● リビングにぴったり、デザイン性の高いタワー型の気化式加湿器
やっと冷房がいらなくなったと思ったら、今度は加湿器が必要な季節になりました。我が家の湿度は普段から低めで、冬になると20%になることもしばしば。カビがはえにくくて快適ではあるのですが、あまりに湿度が低いと、喉や鼻が痛くなってきます。
昨年は小型の加湿器を使っていましたが、リビングで使うにはパワー不足を感じていたので、少し大きめの加湿器がほしいと思って導入したのが、今回の「インテリア加湿機 HV-800-W」です。「HV-800-W」は、シャープの加湿器の中ではかなり大きめで、タワー型のデザインが特徴的な1台です。
「インテリア加湿器」という名前の付いているとおり、あまり加湿器では見かけないスタイリッシュな形。ボディが真っ白なこともあって、リビングに置いておいても加湿器っぽく見えません。
他社の同じ程度の加湿機能を持つ加湿器と比べると少し価格が高めなのですが、タンク容量が5Lと大きかったので、頻繁に行なっていた給水がラクになることを期待しつつ購入しました。
メーカー | シャープ |
製品名 | インテリア加湿機 HV-800-W |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入店 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 33,677円 |
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「HV-800-W」は加湿器としてはめずらしい円柱のタワー型
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本体の背面。このメッシュになった吸込口カバーの奥に加湿フィルターがセットされています
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タンク容量は5L。重いですが、ハンドルがしっかりしているので運びやすくなっています
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● 1時間当たりの加湿能力は約780mlと多め。3シーズン使える大型フィルターも魅力
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洋服のボタンのような操作部。デザインもシンプルで、液晶もありません
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「HV-800-W」の第一印象は、やはりそのデザインへの驚きが最初でした。中央に洋服のボタンのように操作ボタンが並び、ボディは光沢のある白。全体的にすっきりしていて高級感があります。
毎日あけることになる給水タンクは、タワーの下1/3のエリアにセットされていて、引き出しのように手前に引き出します。写真で見たときはタワー型だけに本体が不安定なのではないかと思いましたが、実際に見てみると、給水タンクがいちばん下にあることもあって、かなり安定しています。多少子どもがぶつかったぐらいでは、倒れるような心配はありません。
この「HV-800-W」の加湿方式は、水を含んだフィルターに扇風機のような羽根で風を当てて加湿する、ヒーターレス加湿。タワーの中央に加湿フィルターがセットされており、いちばん下の給水タンクからこの加湿フィルターに水が供給され、最上部にあるファンでタワーの上部へと加湿された空気を吹き出します。
加熱しないのでタワーの上部から出てくる空気は冷たく、空気はファンの影響で渦を巻いて出てきます。スチーム式のようにこぼしてやけどをするようなことはありませんが、フィルターが限界まで水を含んでいるので、不用意に斜めにするとうしろから水がこぼれてくることがあるのでその点はご注意を。
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給水タンクは本体の最下部。かなり安定しています
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加湿フィルターを本体から取り外したところ。交換する際は緑色のフィルター部分だけを取り外す
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水を含んだフィルターに風を吹き付けて加湿するファン
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熱い蒸気が出てくるスチーム式の加湿器とは違って、出てくる空気は目には見えませんが、加湿機能は十分。1時間当たり780mlと、木造和室なら13畳まで、プレハブ洋室なら22畳まで利用できます。同社の加湿空気清浄機「KC-W80-W」が1時間当たり760mlなので、ほぼ同じぐらいの加湿機能です。
一般的に、気化式の場合フィルターを定期的に交換する必要がありますが、この「KC-W80-W」の場合は、加湿フィルターの汚れを常に洗い流す「新給水システム」を採用。抗菌・防カビ加工された大型フィルターのため、1日8時間の使用で約18カ月使える耐用性があります。だいたい3シーズン程度使える計算です。
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スチーム式と違い、上部の吹出口から出るのは冷風。手を近づければわかりますが、見た目ではわかりません
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加湿フィルターは1日8時間で18カ月使用可能。ちなみに交換用加湿フィルター「HV-FW800」の希望小売価格は3,360円。型番を忘れたら本体のここをチェック
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● 適湿にコントロールする「自動」なら、一晩中の使用もOK
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写真上部のインジケーターは、温度・湿度計と連動している「湿度表示ランプ」。その下の「運転ボタン」でスタートし、「加湿切換ボタン」を押して強度を設定します。通常は「自動」でOK
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設定できるコースは、湿度を55~65%に調整する「自動」、パワフルな「強」、静かな「弱」の3種類。これに、除菌イオンの単独運転や、2週間に1度程度行なう加湿フィルターのお掃除モードがあります。室内の湿度は「湿度表示ランプ」の「低」「適湿」「高」で表示され、目安にできます。
基本的には「自動」に設定しておけば、湿度が低ければ「適湿」になるまで「強」で加湿し、加湿されたら湿度が下がらないよう自動的に「弱」で運転されます。
