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松下電器産業株式会社 松下ホームアプライアンス社 草津事業所
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松下電器産業は、7月から出荷を開始する家庭用燃料電池システムについて、生産工程を公開した。
家庭用燃料システムは、松下ホームアプライアンス社の中核拠点である滋賀県草津市の「エコアイディア工場 びわ湖」で、6月1日から量産を開始。2010年度には約5万台規模、2015年度には10万台規模の販売を目指すという。
松下電器では、1999年から燃料電池の開発をスタート。2002年からは社長プロジェクトとして、また、2003年からは全社プロジェクト「燃料電池事業化プロジェクト」としての取り組みを開始。松下ホームアプライアンス社、くらし環境開発センター、生産革新本部、半導体社、松下電工、松下テクニカルサービスが連動した開発体制としている。
2004年には第1号製品が、首相官邸に設置されたほか、2005年からは大規模実証実験を開始しており、実証実験における2005年度の設置台数は74台、2006年度の設置台数は88台。2007年度は123台が設置されている。
2008年度には、実証実験が新たなフェーズへと突入。2009年度からは補助金事業が開始されるのを見越して、2007年度までの本社R&D部門および大阪府守口市の生産拠点から、草津(エコアイディア工場びわ湖)へと移管するとともに、燃料電池生産のための新工場をエコアイディア工場びわ湖に設置した。
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松下電器が7月から出荷する燃料電池コージェネレーションシステム。右が燃料電池ユニット、左が貯湯ユニット
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1999年に開発した家庭用燃料電池の試作機および歴代の試作機
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2001年の試作機
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2003年の試作機
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2004年の試作機。デザインが大きく変わった
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家庭用燃料電池の新工場は、ガスから水素を生成する「燃料処理器」の組立・検査エリア、水素と酸素から電気と熱を発生させる「スタック」の組立・検査エリア、さらに、3階のシステム組立エリアで構成されている。
協力会社や部品メーカー、グループ会社などを通じて入庫した基幹部品は、入庫時点で検査を行なったのち、組立ラインに投入される。燃料処理器の組立ラインおよびスタックの組立ラインは、完全なクリーンルーム化されており、そのなかで、触媒やファン、断熱材などの組み付けが行なわれる。
組み立てられた燃料処理器およびスタックは、3階のシステム組立エリアに投入される。システム組立エリアでは、基本的には、ワンマンセル体制となっており、一人が一台の組立を担当する。間違いがない組立を実現するために、ITを活用した標準作業ナビゲーションシステムを導入しており、組立作業中の注意ポイントなどもここで明示している。
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システム組立エリアに設置されている作業訓練ルーム
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実際の工程でもこのようにワンマンセル工程となっている
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同社では、「人、インフラ、工程設計の3つの観点から安全性、信頼性を高めている」という。
組み立てられた燃料電池システムは、システム検査エリアに入れられ、約2日間の連続稼働での試験を行なう。一方、屋外耐久エリアにおいては、実際に屋外に設置して、風雨や寒暖、直射日光を受ける環境で、実際に動作させながら、耐久性を検証している。ここで得られたデータは、開発部門ににフィードバックされ、新たな製品設計に生かされることになるという。
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システム検査エリアの様子
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約2日間の連続稼働での試験を行っている
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屋外耐久エリア。実際に屋外に設置して、耐久性を検証している。データは開発にフィードバックされる
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同社では、補助金事業が終了し、自立市場となる2010年以降に、家庭用燃料電池の普及期を迎える予測しており、それに向けた量産体制の確立を目指す考えだ。
● HA社の基幹拠点となるエコアイディア工場 びわ湖
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約4万株の芝生の苗を植え付けたグランドや野球場は、こんな様子
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一方、生産拠点となる「エコアイディア工場 びわ湖」は、これまで草津工場と呼ばれていた拠点で、1969年の稼働以来、冷蔵庫およびエアコンの生産拠点として、松下電器の白物家電事業における主要拠点の1つとして発展してきた。6月5日に行なわれた松下ホームアプライアンス社の環境宣言にあわせて、名称を変更している。
2007年に発表されたホームアプライアンスグループの中期成長戦略の一環として、同拠点にヘッドクォーター機能を同拠点に集中。さらに、国内コンプレッサー事業の移管や、従来から同拠点に設置されていた冷気空調研究所に加え、ホームアプライアンスグループ技術本部、電化住設研究所、くらし研究所を集約することで、研究開発機能を集中。知財部門やデザイン部門も統合し、まさに松下ホームアプライアンス社の本社機能としての役割を担っている。
生産棟では、家庭用エアコンやカーエアコン、コンプレッサー、冷蔵庫、真空断熱材などの冷気デバイス、燃料電池、エコキュート、自販機のほか、使い終わった冷蔵庫などの樹脂を再度製品として利用するためのプラスチックリサイクルセンター、要素技術を開発する技術・品質棟がある。
グランドや野球場も隣接しており、ここは地域交流の場として、青少年スポーツ、フリーマーケット、サマーフェスティバルなどに利用される。5月27日には、松下電器の社員など1,200人が、グランドに約4万株の芝生の苗を植え付けた。ここには、草津市の橋川渉市長も参加。「今年8月のサマーフェスティバルでは、きれいな芝の上で開催できる」(松下ホームアプライアンス社の榎坂純二社長)という。
■URL
ナショナル(松下電器産業株式会社)
http://national.jp/
ニュースリリース
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn080605-2/jn080605-2.html
■ 関連記事
・ 松下電器、エコアイディア工場びわ湖で環境宣言(2008/06/06)
・ 松下、世界最高の環境性能を誇る家庭用燃料電池システム(2008/04/15)
2008/06/17 00:00
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