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やじうまミニレビュー
京セラ「セラミックお茶ミル CM-45GT」

~茶葉をパウダー状にする手動ミル
Reported by 安部 陽子

 抹茶には、ほろ苦くて甘い独特のクセになる風味がある。抹茶としてそのままいただくのもおいしいが、ケーキやアイスにいれるのもなかなかいける。家でシフォンケーキを焼くたびに、抹茶味にしたいな……と思うのだが、ケーキのためだけに抹茶の粉を用意するのは、なんだかもったいない気がしてしまう。

 そんな時に、お茶の葉を粉にするお茶専用のミルがあるのを知った。京セラ 「セラミックお茶ミル CM-45GT」だ。これを使えば、家庭にある普通の煎茶の葉を粉にして、抹茶のように使えるという。メーカー希望小売価格は、4,725円。Amazon.co.jpでの購入価格は、3,543円だった。


京セラ 「セラミックお茶ミル CM-45GT」。大きさは、58×139mm(直径×高さ)で、重さは230g
外箱
ハンドルは着脱式になっている

 まず、出てきた疑問が、煎茶の粉を挽けば抹茶になるのか? ということ。日本茶についての知識がなかったので、専門店で違いを聞いてみた。抹茶も煎茶も、同じお茶の葉からできているが、抹茶は、特別な蒸し方で蒸し、葉脈を取り除いて粉末にしている。そのため、煎茶の粉と抹茶は、見た目も味も似ているが別物なのだという。とりあえず、実際に試してみよう。


セラミック製の臼で、葉をきめ細かい粉にする

 「CM-45GT」は、お茶の葉をいれて、ハンドルをまわすと、葉が粉状になるという手動のミル。本体の内側にはセラミック製の臼がついている。セラミック製の臼は、耐磨耗性にも優れていて、葉を非常にきめ細かい粉末状にまで擦ることができるという。

 本体の大きさは、58×139mm(直径×高さ)で、重さは230g。ドレッシングの瓶くらいの大きさだ。部品は、本体、容器、フタ、ハンドル、底栓に、臼の部分になる、2つのセラミック製の臼、固定ピン、ストッパー、調節ツマミがある。


本体、容器、フタ、ハンドル、底栓と、臼の部分になる、2つのセラミック製の臼、固定ピン、ストッパー、調節ツマミからなる
臼のギザギザの面を合わせて重ね、固定ピンを臼の中心に差込む
ストッパーで固定する

 まず、臼になる部分から組み立てる。2つのセラミックの臼を、ギザギザの面を合わせて重ね、固定ピンを臼の中心に差込み、ストッパーで固定する。セットした臼を、本体の内側に装着し、調節ツマミで本体のシャフトに固定。あとは、本体の下に容器をはめ込み、中にお茶の葉を入れて、フタをとハンドルを取り付ければ、準備完了だ。


セットした臼を、本体の内側に装着
調節ツマミで、臼を本体のシャフトに固定
本体の下に容器をはめ込む

中に煎茶の葉を入れる
フタをし、ハンドルを付ければ準備完了
ハンドルを回して、葉を挽いていく

底栓を取れば、容器に粉を貯めずに、挽きながら粉を使うこともできる
 お茶の葉の挽き具合は、臼を固定するのに使った調節ツマミで調節する。ツマミを右に回して、2つの臼を固く締めると粉が細かくなり、左に回して、ゆるめると粉は粗くなる。使う時は、少し挽いて粉の粗さを目で確認し、その都度、ツマミを回して、好みの粗さに調節してく感じだ。

 容器は透明なので、溜まっていく粉の様子が見えやすい。また、容器はすり鉢状になっており、底に小さな穴がある。底栓がこの穴を塞いでいるので、底栓をはずすと、底の穴から、直接粉が出てくる。本体に耐熱性はなく、食器洗浄乾燥機器や、電子レンジでの使用はできない。


