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EUPA「マルチクックロースター TSK-2684ST」
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今回、紹介するのは「焼く」「煮る」のほかに、「炊く」「蒸す」など、幅広い調理が可能なEUPAの「マルチクックロースターTSK-2684ST」。普通ならばフライパン、鍋、蒸し器など複数の道具が必要になる調理方法がこれ1台で出来てしまうというものだ。メーカー希望小売価格は9,555円。Amazon.co.jpでの購入価格は7,980円だった。
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フタを開けた様子。本体の大きさは285×355×265mm(幅×奥行×高さ)で、重さは4.1kg
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本体に、2枚の加熱プレートと、油受け皿が付属する
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背面に、コードが収納できる
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● 操作は簡単、加熱時間を設定するだけ
「TSK-2684ST」の外観は、横長の炊飯器のような形。大きさは285×355×265mm(幅×奥行×高さ)で、重さは4.1kg。家庭にある5合炊きの炊飯器ほどの存在感がある。本体を持ち上げる時は、側面にある持ち手を両手で持つ。フタを開いてみると、フタもかなりの重さがある。
本体の内側に、ステーキ皿のような形をした加熱プレートがある。加熱プレートを取り外すと、本体プレートがある。本体プレートには全体に溝があり、端の方には油落とし用の穴がある。調理中に出る余計な油はこの油落とし用穴に落とす仕組みだ。ヒーターは、本体プレートの下とフタの裏側の2箇所に設置されている。熱を上下から加えることで、庫内の熱を循環させながら加熱するという。
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丸い液晶パネルと、操作ボタン。上側が電源スイッチ、下の「+」「-」の表示が加熱時間を設定するボタン
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本体プレート。溝と油落とし用の穴があり「焼く」調理に使う
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加熱プレート。「煮る」「蒸す」「炊く」調理に使う
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電源スイッチは正面の丸い液晶の上部にある。液晶の下側にある「+」「-」ボタンで加熱時間を調節する。設定は加熱時間のみで、温度設定などの細かい操作はできない。
複数の調理方法を使い分けるにはプレートを使い分ける。例えば本体プレートは「焼く」調理に、「煮る」「蒸す」「炊く」調理をするときには加熱プレートをセットして使う。加熱プレートで作れる料理は幅広く、付属のレシピ集には様々な種類の料理が記載されている。
調理する時はまず電源ボタンを押して、5分間予熱をする。ピーっと音が鳴ったら、予熱完了なので、後は食材を入れてフタし、加熱時間をセットするだけでよい。設定できる時間は1分単位で、最大199分までだ。
ただし、調理時間の目安などは書いてないので、自分で調節する必要がある。
● 本体プレートと、加熱プレートを使い分けて調理する
調理方法が異なるという本体プレートと加熱プレートには、実際、どのような違いがあるのだろう。そこで、まずは両方のプレートで、ローストチキンを焼いてみることにした。
まずは加熱プレートからだ。本体の予熱が完了したら、加熱プレートをセットし、オリーブオイルをひいて、鶏肉とローズマリーを投入する。塩コショウして、フタをし、加熱時間を30分にセットした。
焼き始めてから5分間後、フタを開けてみると、もう鶏肉は白く色が変わり、全体に火が通りかけているようだ。そのままフタをして30分後、再び、フタを開けると、ローストチキンができあがっていた。ローズマリーの香りが、湯気と一緒に立ち上ってくる。プレートには、鶏肉からでた肉汁と油が溜まっている。
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加熱しはじめてから5分後の様子。全体的に加熱されている
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30分後の様子。蒸し焼きになったようだ
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中までちゃんと火が通っている、ジュージーな味だ
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食べてみると、油がのってジューシーなローストチキンに仕上がっていた。加熱プレートに溜まったスープもいい味だったので、調味料を加えるてソースとして応用した。使用中の注意点としては、本体からプレートを外す時にはプレートがかなり熱くなっているので必ずミトンを使用することだ。
次に本体プレートで同じようにローストチキンを作ってみる。作り方は先ほどと同じ。まず変化が現れたのは5分後に、フタを開けた時だ。加熱プレートで調理した時は5分後には鶏肉の色が変わっていたが、今回は表面はまだ生の状態。が、肉の下側の方は火が通っているらしく、キツネ色の焦げ目が付いていた。このまま加熱を続けると片面だけが焦げてしまいそうなので、鶏肉を裏返してから再びフタを閉めた。
