家電Watch logo
記事検索
バックナンバー
【 2009/03/30 】
やじうまミニレビュー
DO-SEE「LEDライト付きスタンドルーペ」
[00:01]
家電製品ミニレビュー
ツインバード「コンパクトフライヤー EP-4694」
[00:01]
【 2009/03/27 】
家電製品ミニレビュー
三菱「蒸気レスIH NJ-XS10J」
[00:02]
やじうまミニレビュー
L.L.Bean「ボート・アンド・トート・バッグ」
[00:01]
【 2009/03/26 】
やじうまミニレビュー
アイリスオーヤマ「サイバークリーン」
[00:01]
家電製品長期レビュー
三洋電機「eneloop bike」(4/4)
[00:00]
【 2009/03/25 】
やじうまミニレビュー
オーエフティー「自動給餌機 Newビストロ」
[00:01]
家電製品ミニレビュー
日立「クリエア7 EP-CV1000」
[00:00]
【 2009/03/24 】
やじうまミニレビュー
「家庭菜園 かいわれくん」
[00:02]
長期レビュー
シャープ「プラズマクラスターイオン発生器&加湿空気清浄機」 (4/4)
[00:01]
【 2009/03/23 】
やじうまミニレビュー
撥水ペーパーのメモ帳と“現場仕様”のボールペンを試す
[00:01]
長期レビュー
三洋電機「eneloop bike」 (3/4)
[00:00]

家電製品レビュー
シャープ「愛情ホット庫 SJ-HV42M-H」

~「どっちもドア」と「ホット庫」で楽しく使える冷蔵庫
Reported by 西村 敦子

新しい冷蔵庫は新生活の必須アイテム


SJ-HV42M-H
 引っ越しを機に、冷蔵庫を買い換えました。左右両方から開ける「どっちもドア」、冷蔵庫なのに温められる「愛情ホット庫」など、多くの機能を搭載したシャープの「SJ-HV42M-H」です。

 30年近く前、私の実家ではなぜか両開きの超大型冷蔵庫を購入しました。25年も現役で活躍し続けましたが、引っ越しの際に業者がクレーン作業をミスして2階から落とし、木っ端みじんになるという派手な最期を迎えました。

 その後、200Lぐらいのごくシンプルな冷蔵庫を使っていましたが、引っ越しを機にちゃんとした冷蔵庫が欲しくなったのです。さすがに25年は持たないにしても、長いつきあいになる冷蔵庫だけに、カタログを見たり、ショップを見て回ったりしてやっと決めたのがこの「SJ-HV42M-H」でした。購入理由は、本体上部が両開きの一枚扉で、デザインがすっきりとしており、下部は野菜室と冷凍室が同じ大きさで、容量に余裕がありそうなところ。そして「愛情ホット庫」というほかにない機能の可能性に惹かれたのが、これを選んだ理由です。Amazon.co.jpでは139,430円で購入できます。

 実は、この機種に決める以前に、「そもそもこんなに大きな冷蔵庫が必要なのか」とパートナーともめました。引っ越し前に使っていた小型冷蔵庫でも、なんとか生活はできていたので、わざわざ買い換える必要はありません。しかし、そのときは大きくて新しい冷蔵庫が、新しい生活へのスタートに必須のアイテムのような気がして、これだけは譲れなかったのです。

 さて、こうして購入した冷蔵庫は、搬入当日、冷蔵庫と家にキズをつけないようにと通り道に保護材を貼られ、細心の注意を払って慎重に運びこまれました。玄関から何度も折れてドアを抜けて運び込む必要があったので、配送の方はかなり苦労している様子。ドアの通過が思ったよりもギリギリで、もうちょっとでドアを外す必要があったほど。

 そういえば、冷蔵庫置き場に入るかどうかはさんざんチェックしたのですが、途中のドアを通るかどうかのチェックは忘れていました。機種選びで盛り上がってしまうと、このあたりのことは案外忘れがちなので、実際に購入するときは、ドアのサイズを測って、運び込めるかどうかをぜひご確認ください。


コの字型にスペースが用意された冷蔵庫置き場。右がリビングとの境目に作られた壁で、この壁にドアがぶつかるのではと悩み、左右両方に開ける「どっちもドア」搭載の機種に決めました 図面では普通に入ると思っていたら、ドア幅がギリギリ。よくばってこれ以上大きなサイズを選ばなくてよかったと思った瞬間でした 設置された冷蔵庫。右からも開けやすいように、少し余裕のあった横幅は左に寄せました。奥行きは60cmで、容量は416L