ハンドルは特に力を入れる必要なし。不揃いの葉もパウダー状の粉になる

 煎茶の葉を入れて、葉を挽いてみよう。

 葉を本体の上部から投入する。フタをして、ハンドルを付けたら、片手で本体を押さえ、もう片手でハンドルを回す。本体は、片手で握りしめられる大きさなので、しっかり固定できる。

 手動のミルというとかなり力が必要なのかと想像していたが、そんなことは全くない。調節ツマミを一番細かい設定にすると、ハンドルに抵抗が掛かってくるが、特別に力を入れて回す必要はなかった。約1秒でハンドルを1回転させるぐらいの早さで、テンポよくハンドルを回していける。


【動画】お茶の葉を挽く様子(WMV形式,278KB)
容器に溜まった粉
左が挽く前のお茶の葉、約5~30mmの不揃いな葉だ。右が挽いた粉。同じ大きさのきめ細かい粒になっている

 回す時間や回転数については説明書では特に指定されていないかった。自分で挽き具合を目で確認しながら作業をすすめるようだ。目で見ながらもうこのへんでいいかなと思ったら、回転をやめてフタを開けてみる。

 中にはきれいに挽きあがった粉が溜まっている。粉を取り出すと見た目にも、粒の粉の大きさは均一で、ムラがない。触ると、非常に細かく、片栗粉のような感触だ。投入した葉は、約5~30mmの不揃いな大きさだったが、これが同じ細かさの粉に揃えられており、石臼の精度の高さを感じる。

 ただ、ハンドル1回転につき、挽かれる粉の量が少量なので、たくさんの量を挽くには多少、時間はかかる。

 正確な回転回数と、時間を数えてみたところ、一定の量を挽くためにかかる時間と、ハンドルを回転させる回数は、調節ツマミの締め方と、使うお茶の葉で異なる。湯飲み茶碗に1杯分のお茶を飲むのに必要な、ティースプーン1杯分(=約1g)の粉の量でみていく。

 お茶の葉の大きさが不揃いなものの場合、調節ツマミを固く締めて、一番、細かく挽くと、1gを挽くために、約3分間かかり、120回転させる必要がある。調節ツマミを半回転、緩めると、1gを挽くためには、約1分間かかり、ハンドルは70回転でよい。当たり前だが、粗くするほど、時間も回転数も少なくなる。この2種類の粉の違いは、見た目にはわからないが、お湯を注いで飲むと、違いを感じる。

 また、葉が10mm以下に揃っているお茶の葉にすると、調節ツマミを一番固く締めた場合、1gを挽くために、同じようにハンドルを120回転させるが、抵抗が少ないので約2分半でおわる。短いお茶の葉の方が時間を短縮できた。

 挽きあがった煎茶の粉と、市販の抹茶に同量のお湯を注ぎ入れ、飲み比べてみた。抹茶に比べると、煎茶を挽いた粉は苦みが少なく、渋めに入れたお茶のような味だ。


挽いた煎茶の粉を飲んでみる
粉にお湯を注ぎ入れる。抹茶もそうだが、底の方に粉が残るので、掻き混ぜた方がよい

濃く渋いお茶になった

 しかし、飲む時の口当たりはやはり抹茶の方がなめらかだ。煎茶の粉を溶いたものは、飲む時に、少しザラつきを感じる。ただし、これは、粉がお湯に溶けるスピードも関係あるのかもしれない。抹茶の場合は、お湯で溶くとすぐに粉が溶けるが、煎茶の粉は溶けるまでかなりかき混ぜる必要がある。実際、時間をかけてしっかりと攪拌すると、ザラつきも気にならなくなった。

 フードカッターで細かくした葉と、お茶ミルで挽いた粉を比べると、細かさが全く違う。フードカッターも時間をかけて刻めば、かなり細かくはできるのだが、粒の大きさを揃えることはできないのだ。

