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【短期集中連載】
パナソニックの経営理念を歴史館に見る その1

~松下幸之助氏の94年の生涯を網羅した歴史館とは
Reported by 大河原 克行

パナソニック松下幸之助歴史館
 創業90周年の節目の年でもあった2008年に、松下電器産業から社名を変更したパナソニック。2009年には、三洋電機をグループ化し、中期経営計画GP3の最終年度として、グローバルエクセレンスへの挑戦権獲得に目指した企業体質の確立に挑む。

 こうした大きな激動のなかで、パナソニックが常に中核においていたのは、創業者である松下幸之助氏の「経営理念」である。それが、パナソニックの経営をより強いものにしているのは間違いない。

 大阪・門真のパナソニック松下幸之助歴史館を訪ね、パナソニックの経営理念、そして、松下幸之助氏の足跡に触れてみた。

 パナソニック松下幸之助歴史館は、大阪府門真市にある。本社がある門真地区は、まさに「パナソニック村」で、本社部門のほかにも、さまざまな部門がここに居を構える。

 歴史館があるのは、同社の分類でいえば、西門真地区。京阪電車京阪本線の西三荘駅から徒歩5分の距離、京阪電車の線路沿いにある。かつての本社があった場所に隣接した位置でもあり、歴史館の建物も門真に移転した当時(1933年)の本店社屋を復元したものとなっている。


ステンドガラスを用いたモダンな外観(写真は社名変更前のもの)
歴史館の屋上に設置されている船の舵。これも当時の本店社屋を再現したもの

 創業50周年を記念して1968年に開館した同歴史館は、1995年に松下幸之助氏の生誕100年を記念して大幅にリニューアル。そして、2008年には社名変更にあわせて、それまでの松下電器歴史館からパナソニック松下幸之助歴史館へと名称を変更した。

 年間約3万人を超える来館者があり、そのうち約半分が社外。企業や学校からの訪問も多く、海外から来館者も約1割を占めるという。とくに、松下幸之助氏の一言によって、中国への技術支援を決定したという経緯もあり、中国からの来館者は年間1,000人規模に達するという。


松下幸之助歴史館
富田雄二館長
 「企業は社会の公器という経営理念のもと、事業を通じて社会に貢献することを実践してきた松下幸之助を、企業人としての枠を超えた生涯の活動を、パナソニックの事業の発展の歴史とともに紹介している」(松下幸之助歴史館・富田雄二館長)のが、同歴史館の特徴だ。

 歴史館の門を入るとロータリーがあり、その中心には、松下幸之助氏の銅像がある。いまにも握手をしようとするその姿勢は、来館者を暖かく迎えているような感じを受ける。

 その左手に目を向けると洋風の洒落た建物がある。これが歴史館だ。

 1933年当時の本店社屋を復元した歴史館は、ステンドガラスを用い、屋根の上には船の舵が乗っている。本社が、企業全体の舵取り役であることを示したものだという。


 中に入ると、まずは受付で名前を記入する。入場料は無料。

 歴史館の展示内容は、「時系列展示ゾーン」、「テーマ展示ゾーン」、「ハイビジョンシアター」に大別することができる。


松下幸之助氏の生家の長屋門を復元。立派な門構えだが、この後、父親が米相場の取引で失敗し、貧乏のどん底に
 時系列展示ゾーンでは、松下幸之助氏の出生から、大阪での丁稚奉公、パナソニックの設立、94歳の逝去までを4期に分けて展示している。

 誕生から創業までの「第1期 志を立てる」、創業から終戦までの「第2期 使命を知る」、終戦から社長退任までの「第3期 世界を駆ける」、会長、相談役として活躍した「第4期 夢、果てしなく」に分類し、実際の商品や当時の写真、映像、各種資料などが豊富に展示されている。とくに、若き頃の資料も数多く展示されているのは驚きだ。自身の資料を大切に保存していた幸之助氏の几帳面ぶりが伺われる。

 このゾーンでは、メイン映像コーナーも設置されており、ここでは、パナソニックを語るには避けては通れない「創業命知」に関するエピソード映像のほか、「経営を語る」、「人生を語る」、「人づくりを語る」の3つのテーマに分けられた34の話を、幸之助氏の肉声で聞くことができる。

 現社長である大坪文雄氏が掲げる「衆知を集めた全員経営」に関しても、当時、この言葉を幸之助氏自らが語った生の声で聞ける。


時系列展示ゾーンの様子。当時の商品や写真、資料が数多く展示されている メイン映像コーナーでは、34の話を見ることができる

 一方、テーマ展示ゾーンでは、パナソニックがこれまで世の中に投入した商品の数々をテーマごとに展示したり、「ものをつくる前に、人をつくる」という幸之助氏の考え方などを紹介。さらに、クイズ形式で幸之助氏を知ることができるマルチメディアコーナーもある。


テーマ展示ゾーン
マルチメディアコーナーの様子

 また、ハイビジョンシアターでは、120インチ大画面によるハイビジョン画像で、経営理念などを紹介している。同シアターでは、「松下幸之助 商いの心」、「松下幸之助 随想 道を開く」、「松下幸之助の心 美しい日本」の3本が上映されている。

 そのほか、創業時の家や、門真へ移転した当時の社長室であった所主室を再現したり、大阪万博を記念して大阪城に埋められたタイムカプセルのレプリカもここに設置している。


創業の家。この家のなかで、アタッチメントプラグの材料の調合から成型までの製品化が行なわれた 創業時に使われた当時の機械も展示されている

当時の所主室(社長室)を再現している 1970年に開催された大阪万博で大阪城に埋められたタイムカプセル。2,098点の物品と記録が収められ、5,000年後に開封される

 なお、パナソニック松下幸之助歴史館の開館時間は、午前9時から午後5時まで。日曜、祝日、会社の休日が休館日となっている。

 詳細は、こちらのホームページで確認していただきたい。

 次回以降、歴史館の資料や展示品などをもとに、幸之助氏の足跡と経営理念、パナソニックの歴史を追ってみる。

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URL
  パナソニック株式会社
  http://panasonic.co.jp/index3.html
  パナソニック松下幸之助歴史館
  http://www.panasonic.co.jp/rekishikan/
  パナソニック社名変更関連記事
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/pana.htm


2009/01/07 00:01

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