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5分後の様子。本体プレートに接している下側だけが焼け、焦げ目がついている
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30分後の様子。両面がこんがりと焼けた
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中までちゃんと火が通っている、さっぱりした味だった
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本体プレートはフッソ加工されているので、焦げついていない
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30分後、フタを開けてみると、心配した焦げ目はそれほどなくおいしそうな仕上がり。表面がぱりっとしていて、さっぱりとした味。肉には多少焦げ目がついていたものの、プレートの表面は、フッ素コートされているので、焦げつきはなかった。
同じ2つのプレートを使い比べてると、一番の違いは加熱方法だ。本体プレートは、下側のヒーターだけで加熱される。加熱プレートでは、上下のヒーターで庫内全体が加熱されて、熱が庫内全体に行き渡る「蒸し焼き」のようなにするような調理ができる。今回は同じ時間をセットし、両方とも中までちゃんと火が通っていたので、調理時間の差はなさそうだ。
次に加熱プレートで「炊く」調理に挑戦してみよう。まずは豆ご飯を作ってみた。加熱プレートに2合のお米とグリーンピースを入れる。塩、酒、昆布と2カップのだし汁を入れ、フタを閉めて、加熱時間を「60分」にセット。60分後、フタを開けてみると、豆ご飯が炊きあがって、加熱プレートいっぱいに膨らんでいる。食べてみると、お米の中までしっかり日が通っていて、固さもちょうどよい。ただ、表面のグリーンピースには少し焼き目がついていた。
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豆ご飯をつくる。2合のお米にグリーンピースをいれる
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塩、酒、昆布と2カップのだし汁を投入して、フタを閉める
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60分後、炊き上がった様子。ご飯に芯はなく、ちょうどよい固さだ
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火が通りにくいものから順番に材料を投入して加熱する
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「煮る」料理としては、ミネストローネのスープを作ってみよう。
加熱時間が予想できないが、調理途中でも時間は調節できるので、とりあえず「60分」にセットした。加熱プレートにオリーブオイルをひいて、にんにく、たまねぎ、ベーコン、ジャガイモなどの材料を順番に入れる。材料を投入する時は、すぐにフタを閉めて、中の温度をできるだけ下げないように工夫した。だいたい火が通ったら、セロリ、トマトとコンソメスープの素と、400ccの水を投入し、塩コショウをして、フタを閉める。
この時点でタイマーの残り時間は、40分だ。中の様子をみていると、加熱時間はこの設定のままでちょうど良さそうだ。できあがったミネストローネは、下茹でせずに投入した野菜もちゃんと煮えいて、歯ごたえがほどよく残り、野菜の味が楽しめるスープになった。
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コンソメスープの素と、400ccの水をいれる
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60分後、できあがり。全部の野菜に、ちゃんと火が通っている
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スープを盛り付けた様子。加熱プレートでスープ皿2杯分が作れる
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少し気になった点は、調理時間の目安がわかりづらいことだ。フタを閉めると中の様子が見えないので、はじめのうちは、途中でフタを開けて、具合をながら時間を調節することになる。しかし、特に「炊く」、「蒸す」調理の途中でフタを開けると、中の温度が一気に下がってしまうのできあがりに影響してしまう。温度設定などの細かい操作ができない分、目安の調理時間を本体に表記してくれたら使いやすいだろう。
お手入れ方法は、本体は固く絞った布巾などで拭き、加熱プレートと油受け皿は、台所用中性洗剤で丸洗いできる。本体プレートは、本体から取り外しできないので、少々洗いづらい。
● 調理器具がなくても、幅広い料理がまかなえる
一度に作れる量は、ご飯なら2合、スープは2人分、ステーキ肉は1枚ずつなので、1~2人用の食事作りに向いている。
温度調節など細かい設定は出来ないので、難しい料理をするのにはあまり向かないが、器具などを揃えていない料理初心者向き。台所の道具を増やしたくないとか、ちょっと変わった道具を試してみたいという人に、おすすめしたい。
■URL
EUPA(燦坤日本電器株式会社)
http://www.tsannkuen.jp/
製品情報
http://www.tsannkuen.jp/tkj/jsp/tkj_web/ProdPopWin.jsp?pid=419
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2008/09/10 00:01
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