冬は、靴下やストッキングを履くから、素足を見せなくてすむ。そう思って、足の裏ケアをすっかり忘れていたのだが、寒さや乾燥は角質が厚くなる原因の1つ。試しにかかとを触ってみると、思った以上にゴソゴソっという厚い角質の感触になっている。
そんな折、店頭で、「スクラッチ」という製品を使って、足の角質がポロポロ取れるデモンストレーションの映像を見た。本当にこんな風に取れるのか気になって、素数株式会社の「スクラッチ」をさっそく購入してみた。メーカー希望小売価格は2,940円。Amazon.co.jpで同額で購入した。
角質に関する他の美容器具、たとえば、金属のやすりや、電動の角質取りと比べると、ストレッチは筒型のただの棒。これで、角質を取ろうという発想は意表をつく。デモンストレーションの映像を見ながら、ほんとに角質が取れるかのという疑問と同時にその形状を不思議に思う。
スクラッチは、もともと彫刻の湾曲した部分をきれいにする道具だったらしい。これを使っていた彫刻家が、これを使うと足などの角質がきれいに取れることに気づき、足の専門家と研究開発をすすめる。そして、この彫刻家の妻が勤めていた、アメリカのマイアミにある高級サロンで角質除去のために使用していたところ、話題になったというのだ。
なるほど、この形状は、彫刻刀からきているとわかり、納得できた。ちなみに開発にはちゃんと医師が携わっているということだ。
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パッケージ
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全体の長さは9cm、筒型の本体と中芯からなる
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付属の収納ケースの中にいれた様子
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● 足をぬるま湯に浸して、皮膚を十分やわらかくしてから使う
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本体はステンレス製で、軽量になっている
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本体はステンレス製で、長さ750mm、直径4mmの筒状をしている。その中芯に、黒い押し出し棒がはいっているというシンプルな作り。購入時には、スクラッチを収納する容器が付属している。
筒状の本体の両端は、少し内側に丸まっている。この部分は刃で、実際に角質を削り取るためのものだ。刃は内側と外側から特殊加工され、角質だけひっかかり、健康な皮膚を傷つけないようになっている。触っただけで手が切れるような鋭いものではないが、触ると皮膚の凹凸がひっかかるような感じがあった。
黒い中芯は、筒の中にたまった角質を押し出すために使う。施術する時は、本体の筒に、この中芯を入れて使う。手でしっかり握るのは外側の筒だけなので、削り取られた角質は中芯を押し上げ、筒の内側に入っていくという仕組みなのだ。
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筒状の本体。中は空洞だ。ここに中芯をセットして使用する
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本体の両端に刃がある。この先で角質を軽くこすり、削り取る
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刃は特殊加工され、健康な皮膚を傷つけないようになっている
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本体の先を、角質に対して90度の角度にあて、軽くこする
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使い方は、まず足など角質削りをしたい体の部分をぬるま湯に浸け、固い角質の皮膚をふやけさせて、完全にやわらかくする。タオルなどで拭いて水気を取ったら、施術したい角質に対して、本体の先を90度の角度であてて握る。そして、本体を一定方向に軽く滑らせ、筒の先で角質をこすり取っていくのだ。
施術の途中、取れた角質が筒の内側にたまったら、中芯で押して捨てる。使用できるのは、足や手にある固い角質だ。 タコ・ウオノメの治療には使えない。
施術する時は、本体を斜めに持って角質に鋭角に当てたり、角質の上で本体をグルグル回転させたりするのはいけない。角質に対して本体を90度の直角にあて、一定方向にこするというのをきちんと守りたい。
● 分厚くて硬い角質を、安全に、しっかり削り取る
本体は軽くてとても持ちやすい。単純な器具なので、手で押した力がそのまま直接、足に伝わる。
では、さっそく使ってみよう。まずは足のかかとから始めた。
