● ドウシシャのデザイン家電「MA」シリーズの電気ケトル
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ドウシシャ「MA-EK0701」
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昨年あたりから、「電気ポット」に代わって、「電気ケトル」が大人気です。ペットボトルのお茶が普及して、茶葉で入れてお茶を飲まなくなったとか、一人暮らしではそもそも電気ポットの保温がもったいないとか色々な理由がありますが、電気ケトルの方が使いやすい生活スタイルへ変化したということでしょうか。
今回ご紹介する電気ケトル「エレクトリック ケトルMA-EK0701」は、ドウシシャのデザイン家電のブランド「MA」シリーズの1つ。メーカー希望小売価格はオープンプライス。Amazon.co.jpで、8,400円で購入しました。電気ケトルには競合製品がとても多く、3,000円程度からの製品が揃っていることを考えると、値段としては比較的高価な部類に入りますが、デザイン家電としては買いやすい価格帯に位置しています。
このMAシリーズは、デザイナーに秋田道夫氏を迎え、コーヒーメーカーやオーブントースターなど現在6種類が発売されているシリーズ。モダンデザインの持つ、「シンプル、合理性、堅牢性、素材を活かした造り」をコンセプトにデザインされた製品が揃っています。発売元のドウシシャは、Luminousシリーズのワイヤーラックや圧力鍋をはじめ、幅広い種類の製品を扱う流通メーカーで、MAはそのなかでも少し異色の存在に見えます。
最近は身近にデザイン家電が増えたことで、普通の家庭のキッチンや食卓がどんどん洗練されてきているように感じますが、まだどうしても「ほしいけれど値段的には無理して買う」イメージがあるのも確か。MAシリーズは、“Modern design for All”(生活シーンにモダンデザインを)の頭文字を取って「MA」と表記されているだけあって、デザイン家電を、より身近にするのに役立つシリーズ手頃な価格のシリーズのようです。
● 太めのハンドルが特徴的な、細身の円柱形デザイン
「MA-EK0701」はそんなMAシリーズらしい、シンプルで合理的なデザイン家電です。一般的には電気ケトルといってもやかんのような底面が広いデザインがほとんどですが、このケトルの本体は円柱形。細身のケトル部分に水平にハンドルが付いた、細長いマグカップのようなデザインです。
本体はステンレス製で鏡面仕上げのケトル部分と、プラスチック製の黒い取っ手や上フタで構成されていて、電源ベースも黒。ステンレスと黒の2色だけの配色で、全体的に“大人向け”の高級感があります。形だけ見ると電気ポットのような大きめのものをイメージしがちですが、実際はそれほど大きくなく、本体サイズは200×165×245mm(幅×奥行き×高さ)と細身。重さも電源ベースを含めて約0.9kgと軽めです。
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本体横。コの字形の大きなハンドル部分が特徴的です
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ケトル部分は円柱形のシンプルなデザインです
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左右対称なので右利きでも左利きでも同じように使えます
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ハンドル上部に電源スイッチがあります
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円柱形のケトルに合わせて、電源ベースも小型
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裏面にはコードの収納スペースもあります
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このように巻き込んでケーブルの長さの調整もできます
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電源ベースはすべりどめ加工がされ、沸騰時も安定
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上フタはふたツマミを持って上に上げて外します
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特徴的なのは太めのハンドルです。ドアノブのようにしっかり握って持てるストレートな形で、ハンドルを持ったときに、熱くなるケトル部分に指が当たらないよう、逆側にもプラスチックでラインが入っています。
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ハンドルはドアノブのような棒状です
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斜め上から見ると給湯口からハンドル部分までの直線が目に入ります
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● 容量は500cc~1L。1Lの沸騰なら約8分
使い方もごくシンプル。上ぶたをあけ、内側の目盛りを目安に水を入れたら、電源ベースの上に設置してスイッチを「ON」にするだけ。最大の1Lを入れた場合、沸騰までは約8分かかり、沸騰すると自動的に電源スイッチが「OFF」に切り替わってスイッチが切れます。沸騰し終わってもアラーム等は鳴りません。
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上フタはふたツマミを持って上に上げて外します
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取っ手側のでっぱりは、蒸気取り入れ口
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内側の円柱形なので手が入りやすくて手入れはラク
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電源ベースから持ち上げればワイヤレスで使えるので、使い勝手は良好です。第一印象よりも、使っているとよさがだんだんわかってきます。たとえば給湯口の形が独特なのも、この形だと出す量を調整しやすいことに気がつきました。コーヒーを摘出するときなどに細くお湯を出したいときにちょっとずつ出せますし、一気に入れたいときは量を多くも出せます。ハンドルが長いので、傾けたときに蒸気から逃げやすいですし、好きな場所が持てる自由さも感じました。