416Lの大容量は2人暮らしでも十分使いやすい

 さて、実際に設置されて使い始めてみると、最初の数日は「やっぱりちょっと大きすぎたかな」とも思ったのですが、一週間もすると「ちょうどいいサイズ」と感じるようになりました。このサイズを選んだのは、機能がフルに付いている機種だと、最低でもこのぐらいの容量からしかないのがその理由でしたが、実際使ってみると、416Lというのは2人暮らしでも決して大きすぎることはありません。

 実家で使っていた両開きの大型冷蔵庫は逆に大きすぎて、ときどき奥の方を捜索すると、入れた記憶のない食材が干からびていることが多く、大きすぎる冷蔵庫の弊害も感じていました。が、このぐらいなら全体も把握しやすくて、傷む前に処理できてちょうど使いやすいサイズ。「週1回のまとめ買いが基本の子どもを含めた4人家族」というようなファミリーには、もうちょっと大きなサイズの冷蔵庫が必要だと思いますが、「週1回の買い物で2人ぐらし」「週2、3回ぐらいの買い物のファミリー」には、十分なサイズです。

 また、デザインの面から言うと、うすいグレーの「和紙柄」は落ち着いた色合いで、一般的な壁紙の色に雰囲気も合っていて圧迫感がありません。購入時に「上部が一枚扉でスッキリしている点が気に入った」と書きましたが、実際に設置してみても印象は変わりませんでした。


冷蔵庫内のようす。調味料も全部冷蔵庫に入れてしまいました グレーがかった壁紙のような柄。ステンレス部分もマット処理がされているので落ち着いた雰囲気です 中央部に帯状にデザインされた部分が「愛情ホット庫」と製氷室。ホット庫まわりは操作ボタンが多い分、少し目立ちます

意外に安定、大容量の「どっちもドア」

 左右の両開きに対応する、本体上部の「どっちもドア」は、想像以上に軽い動作。どちらからも開く感じが最初はとても不思議でしたが、数日で慣れてしまって、今はあたりまえに使っています。ポケットのどの位置に入れたものを取り出すか、冷蔵庫に対してどの位置に立っているかなどによって、無意識に開きやすい方から開いています。

 もう1つ、最初はこの「どっちもドア」のドアポケットに重い物を入れるのが不安だったのですが、安定感があり、開閉にはまったく問題ありません。こちらも今では迷わずドリンク類から調味料まで遠慮なく入れています。

 実は我が家の冷蔵庫スペースは右側の壁が出っ張っているため、ドアを右に開くときドアが壁にぶつかるのではないかと心配だったのですが、使い始めてみるとドアを全開にすることはほとんどなく、勢いよく開けることもないと気付き、杞憂に終わりました。


【動画】ドアはどちらから開いても開く「どっちもドア」。開くときに少し上に上がってから開きます。見た目よりも動作は軽く感じます(WMV形式、約2MB) ドアポケットには2Lのペットボトルはもちろん、その前に1Lの紙パックも入る大容量

ネギをタテに収納可。3段の野菜室と冷凍室は整理しやすい

 さて、ネギや水菜が大好きな私としては、長細い野菜でもタテにそのまま収納できる「野菜立てケース」の存在は譲れません。200Lの小型のときも、半分に切ってドリンクのポケットに入れたりしていたのですが、これだけ大型だと、もちろんそのままタテ収納できます。このタテ収納がしたくて、下半分が両開きのタイプを選んだようなもの。単純な機能ではありますが、個人的には満足です。

 野菜室と冷凍室は、それぞれ3段に区分けされた引き出し式。買う前は「ドアを開けてさらに引き出すのは面倒くさいかな」と思っていたのですが、実際に使ってみると、ドアが2重になることで、サイズや用途別に整理しやすく、片付けやすいことに気が付きました。また、引き出さない段の冷気が逃げにくいという利点もあります。

 たとえば野菜室では、いちばん上の浅い段はトマトや果物、使いかけの野菜を、2段目はキャベツやブロッコリーなどの丸めのものを、いちばん下の深い段にはほうれん草やアスパラ、白菜などを立てて収納するといった具合で、サイズによって定位置を決めやすいのです。

 冷凍室も上・中・下と深さが異なります。上段にはステンレストレー付きの小物ケースがあり、ここに置くとマイナス約40℃の冷気で一気に冷凍します。実家でもよく、ベーコンや挽肉を多く買ってくると、小分けしてステンレストレーに並べて冷凍庫で冷やしていましたが、本製品ではそれが備え付けになっているわけですね。我が家の場合は、お昼ご飯などで1人分を調理することも多いので、お肉の小分けが必須。おかげでこのトレーはお肉を買ってくるたびに活躍しています。


