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やじうまミニレビュー
自転車用LEDライト2製品を試す

Reported by 本誌:正藤 慶一

今回紹介する「HL-EL510」と「TL-LD130-F」の2製品と、以前のコラムで採りあげた「Windy Flasher II」を装着したマイ自転車。西友で8千円くらいで購入した、いわゆるママチャリだ
 冬休みのある日、自転車に乗って出かけようとしたら、右のハンドルに付いているはずのLEDライトが無いことに気づいた。ヒマな中高生あたりが盗んだのだろうか。左ハンドルの「Windy Flasher II」は無事だったが、前回のコラムで述べたとおり、これはメインライトとしては光量が不足している。というわけで、自転車用LEDライトが緊急に必要になった。

 さて何を買おうかと考えると、以前に付けていたライトは、ディスカウントストアで千円ちょっとで買った、あまり面白味のない普通の製品だった。せっかくなので、もっとパワフルで、もっと派手に光るライトを試してみたい。そこで選んだのが、強力な光が特徴のヘッドライト「HL-EL510」と、イルミネーションのように光るフラッシュライト「TL-LD130-F」の2製品だ。ともに、メーカーは自転車用ライトを数多く取り扱う「CAT EYE(株式会社キャットアイ)」で、自転車のフロントに設置して使用するタイプの製品だ。HL-EL510の定価は5,145円で、Amazon.co.jpでの販売価格は3,323円。TL-LD130-Fの価格はオープンプライスで、Amazon.co.jpは951円だった。


光のパワーと照射範囲の広さが魅力のヘッドライト「HL-EL510」

HL-EL510
 まずはHL-EL510だ。本体サイズは101×44×46mm(幅×奥行き×高さ)で、以前付けていたLEDライトよりも一回り太く、なかなか逞しい印象を受ける。それもそのはず、本体内には単三乾電池が4本も入るスペースがある。光源には1W相当の超高輝度LEDを採用しており、これを支えるだけの電力が必要なのだろう。

 点灯モードには、光の強い「Hiモード」と弱い「Lowモード」の2通りがあり、連続点灯時間はそれぞれ約60時間、約120時間。切り替えはライトの後ろ側のスイッチで切り替え、Hi→Low→ライトOFF→Hi→の順に切り替わる。

 自転車への設置には、付属のブラケットをハンドルの支柱にはめ、ネジで固定し、そのうえでにLEDライト本体を挿し入れて完了する。付属のゴムパッドをブラケットにかませれば、太さの調節も可能。ネジは大きな取っ手が付いているため、ドライバーなしでも締められる。


パッケージ内容。左から、ヘッドライト、自転車に取り付けるブラケット、電源となる単三乾電池4本 単三乾電池が4本も入るだけあって、本体はかなり太い ライトを横から見たところ。横方向にスリットが3列並んで空けられているが、ここからLEDの光が漏れることで、側面からの視認性を高める狙いがある

付属のブラケットをハンドルの支柱に取り付ける。太さはゴムパッドで調整する 取っ手をひねるだけで取り付けられるので、ドライバーは不要
取り付けたところ

 さっそく電池を入れ、暗闇でライトをつけると、かなり強力な白い光が放たれる。とてもLED1灯とは思えないほどパワフルだ。さらに、照射範囲も広い。これはHL-EL510ではライトの風防内に、照射範囲を広くするための凹凸が設けられているためだ。これなら夜道で不安を覚えることもないだろう。

 さて、実際に夜間に照らした状態で使用したので、以下の動画でその様子を確認していただきたい。


【動画】「Hiモード」で夜道を駆け抜けているようす。遠くでも光を確認できる(WMV形式,1.59MB) 【動画】道端の塀に「Hiモード」→「Lowモード」の順で照射してみた。ご覧のようにかなり明るい(WMV形式, 692KB) 【動画】こちらはディスカウントストアで千円で買ったライト。HL-EL510とは光の強さが明らかに違う(WMV形式,763KB)

 ところで、自転車用LEDライトを常用している人は、本製品に点滅モードが備わっていないことに不満を覚えるかもしれない。LEDのON/OFFを繰り返してチカチカと光らせることで、対向車や歩行者からの視認性の向上や省電力効果が狙えるため、常時点灯よりも点滅モードを使っている人は多いはず。しかし、本製品の光は充分に強いので、あえて点滅させる必要はなさそうにも感じる。どうしても点滅機能が欲しい人は、型番違いの「HL-EL520」では用意されているので、こちらを選択するか、この後紹介するようなフラッシュライトを併用すると良いだろう。なおHL-EL520では、照射範囲を広めるための加工は施されていない点には注意したい。

 3,000円という販売価格は、自転車用LEDライトとしてはやや高い部類に入るが、それを裏切らないだけの能力を備えている。メインライトとして相応しい製品といえるだろう。


強力な点滅と購入しやすい価格がうれしい「TL-LD130-F」

「TL-LD130F」のパッケージ
 次は、「TL-LD130-F」だ。自転車のフロント用ライトではあるが、CAT EYEのホームページでは「フラッシング・セーフティーライト」のカテゴリーとして取り扱われている。つまり、HL-EL510とは違い、点滅モードをメインに据えた製品ということになる。

