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長期レビュー
三洋電機「eneloop bike」(1/4)

~まずはスペックをチェック!
Reported by 白根 雅彦

「家電製品長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です(編集部)。





 先月、三洋電機から電動アシスト自転車の新モデル「eneloop bike」が発売された。三洋電機ではこれまで、「エナクル」ブランドで電動アシスト自転車を販売していたが、今年のモデルからは、三洋電機を代表するブランドである「eneloop」を冠するようになった。

 エナクルからeneloop bikeになるにあたっては、2008年12月に行なわれた道交法施行規則改正に伴うアシスト比率の向上や、電池容量の向上などの改良が施されている。そしてエナクルに引き続き、減速時に発電する回生発電機能も搭載している。まさにeneloopブランドを冠するにふさわしいエコな商品だ。

 今回は三洋電機からeneloop bikeをお借りすることができたので、4回に分けて、実走を含めたレビューをお届けする。1回目は、eneloop bikeの概要とスペックを紹介しよう。


デザインはママチャリタイプ

 今回、お借りしたeneloop bike「CY-SPA226」は、いわゆるママチャリとしてデザインされている。車輪は26インチ。フレームはS字になっていて、足を高く上げなくても乗降しやすく工夫されている。これならスカートでも乗降しやすそうだ(筆者は男子なのでよくわからないが)。

 変速機は内装式の3段で、ギア比も高速走行向けのものではない。ここも一般的なママチャリ仕様だ。内装ギアはメンテナンスがほぼ不要で、停車時にも変速操作ができる。変速操作はハンドル右グリップ部で行なう。

 eneloop bikeが他のメーカーと違うのは、前輪駆動であること。後輪は人力で動かし、前輪はモーターでアシストすることにより、安定した走行が可能という。

 総重量は22.8kgと、普通の自転車に比べると少々重たい。駐輪時などに持ち上げる時、筆者のようなモヤシっ子にはかなりズシっとくる重さだ。しかし、走行時には電池さえ切らさなければアシストが付くので、重さをデメリットと感じる機会は少ない。


 前照灯として、前輪の上に高輝度LEDのライトが搭載されている。バッテリーはアシスト動力と共通だ。後輪側には反射板に加えブレーキランプにもなる赤色LEDも搭載されている。車輪部にも側方から見えるように、反射板が搭載されている。

 このほかの装備としては、前輪側に荷物カゴ、後輪側にはキャリア台がついている。カギとしては、不正解錠が困難なディンプルキータイプのロックが後輪側に搭載されている。ハンドルのロック機構もあるので、駐輪時の安定性を高められる。スタンドは先端がL字型になっていて、車体を持ち上げないでも踏むだけで立てられる構造だ。

 電動アシストのためのバッテリーとしては、リチウムイオン電池が採用されている。容量は25.9Vの6Ah。旧モデルのエナクル「CY-SPA26D」では25.9Vの4Ahだったので、一気に1.5倍となっている。

 標準でスタンド型の充電器が付属する。自宅では家の中にバッテリーを持ち込み、100V電源で充電するわけだ。バッテリーはペットボトルよりも重たいが、取っ手があるので持ち運びは簡単だ。ちなみにバッテリーはカギがないと取り外せない。バッテリーはわりと高価なので、盗難などには注意が必要だ。


電源やモードの切り替えはハンドル左側に付いている フロントライトはLEDを搭載

1:2出力対応のアシスト機能

規制緩和でアシスト比が上がった
 eneloop bikeなど電動アシスト自転車では、人間がペダルを踏む力に比例し、モーターが最大で人力の2倍の力を出してくれる。アシストの比率は1:2というわけだ。同じ加速をするならば、アシスト無しの自転車に比べて乗り手の力は3分の1で済む。

