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京セラ「セラミックロールシャープナー RS-20N」

~回転するセラミック砥石で包丁が蘇る
Reported by 田中 真一郎

セラミックロールシャープナー RS-20N
 刃物研ぎは、刃物研ぎという商売が成立するほどの特殊技能だ。刃物研ぎが趣味、という人が稀にいるが、そういう人たちは求道者の雰囲気を漂わせていて、こういう人でないと刃物研ぎはできない、俺にはできん、という気持ちになる。

 近所に刃物研ぎが好きな人もいなければ、研ぎ屋もない。いきおい我が家の包丁はなまる一方。料理もおおざっぱになった。包丁がなまっていると、フランスパンが潰れ、サクで買ってきた刺身がタタキに、完熟トマトがトマトジュースになる。

 誰にでも包丁を研げるように、というソリューションはいくつかあって、高価なものでは有名ブランドの電動研ぎ器、安価なものでは刃を形成できる形に砥石を置き、その間に刃物を通すことで研ぐことができる簡易研ぎ器がある。

 後者は100円ショップでも手に入るので試してみたが、研いだ直後は切れ味の回復が感じられるものの、すぐになまる。使うたびに研いでいると包丁がチビていくのも早くなるし、そもそも職人さんに研いでもらった時に比べると圧倒的に切れない。やはり刃物研ぎは、限られたスペシャリストだけのものなのだろうか。

 京セラの「セラミックロールシャープナー RS-20N」は、一見、100円ショップのものと同じ、ごく単純な研ぎ道具のように見える。だが研いでみると、100円の簡易研ぎ器とは明らかに切れ味が違うし、切れ味の持ちもいい。操作も同じ、本体の溝に包丁を入れ、前後に動かすだけだ。メーカー希望小売価格は2,100円で、Amazon.co.jpでは2,079円だった。


使い方。グリップを握って、透明カバーの溝に刃を挿して前後させるだけ 透明カバーを開けたところ。この円盤状の2枚のセラミック製砥石で包丁を研ぐ

 その理由のひとつには、京セラお得意のファインセラミックを砥石部分に採用していることが挙げられるだろう。京セラの刃物というと、刃物自体をセラミックで作って研ぎを不要としたものが思い浮かぶが、金属製の刃物を研ぐためのセラミック製品もいくつか用意されている。ロールシャープナーはその中でももっともお手軽に使えるものだ。ファインセラミックの硬度はダイヤモンドに次ぐそうで、耐久性が高く、メンテナンスもときどき水洗いすればOKとなっている。

 もうひとつ、この製品が高性能な理由は、製品名の「ロールシャープナー」にある。ほかの簡易研ぎ器は、板状の2枚の砥石が固定されたその間に刃を通すのに対し、この製品は円盤状の2枚の砥石がロール(回転)する、その間に包丁を通すようになっている。

 砥石がロールしてなにがいいことがあるのかというと、まず、研磨の方向が刃に垂直に近くなり、通常の砥石で研いだ時と同じようになる。砥石が動かないタイプだと、刃に平行に研ぐことになる。ここからは推測になってしまうが、研磨すればどうしても刃に傷がつくわけで、その方向が垂直、つまり包丁で何かを切るときに刃が動く方向に揃っていたほうが、切れ味がよくなるということだろう。板を水の流れに挿すときに、板の面が水の流れと平行になっていれば、もっとも抵抗が少なくなるのと同じようなことが、刃と切断されるものの間に働いているのだ。


真上から砥石部を見る。表面には、荒砥ぎ用の荒い部分と、仕上げ研ぎ用の滑らかな部分があるのが見える 説明書の記述。研ぎ傷が刃に垂直に近い形でつく

 実際にこれで我が家のなまりきった包丁を研いでみた。台の上にセラミックロールシャープナーを置き、グリップを握って固定し、溝に包丁を挿して、前後にゴリゴリと動かすだけ。実に簡単である。注意点があるとしたら、前後に動かすときに、勢いあまって刃が前方または後方にはずれて、セラミックロールシャープナーを置いた台に包丁の刃がガツンとぶつかってしまう場合があること。硬い台に刃がぶつかれば刃こぼれは避けられないだろうから、木のまな板のような柔らかいものの上で研ぐか、包丁を台にぶつけないように気をつけるしかない。

 説明書では10回ほど往復させるべし、となっているが、なまりきった我が家の包丁を完全復活させるには20回程度往復させる必要があった。

 そう、「完全復活」なのである。これは大げさな表現ではない。完熟トマトもフランスパンも、包丁を前後に軽く動かすだけでするすると切れていく。千切りや薄切りは、以前よりももっと細く、薄く切れるようになった。持ちもいい。2週間にいっぺん、10回ほどロールシャープナーで研げば、感動的な切れ味が維持される。

 切れ味がよくなったおかげで指先までよく切れるようになってしまい、ケガが増えたという副作用もあるが、これは調理者の不器用さゆえで、ロールシャープナーに罪はない。料理をする人ならぜひ持っていたい製品だ。


セラミックロールシャープナーで研いだ包丁。刃の部分に垂直な研ぎ跡がついているのが見える 完熟トマトもすっきり切れた




URL
  京セラ株式会社
  http://www.kyocera.co.jp/
  シャープナー 製品情報
  http://www.kyocera.co.jp/prdct/fc_consumer/kitchen/g_syapuna.html

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2007/09/14 00:01

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