 次に、煎茶の粉をお菓子にかけて、食べてみる。

 アイスの上で底栓を外したまま、ハンドルを回すと、挽かれた粉が、上からふんわり落ちてくる。バニラアイスにかけると、ねらい通り抹茶アイスの味になった。甘いものと一緒に煎茶の粉を味わうと、苦味が強調されて、抹茶をかけたときと変わらない味が楽しめる。

 白玉にかけてみると、見た目もちょっと豪華で、味にアクセントがつけられる。これなら、ホットケーキやワッフル、生クリームにまぜたりして、いろんなアレンジが楽しめそうだ。もちろん、お菓子だけでなく、塩と煎茶の粉をまぜて、天ぷらの時につかう抹茶塩の代わりにするなど、料理に材料としても使える。


【動画】底栓を外し、粉を挽きながらアイスを食べる(WMV形式,375KB)
甘いものと一緒にたべると、苦さが強調された
いろんなものに粉をかけてアレンジできる。皿に粉をかけて、字を書いたりもできる

 最後に、抹茶風味のシフォンケーキを焼いてみた。

 小麦粉、砂糖、卵、牛乳に、煎茶の粉を入れ、シフォンケーキの型に流し込んで、焼く。できあがりを見ると、スポンジ部分が、期待していたほど緑色ではなく、茶色っぽい緑色になった。お茶の専門店で聞いてみると、煎茶を挽いた粉では、高温で焼く時に、色が変わってしまうらしい。きれいにお茶の色を出したいなら、やはり抹茶の方が向くようだ。とはいえ、味ではしっかりお茶の味を楽しめる。自宅に常備してあるお茶で気軽にお菓子にアレンジを加えられるのは嬉しい。


抹茶風味のシフォンケーキを焼く。小麦粉、砂糖、卵、牛乳に、煎茶の粉を加える
型に流し込み、オーブンで焼く
できあがったシフォンケーキ。抹茶の粉とちがい、スポンジが緑色にはならないが、味は、抹茶味だ

 気をつけたいのは、臼を斜めに固定してしまうことがあること。斜めのままだと、葉が粉状にならず、そのまま落ちてきてしまう。私の場合、擦り始めてから、ちゃんと組み立てられていないことに気付くことが多かった。組み立てる時に、調節ツマミを取り付けた時、シャフトの先がツマミよりも出ていることをきちんと確認することを忘れないようにしたい。つまみよりもシャフトが奥にあるのは、臼が斜めに固定されているということだ

 お手入れは、食器用洗剤で、全部の部品が丸洗いできる。分解できるので、細かくなったお茶の葉を、簡単に取り除けるのはうれしい。だが、臼の表面にあるギザギザの部分には、葉の緑色が付着してしまい、落ちなかった。


正しく臼が装着されている状態
臼が斜めにはいってしまっている。これでは、挽けない
挽いた後の様子。臼のギザギザについた緑色は、洗ってもきれいに落ちなかった

煎茶の粉が、常備している調味料の1つになる

 お茶の葉は、葉をそのまま食べた方が、カテキン・ビタミン・ミネラルなどの成分を摂取することができて、体にいいそうだ。健康のために、煎茶の葉をまるごと粉にして、お茶して飲みたいという時には、とても便利だろう。たくさんの量を粉にするためには、多少時間はかかるが、調味料として数グラム使いたい時や、お茶にして飲む時に、ティースプーン1杯ぐらいの量が欲しい時に、すぐに挽けて、それほど手間を感じない。

 挽き方が調節できるので、好みの粗さにし、お茶の葉を料理の材料にすることもできる。アレンジが色々効くので、特別お茶が好きでなくても楽しめそうな製品だ。健康に気を使っている人にもおすすめしたい。





URL
  京セラ株式会社
  http://www.kyocera.co.jp/
  製品情報
  http://www.kyocera.co.jp/prdct/fc_consumer/kitchen/more/tea_mill.html

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2008/04/24 00:08

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