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家電製品レビュー
アルファックス・コイズミ「スロークッカー ASC-T22」

~一人暮らし、二人暮らしに最適なスロークッカー
Reported by すずまり

スロークッカー ASC-T22
 今回ご紹介するのは、アルファックス・コイズミの「スロークッカー ASC-T22」である。スロークッカーとは、弱火またはトロ火のような加熱を長時間行なえる電気鍋。煮込み時間は1~2時間なんて目じゃない。5時間でも6時間でも、その名の通りスローに、じっくりコトコト煮込む料理を得意としている調理器具なのだ。電気で調理するため、立ち消えや吹きこぼれ、焦げ付きがなく、調理中に状態を見張っている必要がないというのもメリットの1つとなっている。

 煮込み料理が得意な調理器だが、ほかにも茶碗蒸しのような蒸し料理や、ケーキなどが作れるのがスロークッカーのいいところだ。

 以前も当コーナーで3Lまで調理できるクイジナートのスロークッカーをご紹介している。どちらも電気を使い、のんびり煮込みを任せられるスロークッカーとしての基本機能に変わりはないが、クイジナートの製品は容量が最大3Lとなっているのに対して、ASC-T22は容量が2.2L。本体のサイズもずいぶんコンパクトになっている。また、あちらがステンレス製の四角いボディに対して、こちらでは白一色の鍋の形で、雰囲気もずいぶん異なり、価格もずいぶん違う。

 そもそも、スロークッカーという製品自体、もともと日本にはなかったものだが、今回のASC-T22は日本のメーカーが製造したもの。時計表示もデジタル化しているなど、性能には違いが見られる。どんな特徴をもつ製品なのかを具体的に見てみよう。

メーカーアルファックス・コイズミ
製品名スロークッカーASC-T22
希望小売価格15,750円
購入場所Amazon.jp
購入価格8,800円


正面から見た様子。すっきりとした白いデザインだ 蓋の取手も白で統一されている

「強」「弱」「煮込」3段階の調理モードと、見やすいデジタルタイマー付き

 「スロークッカー ASC-T22」は容器を包んで加熱するスチール製の本体、陶器製の容器、強化ガラス製の蓋の3点で構成されている。サイズ280×250×225mm(幅×奥行き×高さ)、重さ2.7kgで、煮込み容量が約0.6~2.2Lとコンパクト。取扱説明書と煮込み名人ヘルシーレシピ(植木もも子氏監修)が付属する。


白い陶器製容器
コンパクトなサイズ
取扱説明書と、専用レシピ

 本体側面に操作部があり、デジタル表示が可能なパネルと、タイマー設定用ダイヤル、調理モードの切替スイッチ、スタート/ストップボタンがついている。

 調理方法は、材料を容器に入れたら本体にセットし、調理モード、調理時間を設定してスタートボタンを押すだけだ。目視による容量目安は容器の3~8分目まで。最大量は開口部下約2cmまで、最低容量は底から約3cmとなっている。

 調理モードは「強」(180W)、「弱」(110W)、「煮込」(180、70W)の3種類が選択できる。タイマーは5分単位で最高9時間55分まで設定可能でき、調理が終了すると電子音が5回鳴って知らせてくれる。そのまま自動的に保温モードに切り替わり、最大6時間まで保温される。なお、調理中に調理時間の時間変更はできない。

 保温中は調理中のランプ、および調理モードのランプ(強、弱、煮込)は消える。温度ヒューズは192℃に設定されているので、非常時も安心だ。ただし、加熱は容器だけでなく本体もかなり熱くなるので注意が必要だ。


側面から見た様子
操作部の様子
容器、本体、蓋という3点で構成されている。容器と蓋は洗えるが、本体は水洗い厳禁。落とし蓋や蒸し料理用のすのこ類は付属しない

白い容器っていいかも!

