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サーモス「真空断熱パスタクッカー KJA-2000 WH」
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以前、電子レンジでパスタを茹でる「レンジでつくるスパゲッティ」をご紹介した。今回も、簡単にパスタが作れるアイテムをご紹介したい。
サーモスの「真空断熱パスタクッカー KJA-2000 WH」は、熱湯の保温力を利用して、パスタを茹でるものだ。サーモスは、魔法瓶で有名なメーカーである。メーカー希望小売価6,300円(税込)のところ、楽天市場で4,000円(送料別)で購入した。
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外箱
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大きさは、15×16.5×33.5cm(幅×奥行×高さ)で、パスタよりも少し長い
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本体と、フタ、ホルダー、パスタガイド
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● 保温力だけでパスタを茹でる
「KJA-2000 WH」は、本体に熱湯とパスタを入れると、魔法瓶のような高い保温力でお湯の温度を保ち、パスタを茹であげるというものだ。沸騰したお湯だけ用意すれば電子レンジもガスコンロも使わずにパスタを茹でることができる。
全体の大きさは、15×16.5×33.5cm(幅×奥行×高さ)で、パスタの長さより、数センチほど長い。筒状の本体の他に、フタと、ホルダー、パスタガイドの部品が付属する。
茹でることができるパスタの太さは0.9mm~1.9mmだ。マカロニやペンネなどの変形パスタや、断面が丸くないリングイネやフィットチーネなどのパスタには使えない。1回に茹でられる量は200g(約2人分)で、調理時間は、通常の茹で時間に、3分を足した時間が目安になっている。
パスタの太さが1.6mm~1.9mmの場合は、茹でる時にパスタガイドとホルダーを使う。パスタガイドに3mmほどの穴が無数に開いており、この穴にパスタを1本ずつ入れて茹でるのだ。こうすることで、茹でている間にパスタ同士がくっつかない。1.6mm以下のパスタの場合は、パスタガイドの穴の中にパスタが2本入ってしまうので、パスタガイドとホルダーは使わず、そのまま本体にパスタを入れる。
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本体の内側にお湯を入れる水位線がある。ここまで入れると2Lだ
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本体にホルダーとパスタガイドをセットして使う
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本体の胴体部分につくリ方が書いてある
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使い方は、まず本体に塩を10g入れ、沸騰したお湯を本体の水位線まで注ぐ。次に、パスタガイドとホルダーを本体にセットし、パスタガイドの穴にパスタを1本ずつ入れる。この時、束にしたパスタをフォルダーに垂直に立てた状態で、少しずつ手を開くとパスタが穴に入りやすい。あとはフタをして、待つだけだ。
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使い方は、まず本体に10gの塩を入れる
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沸かしたお湯を入れる
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パスタガイドとフォルダーをセットし、立てるようにして上からパスタを入れる
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茹で上がったら、本体を傾けて中身をザルにあけてパスタを取り出す。真空断熱層があるので、胴体部分を持っても熱くない
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パスタは茹で上がると、お湯の中で立っていた状態からやわらかくなって、本体の底の方に移動する。これは、お湯だけ捨てた状態
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パスタの太さが1.6mm以下のパスタ、たとえば0.9mmのカッペリーニなどは、本体の筒の中に、塩とお湯を入れたらパスタガイドもホルダーも使わずに、そのままパスタを入れてフタをすればよい。どちらの茹で方でも、調理時間は、通常の茹で時間に3分ほどを足した時間だ。茹で上がったら、フタを開けて、中のパスタをザルにあける。
水位線まで満たすために、必要なお湯の量は、約2Lほどだ。この時のお湯の温度は、十分に沸騰した熱湯でなければならない。お湯を注ぐときは、こぼさないように注意が必要だが、本体の筒に真空断熱層があるので、熱湯を注いだあとに、本体の外側まで熱くなることはないので安心だ。
● パスタ同士がくっつくことなく、ムラのない茹であがり

