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家電製品ミニレビュー
下村工業「ネオ トギスター」

~“入れて引く”だけで包丁/ハサミの切れ味を取り戻す
Reported by 本誌:正藤 慶一

下村工業「ネオ トギスター」
 我が家の包丁の切れ味が悪い。肉のスジばったところや、キャベツの芯の辺りなどは、力を入れないとなかなか切れない。もともと高価な製品ではないが、それでも購入当初はもうちょっと切れ味があったはずだ。

 また新しい包丁をどっかで買おうか、と思ったのだが、そうするとこの包丁を捨てなければいけない。包丁の捨て方は各自治体によって異なるが、今、住んでいる世田谷区では、段ボールか新聞紙で刃先をくるんで、不燃ごみとして捨てるとのこと。怠け者の私は、そのくるむ手間ですら面倒に感じてしまう。しかもこの包丁、実家を出て一人暮らしを始めてからずっと使っているので、愛着もある。

 なので、ここは包丁を研いで、失なった切れ味を取り戻してみることにしよう。「包丁研ぎ」をキーワードにAmazon.co.jpで検索してみると、かなりの種類の製品がヒットした。板状の砥石で磨く、昔ながらの“和風”タイプや、砥石が含まれたスリットに包丁を差し入れて磨く“欧米”タイプ、はたまたナイフ状の砥石を包丁に当てて研ぐ“ヤスリ”タイプ……などなど。価格も1,000円未満の安価なものから、5万円を超える高級品まであり、このジャンルの奥深さに驚いた。

 そんな中、「電動包丁研ぎ器 トギスター」という商品に惹かれた。Amazon.co.jpでの販売価格は1,500円。その名の通り、電動で刃を研いでくれるという製品で、包丁だけでなく、ハサミまでも研げるらしい。電動で刃を研ぐ製品は他にも2、3点あったが、さすがにこの製品ほど安いものはなかった。また、この「トギスター」という一見安直な名前も、なぜか素朴で愛らしく感じてしまった。さっそく購入ボタンをクリックした。

 到着した本体は、予想していたよりも小型だった。本体サイズは70×210×90mm(幅×奥行き×高さ)の横長で、本体正面より右半分に、包丁を投入するスリットがある。スリットは3カ所あり、両脇の2つが包丁用で、真ん中がハサミ用となっている。一方の左半分は、使用する際に手で本体を抑えるグリップ部となっている。この内部に、電源となる単二型乾電池4本がセットされる。コードレスなので、コンセントの場所をいちいち気にする必要はないのはうれしい。


本体投入口のアップ写真。包丁は両脇、ハサミは真ん中のスリットから入れる 包丁とハサミの投入口はアイコンで示されているため、間違うことはないだろう
電源は単二乾電池を4本使用する

 パッケージによると、メーカーは「下村工業株式会社」というところらしい。社名ロゴの下には「新潟県三条市……」と、会社の住所が書かれていた。三条と言えば、プロレスラー・故ジャイアント馬場氏の出身地としてだけでなく、包丁などの金物工業でも有名だ。なんだか期待できそうな気分がしてきた。


【動画】スリットの中にチラっと見える、白い円形の刃受けが回転し、包丁を研いていく(WMV形式、約646KB)
 本体正面の中央部には、ブルーの電源スイッチがある。ここを押すと、「ブーン」というモーター音が鳴り、スリットの中からチラっと見える、白色で円形の「刃受け」部分が回転する。これが砥石のように刃を削るのだ。運転音はそれほど大きくなく、隣家に響くほどではないが、その振動がテーブルにまで伝わってガタガタきてしまう。安定した場所に置いて使用するのが良さそうだ。

 包丁の研ぎ方は、この電源スイッチを押しながら、右のスリット部に刃を入れて、底面に包丁の腹を沿えながら、刃受けに当てて一定の速さで手前に引く。それが終わったら、今度は左側のスリットから刃を入れ、同様に研ぐ。これを4~5回繰り返せばOKだ。左右のスリットには、包丁の投入する面と方向がアイコンが描かれているので、間違えることはないだろう。なお、使用できる包丁はステンレス製で家庭用のものに限られ、出刃包丁やパン切りナイフなどには使えない。


【動画】「トギスター」で包丁を研いでいるところ。これを4~5回繰り返す(WMV形式、約2.7MB)
 では、我が家の包丁を研いでみよう。包丁を右側のスリットから入れ、刃受けに当てる。すると、小刻みな振動が包丁を持つ手に伝わってくる。動作音は「キュイーン」とか「キンキンキン」といった金属音がするのかと思っていたが、普通に動作させた時よりも音がほんの少し高くなる程度で、あまり変わらなかった。

 一連の動作は、3分程度で終わる。刃を入れて引くだけなので、操作はとにかくカンタン。刃先は見た目ではそれほど変わった様子でもないが、切れ味はどうだろうか。包丁で肉やキャベツ、にんじんなどを切ってみると、確かに切れ味は上がっている。調理時間も早くなった。切れないことでイライラするストレスも減ったことも加味すると、確かに研いだ効果はあった。

 今回は包丁研ぎが目的で買ったが、せっかくなのでハサミを研いでみた。操作は包丁と同様に、スリットに刃を手前側に引いて4~5回繰り返すだけで、とてもカンタン。ただし、研磨中に「キュイーン」という金属音がするので、騒音への配慮は包丁以上に気をつけたいところだ。もちろん、包丁同様に切れ味は増したように感じた。


使用後にキャベツを切ってみると、確かに切れ味がアップした 真ん中のスリット使ってハサミを研いでいるところ

 トギスターの良いところは、手動の研ぎ器とは違って、包丁を手でくりかえし前後させる必要がないところだ。手動の研ぎ器は、“和風”や“欧米”などのタイプに限らず、多くの製品で包丁を持って前後の出し入れを繰り返す、という手間がある。しかしトギスターでは、引く作業だけ。力もあまり入れる必要もない。研ぐというよりは、カードキーをカードリーダーにスルッと通しているような感じだ。

 気になる点としては、包丁の先端部分を研ぐ際に、根本部分よりも刃を支える力が弱いせいか、刃がブルブルッとふるえてしまうので、ポキッと折れてしまいそうで怖い。

 “包丁を研ぐ”というあまり馴染みがなくてとっつきにくいイメージが伴う行為を、購入しやすい価格とその操作の手軽さで取り払ってしまう点で、購入する価値のある製品といえるだろう。古くなった包丁も、研けばまた輝きを取り戻す――そんなちょっとした感動に気軽に触れられる一品である。





URL
  下村工業株式会社
  http://www.shimomura-kogyo.co.jp/



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2007/05/28 00:00

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