入した「ストロングスリッパ」には、「防弾チョッキにも使われているアラミド繊維」がソールに使われている。ガラス片はおろか釘すら踏み抜かないという。

そうだ、これを家族分揃え、寝室やリビングに置いておけばいい。たたんで旅行にも持参可能だし手洗いもできるというし。

1,400円ほどの価格は家庭用スリッパ的に安くはないが高すぎもしない。履き心地も及第点。いま、筆者はこのスリッパを家族分用意する気でいる。

しかし、本当のことをいえば、どれも「あってよかった」と思わないまま暮らしていきたいと思っているのだ。

家族分を用意する「ストロングスリッパ」
藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして20年以上活動。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、10~20代の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。