ちなみに、「強」で駆動させると運転音が約41dBと大きめで、昼間にリビング等で使う分には気になりませんが、夜寝るときに使おうとするとさすがにうるさく感じることがあり、運転音が約27dBと静かな「弱」に固定して使うこともありました。
給水タンクには水が5L入り、「強」で使用(室温20℃/湿度30%)すると約6時間駆動。「自動」や「弱」の場合はもっと持ちますが、どちらにしろ持って一晩なので、給水は毎日必要。24時間連続で使う場合は、朝、夕方、寝る前、と3回程度の給水が必要です。
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容量5Lのタンク。前面と背面は透明で、内部のタンクの水の量がある程度確認できます
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給水口のキャップをはずして、水道から直接給水できます
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● プラズマクラスターで空中除菌する「除菌イオン」
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「除菌イオンボタン」をONにするとこの青ランプが点灯。かなり明るいLEDです
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「HV-800-W」に搭載されている「除菌イオン」は、同社の「プラズマクラスター」技術を使用したもの。空中にイオンを放出して、カビ菌やウイルスを分解・除去するこの機能に、実はかなり期待して購入しました。
というのも、我が家はふたりとも喉が弱く、アレルギー体質。冬になるとひんぱんに風邪をひくため、加湿は当然ながら、ウイルスの除去が必要だと考えていたからです。
実際に寝室でしばらく使ってみたところ、効果は上々。どこまでがイオンで、どこまでが加湿の効果かは区別できないのですが、いまのところ風邪も引きません。
加湿器をつけずにいると、翌朝たいてい喉がイガイガして咳が出ていましたが、その不快感もありません。
当初、本体から吹き出す風が冷たいので、締め切った寝室で使うと部屋の温度が下がるかと思いましたが、いったん湿度が上がると逆に空気がやわらかくなるので、むしろ部屋自体は少しあたたかく感じます。
目に見えないだけに効果をはっきり言えずにもどかしいところではありますが、適度な湿度があるとないとでは、朝起きたときの体調が違うので、とりあえず湿度が低くなってからは、毎日欠かさず使用して、快適さを感じています。
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少し駆動音が大きめですが、寝るときにつけていると朝の喉や鼻が快調です
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縦長のデザインは、リビングに設置するとぴったり。とてもよくなじみます
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● 広めのリビングにも効果あり。ただし移動は想定外
我が家のリビングは、洋室で12畳ほど。そこに6畳の和室と、5畳の洋室、キッチンが隣接する作りなので、ドアを開け放って一気に加湿しようとするには少し無理があるかな、と思いながら使い始めました。
結果的には、12畳のリビングと、その続きになっている6畳の和室ぐらいまでの加湿には十分。それ以上の全体的な加湿も、置く場所を工夫すれば、最初の加湿に数時間かかるものの、一度加湿してしまえばある程度湿度はコントロールできました。
また、あたりまえながら、時間帯によってリビングに人が集中していたり、和室に偏っていたり、寝室にしかいなかったりといろいろなので、できれば昼間はリビング、夜は寝室、など移動させて使いたいのですが、その移動はあまり想定されていない作りでした。使い勝手だけを考えれば、底面にキャリーを付けたいぐらいなのですが、タワー型だけに安定性が優先されたのかもしれません。テストのため、毎日リビングと寝室の両方で使っていましたが、どこを持っていいかわからず(正しくは底面のハンドルを持って移動させます)ちょっと苦労しました。
また、真っ暗な寝室で使うと、除菌イオンがONになっていることを意味する青いLEDがとても明るく、天井のミニ電球がいらないぐらいです。寝るときに寝室が一面真っ青になってしまうのが最初怖くて、しばらく除菌イオンを切って使っていました。音は前述通り「強」ではうるさく感じますが、寝る前に加湿しておき、「弱」運転に入るとほとんど気になりません。
ちなみに、同シリーズで1時間当たりの加湿能力が300mlと低めの「HV-300-W」も発売されており、形はタワー型ではないキューブ型。最少運転音が18dBと静音運転が可能なので、無理して想定外の移動はせずに、寝室用にもう一台こちらを買ったほうがよさそうです。
● 使いやすいケトル型の給水タンクで毎日の作業がスムーズ
実は、個人的にいちばん気に入ったのはこの給水タンクの給水のしやすさでした。やかんのようにしっかりしたハンドルがついているので、毎回の給水がとてもラク。給水後にタンクを逆さにする必要もなく、そのまま上から置くだけなので、5Lの給水タンクはかなり重いですが、作業自体はとてもスムーズです。
冬になると加湿器の給水は本当に毎日のことなので、思わず加湿器にホースをつなげて自動給水したくなってきてしまいますが、これまで使っていたスチーム式とくらべれば、こびりついたカルキを落とす必要もなく、カルキ分が濃く溶け出した残り水を捨ててやるだけでいい簡単さなので、メンテナンスはとてもラク。この楽さがあれば、この冬の間ずっと使い続けられそうです。
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全体を引き出したら、中の給水タンクを持ち上げます
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水が空になったあと、カルキ成分が濃縮された黄色い水が溜まっているので、これは毎回必ず捨ててから給水します
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■URL
シャープ株式会社
http://www.sharp.co.jp/
製品情報
http://www.sharp.co.jp/products/living/humidifier/prod01/hv800w/index.html
加湿器/空気清浄機/除湿器 関連記事リンク集
http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/air.htm
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・ シャープ、円錐型ボディの気化式加湿器(2008/09/25)
2008/11/06 00:04
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