清潔感のある白い本体
 最初に見たとき容器の白さに好感を覚えた。清潔感を感じるのはもとより、煮込み中は煮汁や具の色が気になるもの。容器が白いとよりわかりやすいのだ。炊飯器やポットなど日本の調理器具には白が多いため違和感なく置いておける。サイズもコンパクトで大げさな感じがない。

 調理中の時間はカウントダウンだが、終了後は保温の経過時間がカウントアップされるようになっている。このデジタルが意外と便利なのだ。長時間の煮込みともなれば数分の差など取るに足らないようにも思えるが、煮込みだけでなく、蒸し料理など調理できる料理の幅を考えると、正確な時間が分かるというのは大きな利点といえる。

 終了を知らせる電子音も侮れない。長時間煮込みを任せているとついウッカリその存在を忘れてしまうこともあるので、調理終了後、および保温時間が6時間に達した際に電子音で知らせてくれる点もありがたい。

 ちなみに容器の内径は一番広いところで約20cm程度だが、底に向かうにつれて小さくなるので、落とし蓋を使うなら17~18cmの小ぶりなタイプがお勧めだ。

 というわけで、今回はスロークッカーを使って煮込みまくってみた。その様子をご覧いただきたい。


おでん(煮込 8時間)

 今の季節、煮込みと言えば「おでん」が代表格。今回も最初におでんで試すべく、2人前がパッケージされたセットに、大根、卵、つみれを用意して容器の中へ入れた。落とし蓋をして「煮込」で調理すること8時間。昼に仕込んだので、夜になってお腹が空いた! というタイミングでおでんが完成である。色、味ともに満足のいく仕上がりだ。


便利なおでんセットに、お好みで具を追加
材料を容器に入れ、セットに付属の出汁と、指定の容量の水を加える
落とし蓋(今回はアルミホイルで自作)をして煮込み開始

 「煮込」で煮込んでいる間は非常に静かで驚いた。ぐつぐつ言わないので温度が低いかと思いきやとんでもない! 煮汁の味を確かめようとしてヤケドしかけてしまったほどだ。見た目以上に中は熱く、確実に煮込まれているようだ。


8時間後、出汁を十分に吸い込んでふわふわになったおでんと対面
調理時間が過ぎると、自動的に保温に切り替わり、経過時間のカウントアップが始まる。最長6時間まで保温される

アツアツおでんが完成した瞬間。見た目以上に熱いので要注意なのだ

 2.2Lというサイズは、多すぎず、少なすぎず、二人前+αの煮込みにはちょうど良いと感じられた。家族5人ともなるとさすがに小さいが、3人分くらいまでならOKだろう。


完成したおでん
下茹でなしで入れた大根の状態。かすかに固いが、味はしっかり染みこんでいた

カレー(強 4時間)

カレーの材料
 味が染みこむほどおいしい料理といえは、カレーも忘れてはならない。市販のルーを使ったカレーを作るなら、通常は具を炒めて煮込んでの2ステップ。所要時間は全工程で1時間程度といったところだろうか。しかし、慌ただしく調理するのが嫌なら、思い切ってスロークッカーに任せてみよう。具もルーも鍋に入れるだけなので、帰宅時にもう出来ているという状況を生み出せるうえに、具はホクホクに柔らかく、十分に味が染みこんでいるという特典付きだ。

 今回は鍋の中に適量のジャガイモ、人参、タマネギ、鶏肉を入れ、5人分のルーと固形スープをお湯で溶かして流し入れた。あとはひたひたになるまでお湯を加え、ローリエを加えて落とし蓋をし「強」で4時間煮込んだ。煮込んでいる間外出していたのだが、お腹を空かせて帰宅したら、すぐに食べられる状態。帰宅が遅れても最長6時間までは保温してくれるので、冷めてがっかりすることもない。


別の鍋で固形スープとルーを溶かしておく
容器に全ていれる

カレーを「強」で煮込んでいる様子。いかにも煮込まれている感じがはっきりわかる

「強」で4時間の煮込み開始
「強」はグツグツと煮込まれている様子が確認できる
完成したカレー

 なお、具とルーを鍋に入れて煮込むわけだが、ルーは一旦お湯で溶かしてから流し込むと塊を心配しなくて済む。ものぐさな中にもこの一手間は欠かせない。また、カレーを作るときから直径17cmで半透明なプラスチック製の落とし蓋(100円ショップで購入)を使用してみた。中の状態が見やすくなっていい感じである。