お風呂で十分、足をふやけさせ、かかとの角質をやわらかくする。本体を短く鉛筆のように持ち、直角にかかとへ押しつける。金属の刃を体にあてるので、少し身構えてしまうのだが、やってみると、まったく痛くない。試しにグっと力を入れて、本体の先で、かかとを5mmほどへこませてみても痛みを感じることはなかった。
一定方向に動かし、筒の先でかかと軽くこすってみる。数回擦ってみると、角質の表面が薄くめくれ、かかとに白い線が描かれたようになった。これは、定規で腕などをひっかいてみると、皮膚に白く線が残るような状態に似ている。これを繰り返して、角質を本体の先で何度もこすって削るという要領で続ける。
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かかとの角質を取る様子。一定方向に筒の先を動かしてこする
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足の裏のシワにある、固くなった部分の角質を取る
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手のひらや指の角質も取れる。なおタコ・ウオノメの治療には使えない
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本体を角質に鋭角に当てるのは、間違った使用方法
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かかと半分まで施術できたところで、中芯を押し込んでみた。すると筒の中に納まっていた角質が押し出される。その量は、かなりのものだ。
きれいな話ではないが、私の足のかかとの角質は見てたまっているとわかる程ではなく、触るとガサガサして厚くなっている感じがわかる程度だった。ところが、中芯で筒から押し出した角質は、固まりになってボロっと出てくるので、「こんなに?」 と驚きを感じるくらいだ。
削り取られた角質は、周りにも落ちるので、なにか下に敷いてから、使い始めた方がいいだろう。実際使ってみたところ、足の裏の角質を全体的に削るというより、一部分の硬くて厚い角質を重点的に削り取る使い方に、向いているようだ。
他の角質削りのように、目の細かいヤスリのようなもので皮膚をちょっとずつ平らにしていくというやり方ではなく、棒の先の刃でひっかくというものなので、皮膚がよくふやけている場合だと、グっと深く入り、厚い角質が取れることもある。それでも、まったく痛みはかんじないのだが、跡が深くへこんだり、ひっかき傷のようになることもある。これは、保湿クリームやジェルで丁寧にケアすれば元通りになる。でも、ちゃんとケアしないと、皮膚はひっかかれたままガサガサの状態が続いてしまう。特に広い範囲で使う時には、施術後の保湿ケアは必須だ。また、幅の狭い棒で少しずつ施術するので、足裏全体の施術には向かない。
特に威力を発揮するのは、硬い角質が積み重なって盛り上がり、白くなってしまったような頑固な箇所。こういう角質の固まりをまわりの皮膚と同じように平らにして、やわらかい皮膚を取り戻すには、角質をごっそり削り取らないことには難しい。
そこで、小指の付け根の白く、硬くなった角質に使ってみると、ものの1分ほどでみるみる取れた。角質を除去したあとの感触はやわらかく、見た目も角質がない皮膚と変わらない。
コツとしては、足を十分にお湯に浸け、角質を柔らかくしておくこと。皮膚をやわらかい状態にしてから施術すると1度こすっただけでが角質がごっそりと取れる。逆に乾燥している状態で施術すると、削りとられた角質はパラパラとまわりにちらばり、ひどい時は、皮膚を傷つけてしまうことにもなりそう。十分をふやけさせておくことが安全に施術するポイントだ。
お手入れは簡単。本体も中芯部分も水で洗うことができる。煮沸消毒や、アルコール消毒も可能なので、水虫の感染が気になる人も安心して使い続けることができそうだ。
● 軽量なので扱いやすく、清潔に使い続けられる
軽量でスマートな器具なので、利点はとても多い。施術も簡単で、携帯も可能。また、水で洗えるのでいつも清潔な状態で使うことができる。1本買って置いておけば、長く使い続けられるだろう。
角質を取り終えた時、筒の中から押し出された、角質のかたまりを見ると、毎回こんなに……という驚きがある。局所的な硬く厚みのある角質を重点的にケアしたいという人には特におすすめしたい。
■URL
素数株式会社
http://sosuonline.jp/index.html
製品情報
http://www.sosu.jp/online/scratch_on/scratch.html#001
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http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/beauty.htm
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2008/02/07 00:06
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