 ちなみにアシスト比率が1:2まで可能になったのは、2008年12月の道交法施行規則改正以降で、それ以前に発売されたモデルのアシスト比率は最大1:1までだった。このあたりは、本誌でも別記事で解説しているので、そちらも参照されたい。

 eneloop bikeは、電動アシストに加え、減速時や下り坂でモーターを発電機として使い、制動の負荷で発電する、いわゆる「回生充電」の機能がある。減速時に得られるエネルギーを電気に戻して再利用することで、より航続距離を伸ばそうという機能だ。回生充電機能は、パナソニックのリチウムビビも去年発売の一部モデルで採用しているが、全車種で採用しているのは三洋電機だけで、アシスト比率1:2対応で回生充電機能を搭載するのは、いまのところeneloop bikeだけだ。

 今回お借りしている「CY-SPA226」の走行距離は、カタログスペックではオートモード(下り坂で自動発電)で最大100kmとなっている。しかし算出基準の走行条件は平地と坂を繰り返すもので、停車からの発進が多い実際の街乗りでは、走行距離は短くなる。しかしそれでも、普通の街乗り程度ならば問題はないレベルだ。実際にどのくらいの距離を走れるかは、次回以降に実走レビューをお届けしたい。


 eneloop bikeにはアシストに「オート」と「標準」と「パワーアップ」の3モードが用意されている。「オート」では下り坂など乗り手が漕がないのに減速しないような状況でも自動で回生発電が行なわれる。「標準」では後輪ブレーキが効いているときしか回生充電は行なわれない。「パワーアップ」は最大1:2のアシスト出力をするモードだ。

 他社の電動アシスト自転車では、長距離走行向けに、アシストを控えめにする省電力モードが搭載されていたりするが、eneloop bikeにはそういったモードは搭載されていない。アシストは快適な出力を保ちつつ、回生充電で航続距離を伸ばそう、というわけだ。

 アシストモードの切り替えは、ハンドル左側にあるコントローラで操作する。このコントローラーには電池残量も3目盛り+点滅で表示されるほか、ライトの入/切操作もできる。操作系はシンプルで、手袋着用中でも操作できるが、走行中の操作はあまり簡単ではない。強烈な坂道などで踏ん張っているときの操作は難しい印象だ。


回生充電機能を搭載したモーター。前輪に付いている
 eneloop bikeには、出力250Wのモーターが搭載されている。これはだいたい他社の電動アシスト自転車と同レベルだ。モーターとエンジンは単純に比較できないが、たとえばホンダのスーパーカブ(50cc)のエンジンは最大2,500W(7,000rpm)である。

 数字だけ挙げてもイマイチ大きいのか小さいのかわかりにくいところだが、大雑把に言うと、250Wは約25kgの重りを1秒で1m持ち上げる力に相当する。例えとしてはあまり正確ではないが、軸からの距離が17cmの標準的なペダルを毎秒1回転で漕ぐ場合、約24kgの重りと同じ力(234ニュートン)に相当する。もはやよくわからないが、要するに、ちょっと頑張っている人間くらいのパワー、とでも言うべきだろうか。

 このモーターが、補助力を出力する。イメージとしては、人間くらいのパワーを持った「中の人」が一緒に自転車を漕いでくれる、といったところだろうか。しかもこの中の人が頑張り屋さんで、時速10kmまでは乗り手の最大2倍の力を発揮してくれる、というわけだ。

 アシストが重要になるのは、主に発進時と上り坂だ。停車からの発進がかなり楽になるので、信号などで停車することが多い街乗りでは絶大な威力を発揮する。まずはこの街乗りの実走レポートを次回、お届けしよう。




その1 /  その2 /  その3 /  その4


URL
  三洋電機
  http://www.sanyo.co.jp/
  製品情報
  http://www.e-life-sanyo.com/eneloopbike/

関連記事
三洋、新規格対応の強力アシスト電動自転車「eneloop bike」(2008/12/01)
第33回:電動アシスト自転車とは(2009/01/23)


2009/03/05 00:10

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