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DIMPLEX「TIPSY ファンヒーター」
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今年の冬は、家電Watchで暖房器具のレビューを2度ほど執筆している。「薄型フットヒーター」も、「レンジでゆたぽん」も、足の冷えを解消してくれるので、冷え性の筆者には大活躍のアイテムだ。
というわけで、足の冷えから解放されて、今度は「電源を入れてすぐに温かくなる暖房器具が欲しい」と考えていた。ストーブというほど大げさなものもいらないし、あんまり大きいのも嫌。ついでにいうと、ちょっとかわい気のあるもの。そんな筆者のワガママをクリアしたのが、DIMPLEX(以下、ディンプレックス)の「TIPSY ファンヒーター」だ。
メーカー | DIMPLEX |
製品名 | TIPSY ファンヒーター |
希望小売価格 | 9,980円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 7,920円 |
ディンプレックスといえば、1960年代に日本で初めてオイルヒーターを発売したブランドだ。1949年にイギリスで設立され、ディンプレックスの蓄熱暖房機は、かの有名なバッキンガム宮殿でも愛用されているそうだ。近頃はポータブルヒーターだけでなく、住宅設備暖房、デザイン家電も展開している。
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使用時は裏側を塞がないようにする
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輸入モノの匂いが感じられるロゴ
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電源を入れると赤いランプが点く
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● 卵型にはワケがある
このファンヒーターの特徴は、なんといってもその形だ。235×233×275mm(幅×奥行き×高さ)のコロンとした卵型。一見すると暖房器具には見えない愛らしさがある。カラーはホワイト、レモンイエロー、パステルピンクの3色展開。今回はかわいらしい印象のパステルピンクを選んだ。
特徴的な“卵型”はデザインだけでなく、機能性においても意味がある。ファンヒーターを倒してしまったとき、従来のヒーターには安全対策として自動的に電源がオフになる機能が備わっているのだが、このファンヒーターは卵型の形で本体が倒れない設計になっているので、電源が切れることがない。
製品名である「TISPY」は、英語で「ほろ酔いでよろよろする」という意味で、製品が倒れることなくよろよろとバランスを保っている様子を表したものとなっている。
● 起き上がる姿を眺めるのが楽しい
まずは使用する前に、本当に倒れても起き上がるのかを試してみた。わざと横に倒して置いてみる。すると……よろよろと立ちあがり始めた! 前後左右、どの方向に倒しても“おっとっと”という感じできちんと起き上がる。底部分だけが平らになっており、起き上がり始めはフラフラしているので、また反対側に倒れてしまうのではないかと心配になるものの、倒れっぱなしということはない。
これだけ必ず起き上がってくれるのなら、机の足もとに置いていて間違えて蹴ってしまっても安心。製品のWebページには「今夜、部長だと思ってそっと蹴とばしてください」というコピーと共に紹介されているのだが、もちろん本気で蹴らないようにしたい。
● 小さくてもパワフルな暖房性能
机の下に置けるほどにコンパクトなのだが、消費電力は最大1,000W。使用畳数は3畳(木造住宅)~8畳(コンクリート住宅)となっており、部屋全体を温めるには時間がかかるが、普段暖房を使わないところに置いておくと、十分な威力を発揮する。
例えば、トイレや風呂の脱衣所など、部屋の暖房器具を持ってくるほどではないものの、温かいと快適な空間に置くにはぴったりなのではないだろうか。筆者もよく、温かい部屋からトイレに入ったときは「寒っ!」とつぶやき、風呂の脱衣所では小学生の男子が水着に着替えるときのようにささっと服を脱いでお風呂に入っている。
ここに「TIPSY」を置いておけば、もっとぬくぬくと過ごせるはずだ。重さも1.7kgで、持ち運びができるよう裏面にくぼみがついているので、移動しやすいというのも高ポイントである。
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トイレに置いても、大きさはあまり気にならなかった
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これさえあれば、朝の歯磨きをする際にも寒さに震えなくていい
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本体の裏側にくぼみがついているが、少し浅いので両手で抱えるのがベスト
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ヒーターを「強」にした場合が1,000Wで、弱めたい場合は「弱」の500Wで使用できる。運転モードの切り替えは、「運転モード切り替えダイヤル」をひねるだけ。また、温度設定もできるようになっており、「温度調整ダイヤル」を右に回すと高い温度の風が出るようになり、左に回すと低い温度になる。
この「温度調整ダイヤル」は手動で管理する以外にも、室温プラス約5℃に自動で設定してくれるダイヤルがあるので、エアコンのついた部屋で自分の近くだけを温めたいときなどに使用するといい。
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本体右側にある「運転モード切り替えダイヤル」。〇がオフ、?Tが弱、?Uが強。表示は少し見えにくい
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本体右側の「温度調節ダイヤル」は温度の表示はない
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● 安全対策はバッチリ
転んでも起き上がるというのも安全対策の1つだが、本体にはそれ以外に過熱防止装置もついている。過熱した際には自動で電源がオフになるので、火事の心配がない。また、風の強弱を調節できない分、温度が上がると止まってくれるのはちょうどいい。少し不便を感じるのは、タイマー機能がないくらいだろうか。外出時や就寝時の消し忘れには注意。
使用時に注意することは、毛足の長いじゅうたんの上には置かないようにすること。せっかく転んでも起き上がる「TIPSY」が、じゅうたんのせいで起き上がらなくなるので危険だ。
● 割高ではあるが、デザイン性と使い勝手を考えれば買い!
ぱっと見た感じはかわいいものの、若干のチープさがあるのは事実。読者のなかには、「これで1万円は高い」と思う人もいるだろう。しかし、暖房器具で名をはせたメーカーの製品としてはかなり斬新な試み、それにデザインと性能を考えれば、持っていて損はないファンヒーターだ。
1万円以下という価格とキュートなデザインは、女性へのプレゼントにもオススメ。少し贅沢をいえば、スノーホワイト以外にもブラックやブラウンのような落ち着いたカラーが増えると、男性も使いやすいのではないだろうか。
■URL
株式会社ディンプレックス・ジャパン
http://www.dimplex.jp/
製品情報
http://www.dimplex.jp/heater/lineup/tipsy.html
Tipsy スペシャルサイト
http://www.tipsyheater.jp/
暖房器具関連記事リンク集
http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/heat.htm
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・ 家電製品ミニレビュー デロンギ「HTM02」(2007/12/05)
2008/12/16 00:15
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