落とし蓋は17cm程度がちょうどよい
十六雑穀入りご飯と一緒にいただきます!
じっくり長時間煮込むので、底が焦げ付かない

牛モツ煮込み(煮込で5時間→強で3時間→弱で6時間)

 当初の予定では牛スジを煮込むつもりでいたのだが、残念ながら近所で手に入らなかった。そこで下茹で済みでパックされた牛モツを購入し、牛モツ煮込みを作ることにした。モツもじっくり煮込むことでおいしくなる料理だけに、スロークッカー向きなのだ。

 大根、人参、ごぼう、こんにゃくなどの材料を食べやすいサイズにカットし、モツともども「スロークッカー」の中へ。あとは水と調味料を加えて本体にセット。まず「煮込」モードで5時間煮込んでみた。


材料一式。牛スジ煮込みの材料がベースになっているが……
材料をすべて容器へ
落とし蓋をして「煮込」で5時間

 しかし煮込み方が大人し過ぎたのか、煮汁がまだ煮込み足りない色をしていた。そこで思い切って「強」で3時間煮込んでから、さらに「弱」で6時間煮込んでみた。すると、グッと居酒屋風の味わいに。モツの食感もいい感じの仕上がりになった。思い切ってぐつぐつ煮込みたいときは「強」を選択するといいようだ。


モツを「強」から「弱」に切り替えてさらに煮込んでいる様子。音はほとんどしない

5時間後のモツ煮の様子。綺麗だが、いまいち出来た感じがしない
グツグツと煮込んだ後のモツ煮
かなりイメージ通りの仕上がりに

黒豆の煮物(弱 8時間)

 豆料理といえば、日常生活では大豆がお馴染みだが、数時間連続で煮込むといえば、やはり黒豆だろう。お正月などの特別なとき以外滅多に口にしないのだが、その分作るチャンスも逸しがち。レシピにも掲載してあることだし、せっかくなので作ってみよう。

 購入したのは北海道産の「光黒大豆」という商品。基本的な作り方はパッケージの裏面に書かれているので、指示通り豆を洗い、普通の鍋で煮汁を作って煮立て、黒豆を入れて一晩つけておいた。

 翌日、そのまま一旦沸騰させてアクを取ったら「スロークッカー」の容器に移し入れ、「弱」で8時間加熱した。その間外出。帰宅後しばらくするとタイミング良く調理終了のアラームが聞こえた。フタを開けてみると、開封当初は固くてごつごつしていた黒豆が、ふっくら柔らかく豆らしいフォルムに! 電源を切ってそのままさらに一晩おき、味を染みこませた。


黒豆の材料は、黒豆、砂糖、醤油、塩、水
洗った直後の黒豆はゴツゴツと固い
沸騰させた煮汁ごと容器の中へ。このまま一晩つけ置きする

落とし蓋をして「弱」で8時間加熱
ふっくらツヤツヤの黒豆が完成

 できあがった黒豆はキラキラと光り輝いていた。浸し時間が長いため、なんとなく手がかって面倒臭そうなイメージがあり敬遠していたのだが、作り始めれば煮込みは「スロークッカー」にお任せ。寝ようが出かけようが仕事しようがお構いなし。初めてでも簡単であった。


どの調理モードを選ぶ? モード選択の目安

 モードが選択できる調理器具で最初に直面するのは、自分が作りたい料理はどのモードを選べばいいのかということだろう。「スロークッカー ASC-T22」には「強」「弱」「煮込」の3種類が用意されているが、ワット数表記だけではピンと来ない方も多いと思う。

 筆者も煮込み中の鍋の表面(沸騰具合)をみながら火力を調節するため、モードと煮込み中のイメージがリンクしにくい。レシピに掲載されている以外のものを作ろうとしたとき、一瞬考えてしまうのだ。食材によっては煮込み足りない、もしくは煮込みすぎという結果も招いてしまう。そこでメーカーに各調理モードの特徴を伺ったところ、非常に参考になる回答をいただけた。