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できあがり。茹でたパスタにゴルゴンゾーラとパルメザンをからめたパスタ
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さっそく使ってみた。まずは、日常的によく食べる1.7mmの太さのパスタを茹でてみることにする。本体の筒に塩を10g入れ、熱湯を水位線まで入れ、次にパスタガイドを使って、立てた状態でパスタを入れる。あとはフタをし、通常の茹で時間プラス3分待つだけだ。
所定の時間が経過したので、味見してみると、まだ少し固いようだ。そこで、もう2分ほど待つことにした。すると中心にごく細い芯が残るアルデンテの状態になっていた。本体を傾けて中身をザルにあけ、パスタを取り出す。パスタソースに絡めれば完成だ。
できあがりは、パスタ同士がくっつくこともなく、茹で具合も、ムラがない。お湯を捨てる時も本体の胴体を持って傾けられるので、安心して作業することができた。
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1.3mmの細いパスタは、バスタガイドとフォルダーを使わず、そのまま本体にいれる
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パスタがくっつくことなく、できあがっている
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次に、細さ0.9mmのカッペリーニを茹でる。1.5mm以下なので、パスタガイドは使用できない。本体の中に塩とお湯を入れ、そのままパスタを入れて茹でる。最初の教訓を生かし、今回は所定のゆで時間プラス4分待った。すると今度は、ちょうど良い固さで、完成した。
今回はパスタガイドを使わずに茹でたので、麺同士が固まっていたり、くっついてしまうのかと不安だったが、完成したパスタはくっつくことなく、きれいに茹で上がった。

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時間はかかるが、太めのパスタもコシがあるアルデンテの状態にできあがった
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今度は、今までより太めで、ちょっと平たいリングイネを茹でる。リングイネの中でもパスタガイドの穴に入る大きさの「KJA-2000 WH」を使って茹でることができるものを選んだ。今回のパスタは太さがあるので、通常の茹で時間プラス8分置いておくことにした。少し、茹で過ぎかもしれないと思ったが、取り出したリングイネはアルデンテの状態だった。時間はかかるが、太めのパスタも、ちゃんと茹でられる。
ただ、調理時間は、所定の長さよりももう少し時間がかかりそうだ。調理時間を調節して、好みの固さにすることになるが、保温力で茹で上がるのを待つというのは、これまで経験したことがなかったので、できあがり時間が想像しづらい。また、保温力だけで茹であげているためか、普通よりもやや固めの仕上がりになる。
● 早茹で用のパスタを茹でてみる

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今回使用した早茹で用のパスタ。スーパーなどで購入できる
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最後に、茹で上がりの早い早茹で用のパスタを使ってみた。待ち時間が長くなるという欠点を補おうという発想だ。
早茹で用のパスタとは、パスタに切り込みがあり、断面がV字型やN字型になっている。V字型の早茹で用パスタは茹で時間は3分ほどだ。N字型は電子レンジ調理専用のパスタで、お湯で茹でた場合、茹で時間が2分という短さである。
N字型は最近、発売されたもので、電子レンジで調理する場合、使用する容器は、以前、ご紹介したクレハの「レンジでつくるスパゲティ」か、エビスの「レンジでパスタ」(エビスは、「レンジでそうめん」の方を紹介)を推奨している。電子レンジで水から茹でると茹で時間は5分になっている。
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断片がV字型の早茹で用パスタ。太さが1.5mmなので、パスタガイドトフォルダーも使える
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茹で上がり。中に芯はなく、たべやすいパスタになっている
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断片がN字型の電子レンジ用パスタ。火にかけて茹でると2分、電子レンジでは5分かかる
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早茹で用のパスタで試したところ、V字型の早茹でパスタは、通常の茹で時間にちょうど3分を足した時間で、完成した。また、N字型の電子レンジ用パスタの場合は、通常の茹で時間に2分を足した時間で、できた。
食べてみると、中に芯はないけれど、ちゃんど歯ごたえは残っている状態だ。粉っぽさや、ぬめりもないので食べやすい。
時間の短縮を考えると、早茹でタイプのパスタの方が時間を調節する必要もなく、調理しやすい。
「KJA-2000 WH」を洗う時は、本体の筒の口が広いので、中に手とスポンジを入れて洗うことができる。
● 電気ポットがあれば、電子レンジもコンロもいらない
「KJA-2000 WH」は、沸騰した熱湯さえあればよいのだが、ネックになるのは、2Lというお湯の量だ。小型の電気ケトルでは容量が足りないので、コンロがない場合は、大きめの電気ポットが必要になるだろう。
調理時間でいうと、1.7mmのパスタの場合、今回は約25分ほどかかり、調理時間の短縮にはならない。電気ポットなどに沸いているお湯が常備してあれば、調理時間は約15分になるので、コンロで鍋を使い茹でた場合とほぼ同じぐらいになる。ただ、コンロを使わないで調理することができるので、一人暮らし用キッチンなどでコンロが1口しかない場所では、便利だ。待っている間にコンロを使って、パスタソースを作ることができるのだ。
パスタを好みの固さぴったりするためには、何度か経験が必要だが、熱湯さえあれば、どんな時でもパスタが作れるというのは便利だ。家庭だけではなく、アウトドアの調理器具としても使えそうである。
■URL
サーモス株式会社
http://www.thermos.jp/
製品情報
http://www.thermos.jp/product/kitchenware/kitchenware_cate02/kja2000.html
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2007/10/10 00:00
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