シャープ株式会社は、吸い込んだゴミを圧縮するサイクロン式掃除機「EC-VX200」を11月1日より発売する。希望小売価格はオープンプライス。店頭予想価格は8万円前後。
サイクロン式掃除機は吸引力が高く、紙パックが必要ないなどの理由から近年人気を集めてきたが、紙パック式掃除機と比べるとゴミ捨ての頻度が高く、またゴミ捨て時にゴミが周囲に舞い散ってしまうという問題があった。EC-VX200では、吸い込んだゴミを圧縮することでそれらの問題を解決したのが最大の特徴。
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サイクロン式掃除機「KIREION(キレイオン) EC-VX200」
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本体部分
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サイクロン式掃除機では、ダストボックス内でゴミと空気を遠心力により分離する。EC-VX200では旋回部にゴミを圧縮させるための「スクリューフィン」を搭載した。スクリューフィンはゴミをダストカップ底部分に誘導し、従来の約1/2のサイズ(繊維系のゴミの場合)に圧縮するという。
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ダストボックス部
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ゴミを圧縮する機構を搭載している
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ダストボックス
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ダストボックス内に設置されているスクリューフィン
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圧縮されたゴミはドーナツのような形になる
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スクリュー遠心分離サイクロンの仕組み
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スクリュープレスが自動回転してゴミを圧縮する
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ゴミを圧縮することでゴミ捨ての回数が減る、捨てるときに塵が舞い散らないなどのメリットがある
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圧縮は掃除終了後にフィンが回転して自動的に行なわれる。ゴミを圧縮することでゴミ捨ての頻度が少なくなり、ゴミ捨て時の塵などの舞い上がりを防ぐ効果もあるという。
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円形のHEPAクリーンフィルターの上部にクリーンメカを搭載。クリーンメカが回転してフィルターに付着したホコリを落とす
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フィルターの目詰まり防止としては、掃除のたびにフィルターを自動で掃除する「クリーンメカ」をフィルター搭載。円状になったHEPAクリーンフィルターの間を掃除の度に回転して付着したホコリを叩いて落とす。
● 3つのフィルターとプラズマクラスターイオン搭載で排気もきれい
排気対策としては同社独自の「高濃度プラズマクラスターイオン」機構を搭載したのが最大の特徴。これはプラスイオン(H+)とマイナスイオン(O2-)という2つのイオンを放出する機構。これらのイオンは空気中に浮遊するウイルスやアレル物質の表面に付着することで「OHラジカル」という物質に変化。ウイルスなどの表面に付着するタンパク質を分解・除去し、ウイルスの動きを抑制するという。
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プラズマクラスターイオン発生のしくみ
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本体にはプラズマクラスターイオンの他にも排気対策の機構を多数搭載している
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プラズマクラスターイオン発生機構は本体の排気口付近に搭載した。排気と共に部屋の中に部屋の中のウイルスにも作用するという。
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中央の緑色の部分がプラズマクラスターイオン発生機構
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本体の排気口付近に設置されている
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運転中の様子。イオンが排気と共にはき出されるので部屋の空気もきれいになる効果があるという
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パイプ部分にも「E±クラスター」という新しい機構を搭載した。これはパイプ内部に凹凸のついた素材を採用し、吸引時に摩擦を起こすことで静電気を発生し、微細な塵同士をくっつけるという。塵同士をくっつけて吸引することにより、パイプ内部に残る塵が少なく、効率的な吸引ができるという。
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パイプ分に搭載された「E±クラスター」という機構
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パイプ内部に凹凸のある素材を採用して、吸引時に静電気を引き起こす
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凹凸によって引き起こされた静電気で微細なごみ同士が引き合って大きくなるという
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本体カットモデル。モーター奥にあるのが本体内部のホコリを抑える「排気HEPAクリーンフィルター」
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フィルターにはハウスダストやアレル物質を抑制する「抗アレル物質HEPAクリーンフィルター」、本体内部で発生するホコリを抑える「排気HEPAフィルター」、アレル物質の抑制、消臭を行なう「Ag+アレルディフェンスフィルター」の3種類を搭載。
これらの排気対策の機構を併せて同社では「ダニアウトクリーン排気システム」とし、0.3μm以上の微細塵はほぼ100%捕集するとしている。
● 運転音は業界最小の48dB
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本体に搭載されている運転音を抑えるための機構
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運転音を抑えるために本体には4つの新しい機構を搭載した。まずゴミ吸い込み時の騒音、風切り音を抑えるためにヘッド部分に吸音素材を採用、また同じ素材をパイプ部分にも使用した。
2つめにサイクロンの回旋音を抑えるためにダストボックスの回りに空間を設け、排気風を周囲に流しこんだ。音源に対して空気の層で包み込むことで音を抑える効果があるという。
3つめにモーターの回転音を抑えるためにモーターを遮音・制振効果のあるカバーの中に設置した。また、排気経路にも高性能吸音素材を使用した。
これらの対策により、運転音は48dBに抑えられ、同社によるとこれは業界最小の運転音だという。
省エネ対策としてはセンサーが床面や掃除動作を検知し最適な運転を行なう「エコ掃除」モードを搭載している。床面に合わせて吸引力を自動でコントロールするため電力を抑えた運転ができる。また吸引口の動きを止めたり、吸引口を持ち上げると自動的に消費電力を約40%抑えるという。
ヘッドはモーターを搭載したパワーヘッド。ヘッド上部にも2カ所の吸気部を設け、床面に浮遊しているハウスダストにも対応する。
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床面や掃除動作によって自動運転する「エコ掃除」機能
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本体ヘッド部分。左右に2カ所に床面に浮遊するハウスダストを吸い込む吸気口を設けている
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ブラシ部分。フローリング掃除に適したブラシを新搭載した
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本体サイズは250×420×262mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は5.4kg。最大消費電力は950W。吸引仕事率は450W。ダストボックス内の集塵容量は0.4L。本体カラーはシルバー系の「プラチナシルバー」、ピンク系の「メタリックロゼ」、オレンジ系の「ガンメタリックオレンジ」の3色。
高濃度プラズマクラスターイオン機構などが省略された下位機種「EC-AX100」も同時発売される。希望小売価格はオープンプライス。店頭予想価格は7万円前後。
本体サイズは255×355×253mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約4.3kg。最大消費電力は1,000W。吸引仕事率は450W。ダストボックス内の集塵容量は0.3L。本体カラーは「メタリックロゼ」と「メタリックオレンジ」。
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「EC-AX100」メタリックロゼ
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メタリックオレンジ
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健康・環境システム事業本部 環境システム事業部 商品企画部長 隅謙造氏
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同社の健康・環境システム事業本部 環境システム事業部 商品企画部長 隅謙造氏は新製品の発売について「掃除機は目に見えるゴミを掃除する時代から目に見えないゴミまで掃除する時代になった。今回のEC-VX200も時代の流れに乗った製品だと言える」と述べた。
■URL
シャープ株式会社
http://www.sharp.co.jp/
ニュースリリース
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/081023-a.html
掃除機関連記事リンク集
http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/cleaner.htm
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( 本誌:阿部 夏子 )
2008/10/23 16:37
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