 本体は36×77×24mm(幅×奥行き×高さ)の楕円形で、例えて言うなら小型のピルケースといったところだろうか。透明のケースの中には3個の白色LEDライトと、単四電池が2本入るスペースがある。電池の使用時間は、連続点灯で約75時間、点滅で約150時間とのことで、HL-EL510よりもやや長い。

 点灯モードは3種類あり、本体脇のボタンを押すごとに常時点灯→点滅→「ランダム点灯」→常時点灯……といった具合に切り替わり、長押しで電源OFFになる。ちなみに「ランダム点灯」は、3個のLEDがランダムに切り替わるのではなく、一定のリズムにしたがって1灯ずつ光が切り替わる。厳密にはランダムというわけではないが、逆にイルミネーションのように見えて、「派手」の一言に尽きる。なかなか期待できそうだ。

 取り付けには「Flex Tight(フレックス・タイト)」というブラケットを使用する。これはプラスチックのバンドを自転車に巻き、ツマミを回してバンドを締めるだけで簡単に設置できるというもの。ネジも使わず、また太さの調節のゴムパッドも使う必要もないので、HL-EL510よりも素早く取り付けることができた。これに、ライト本体を縦または横向きに差し込んで、セットが完了する。


パッケージ内容は、上段右から、ライトをバッグなどに取り付けるためのクリップ、Flex Tightブラケット、ブラケットと自転車の支柱との間に挟むゴム板。下段右から、電源の単四乾電池2本、TL-LD130本体 電池は透明のカバーを外して入れる 【動画】ライトを点灯を切り替えているところ。スイッチを押すたびに「常時点灯→点滅→ランダム点灯」の順に変わり、長押しで消灯する(WMV形式, 2.82MB)

「Flex Tightブラケット」という器具を使って自転車に取り付ける。ネジを使わないうえ、太さ調整用のゴムパッドを省けるという特徴がある 取り付けたところ。既にHL-EL510とWindy Flasher IIがあるので、何も設置されていない支柱の曲がった部分にセットした

 さて、夜道で点灯させてみると、想像していたよりも明るくてびっくりした。常時点灯・点滅モードともにかなりの明るさで、10mほど離れた標識も照らすことができた。これならかなりの視認性がありそうだ。ところが、期待していたランダムモードは、LEDが1個ずつしか点灯しないため、あまり光に迫力が感じられない。基本的にはアクセサリーのような機能として考えた方が良さそうだ。

 気になる点としては、HL-EL510のような強い光でスポット照射ができないところだ。ともに自転車の前方に設置するタイプの製品ではあるが、ヘッドライトとフラッシュライトというジャンルの違いがあるため、比べて差があるのは当前だろう。そのため、街灯のない夜道の路面を照らすのには向かないが、逆に考えれば、街灯の整った都市部なら、路面がある程度は照らされているため、これ1つあれば用は足りてしまうかもしれない。


【動画】TL-LD130Fを点灯させ夜道を駆け抜けているようす。[常時点灯]/[点滅]/[ランダム]。HL-EL510並みの高い視認性があるのがわかる 【動画】数メートル先の標識にも光が届く(WMV形式,294KB) 【動画】HL-EL510と同様、道端の塀に光を放ってみたが、あまり届いていないようだ(WMV形式, 1.27MB)

 ちなみに、TL-LD130-Fにはクリップが付いており、ポケットやバッグに取り付けることも可能。登山やキャンプはもちろん、夜道の散歩の際に着用しても良いだろう。

 コンパクトな本体からは想像もできないほど強いフラッシュを発してくれるので、満足のいく製品だ。しかも、千円ちょっとという入手しやすい価格と、単四電池2本でHL-EL510よりも電池の寿命が長いことを考えれば、かなりお買い得な商品といえるだろう。特に都市部に在住の人には、自信を持って勧めたいい商品だ。


LEDライトで安全なサイクリングを

【動画】HL-EL510とTL-LD130F、そしてWindy Flasher IIを搭載した状態で夜道を走っているところ(WMV形式, 1.81MB)
 最後に、2製品ともに共通する注意点を挙げる。ライト本体は完全防水ではないので、雨降りでの使用後は、水分をしっかりとよく切る必要がある。また、ライトはブラケットからの取り外しが可能なので、盗難の危険性もある。万全を期す人は、駐輪中は取り外しておくと良いだろう。

 ところで、今回紹介した2製品を併せて使えば、「点滅がない(HL-EL510)」「照射力が弱い(TL-LD130-F)」という両者の能力を補い合う、贅沢なサイクリング環境を生み出すことができる。運転する視野が広くなることで、自身の安全を高めるのはもちろんだが、視認性が高まるため、自動車のドライバーや歩行者に対しても安全を提供することにもつながるのだ。交通安全のために、この2製品はきっと役立ってくれることだろう。





URL
  CAT EYE (株式会社キャットアイ)
  http://www.cateye.co.jp/
  EL510 製品情報
  http://www.cateye.co.jp/hlhtml/el510.html
  TL-LD130 製品情報
  http://www.cateye.co.jp/tlhtml/ld130.html

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2008/01/16 00:01

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