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上フタの内側。大きい凹みが給湯口
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くちばしのようにとがった給湯口
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オフィスでのティータイムにもおすすめ
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給湯口のこのデザインは、お湯を細く注ぐのも簡単です
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お湯の量をコントロールしやすくて使いやすい
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ケトルに触れて指がやけどしないように、ハンドルの逆側のケトル側面もプラスチックで保護
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紅茶やコーヒーなど、やはり入れ立てを飲みたいもの。食卓でお湯を注げるとおいしくいただけます
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容量は最大1Lとたっぷり。2人で使うなら最少の500ccでも十分です
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沸かせる水の容量は500cc~1Lまで。消費電力は1,200Wと十分パワフルですが、“1杯分をXX秒で”というような使い方はできません。最少で500ccからで、マグカップで言えば2杯分ぐらいから。最大の1Lあれば3~4人で朝の食卓で使うにも十分足ります。
また、保温機能はありませんので、冷めたらもういちど電源を「ON」にして沸かしなおします。外から水量を確認するような機構がないので、水が残っているときはフタをあけて量を確認する作業が必要です。もしカラなのに電源を「ON」にしてしまっても、空焚き防止機能付きなので自動的に電源が切れて安心です。
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本体底面。水濡れは厳禁なのでまるごとの水洗いはできません
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電源ランプのデザインも台座と一体感があります
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台座から外したところ
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これだけでも十分サマになります
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シンプルな形は水差しのようです
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電源スイッチを上に上げて沸騰開始
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沸騰中は電源スイッチはこの「ON」の位置
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沸騰が終わると自動的にこの「OFF」の位置に下がります
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ある程度蒸気が出てきますが、モクモク立ち上るほどではありません
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● シンプルで飽きのこない、ジワジワと良さが伝わる製品
使っていてちょっと気になったのは、内側にある水量の目盛り。この目盛りがちょっと薄いように感じたので、もっとはっきり見えるとなお使いやすいように感じました。
また、使ったのが日差しの強い夏だったこともあるのか、朝や昼間は通電ランプが点灯しているのかどうかよく見えないことがありました。もちろん夜使う分問題ありませんし、電源スイッチの状態や沸く音で実際に使用する分には問題ありませんが、ちょっとひかえめすぎるようにも感じました。
上部のフタには給湯口を覆うような機構がないのですが、カチッとしまる大きなフタ自体はしっかりロックされています。給湯口側に倒れた場合以外は実際にはそれほどこぼれませんが、念のためご注意を。また、ステンレス製のケトル部分も使用中かなり熱くなり、うっかり触るとやけどしそうになりますので注意が必要です。
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内側にある水量目盛り。もう少し目立つと使いやすい
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本体底面。水濡れは厳禁なのでまるごとの水洗いはできません
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朝や昼間は通電ランプが点灯しているのかどうかよく見えないことがありました
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デザイン自体かなり落ち着いていますし、小学生や幼稚園児のお子さんがいる家庭で使うというよりも、デザインの魅力をわかって使える大人向けといった印象。ひとり暮らしの方や夫婦が食卓で使う方が向いているのではないでしょうか。ほかの電気ポットと比べると、機能としては本当にシンプルなのですが、それで十分と割り切れる方にとっては、飽きのこない良さがジワジワ伝わってくる製品だなと感じました。
■URL
株式会社ドウシシャ
http://www.doshisha.co.jp/
MA(Modern design for All)
http://www.ma-designing.com/index.html
製品情報
http://www.ma-designing.com/ek/ek01.html
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http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/kettle.htm
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2008/07/25 00:01
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