 「強」は、約2時間かけて100℃に到達(沸騰直前温度)し、以後その温度を継続するという。大根や硬い食材、脂身の多い肉などの煮込みに適しているとのことだ。実際試してみたところ、見た目にもグツグツするのが「強」の特徴。魚や肉が塊としてしっかり存在しており、ガスレンジの弱火程度の沸騰でしっかり煮込み、煮汁を適度に煮詰める効果も期待したい場合は「強」だなという感触を得た。

 「弱」は、約4時間かけてじっくり温度を上昇させ、90℃に到達したところで継続させるという。確かに煮込み中の表面はほとんど沸騰することなく、鏡のように静かだ。このため、煮豆等はゆっくり給水させながらやわらかく煮ることができるのだとか。また、硬い肉や魚などは90℃で時間をかけて煮ると、食材が本来持つ風味が出て、魚は骨まで柔らかくなるという。

 「煮込」は、約2時間で100℃(180W)に到達し、以後は80℃(70W)でじっくり煮込み続けるという2つのモードが自動的に切り替わる仕組みを持っている。大根や芋類、灰汁の強い食材に最適とか。使い込んでいくうちによさが分かってくるという、プロ向きのモードらしい。こちらも煮込み中の様子を見る限り、気泡があがるほど沸騰することはなく、静かに調理が進行するという印象だ。普通の鍋で一旦煮込んでから「スロークッカー」に移して「煮込」にすると、保温効果が期待できるだけでなく、さらに味が浸透するという効果も生まれるという。

 あとは実際に調理してみて、沸騰具合や仕上がりをみながら、臨機応変に対応していくといいだろう。贅沢を言えば「強」で3時間、次に「弱」で3時間など、調理モードを組み合わせて自動的に実行するような機能があるとうれしいのだが。


デジタル表示が分かりやすいスロークッカー

 スロークッカーと呼ばれる調理器具はどれも煮込み専用の鍋なわけだが、選ぶなら、利用場所にフィットするサイズ、調理が楽しくなるデザイン、ご家庭にあった容量、タイマーの有無、および最長時間の違い、調理モードの種類の6項目がポイントになると思われる。現在購入を検討されている方は、これらに注目してみるといいだろう。

 それを踏まえて改めて「ASC-T22」をのいいところをチェックしてみると、シンプルなデザイン、2.2Lという適度なサイズ感、調理中の様子や煮汁の濃さが見やすい白い容器、残り時間がきっちり分かるデジタル表示、9時間55分まで指定できるという長時間タイマー機能、終了が分かるアラーム機能の6点だ。特にデザインとサイズは海外ブランドと大きく違うところだと感じる。日本の狭い台所事情にフィットした印象だ。

 気になる点があるとすれば、タイマー用のつまみがかなり軽い点。極めてわずかな接触で変わってしまうことがあるのだ。力を入れなくても操作できるのはいいが、軽すぎて戸惑ってしまうかもしれない。保温機能が独立していない点も人によっては気になるかもしれない。また、スタート/ストップボタンも切り替わり表示がもう少しわかりやすいとうれしい。途中で調理を停止させたつもりで容器を取り外したのだが、操作ミスで再加熱していたこともあった。容器の有無が分かるセンサーなどがついていると安全だろう。

 とはいえ、煮込んでいる間、寝ていることもあれば、仕事で何時間も外出してることもあったわけで、ガス調理ではこうはいかないと思うと、改めてスロークッカーの魅力を痛感するのだ。おかげでガスレンジで煮込む機会がめっきり減ってしまった。みなさんも3つのモードを使いこなして、「煮込み名人」を目指していただきたい。





URL
  アルファックス・コイズミ
  http://www.alphax.koizumi.co.jp/
  製品情報
  http://www.alphax.koizumi.co.jp/products/products3/index.html#01

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2009/02/20 00:01

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