「野菜立てケース」にはネギや大根がそのまま入ります。ほうれん草やとうもろこしの高さならいちばん下の段でOK。2Lのペットボトルも入る高さです 野菜室のドアを開け、3段の引き出しをさらに引き出します。必要な段だけを引き出せばよく、冷気が一気に逃げないので、省エネ効果もあります

細かく引き出しが分かれていることで、大きさに合わせて整理しやすい効果もあります。いちばん浅い上段は、トマトや果物などの小物入れに便利です このトレーに肉類を乗せ、メニューから「おいそぎ冷凍」を設定するとマイナス40℃の冷気で通常より3倍速く冷凍し、うまみを閉じこめるしくみです

あると年中活用できる「自動製氷」

 以前使っていた冷蔵庫には自動製氷の機能はありませんでしたが、この自動製氷の便利さは想像以上でした。これは、冷蔵室内の「給水タンク」に水を入れておくと、その下の製氷室に水が送られる仕組みになっており、定期的に検知レバーが氷の量を調べて、いっぱいだと製氷を中止します。

 水がなくなるたびに「給水タンク」に水を入れておく必要はありますが、我が家の場合は一週間に1~2回なのでそれほど手間には感じません。とにかく簡単に氷ができるので、今まで使うのを躊躇していた用途にも使えるようになり、飲み物にはもちろん、料理をするときにも氷を多く使うようになりました。

 給水タンクは約1L。製氷室の上部に組み込まれた製氷皿に水が給水され、氷ができると製氷皿が回転、下の製氷室に氷を落とします。製氷皿(8個)1回の氷ができるのは約2時間。「基本メニュー」から「おいそぎ製氷」を設定すると、約半分の時間で製氷できます。

 この「おいそぎ製氷」は、氷を大量に使う場合にとても有効です。以前パーティをしたとき、想像以上に氷を大量に使ったため、製氷皿をいっぱい(約160個)に貯めておいたのにもかかわらず、氷を使い切ってしまいました。それ以来、パーティのときは最初から「おいそぎ製氷」をオンにして製氷しながら使っています。


給水タンクと製氷室
製氷室の底には防音シートがあり、氷が落ちるときの音を軽減しています 給水タンクに入る水の量は約1L。浄水フィルター付きで、鉛やカルキも抑えられるとのこと

「ホット庫」は常にカラにして一時的に使うのがおすすめ

 次に、この冷蔵庫を選ぶ決め手の1つとなった「ホット庫」について触れましょう。これはいわゆる「切り替え室」で、冷凍(マイナス17℃)、ソフト冷凍(マイナス8℃)、チルド(0℃)、冷蔵(3℃)、野菜(8℃)、潤い保湿(55℃または60℃)、サックリ解凍、あら熱とり、の8種類のモードに切り替えられます。「冷蔵庫なのに温められる」のが最大の特徴です。

 はじめて使う機能だけに、どう使うと便利なのか、最初は試行錯誤でした。冷凍や野菜など、いちばん使う機能に固定するという方法もあるのですが、私の個人的な意見では、常にカラの状態にしておき、使うたびに運転モードを一時的に切り変えるのがいちばん活用しやすいと思いました。

 というのも、一度パーティ用に用意したお酒をいっぱいにいれておいたのですが、飲みきれなかったお酒がいつまでも入っていて、他の用途で使いたいと思っても、わざわざお酒を全部出すのが面倒で、そのまま使わずにやり過ごしてしまうことがあったからです。

 常にカラの状態だと、温度の切り替えも自由にできて活用しやすいため、使う機会が増えました。たとえば、潤い保湿の機能を使って、食べるまでの間、料理を保温しておいたり、焼き芋など“温かさが命”の食べ物を保温しておくのに最適。また、冷蔵にすれば刺身など冷たい料理を皿ごと冷やしておくスペースとしても便利。引き出しと網棚で2段使えるので、2人分のメイン皿もラクに入ります。そのほかにも、“明日使うもの”をここにまとめて用意しておくとか、常にカラであればその都度いろいろな用途に応用しやすくなります。


「ワイン庫」として使うときは野菜「8度」に固定。奥行きも十分です 作り終わった料理も、「冷蔵」モードで温度をキープ。2皿重ねて入れることも可能です

メイン皿2人分のスペースを冷蔵室に常に空けておくのは大変ですが、ホット庫なら代用できます ファーストフードは袋や箱に入れたままにするとおいしくなくなりますが、ホット庫で一時的に保存しておけばおいしく食べられます

 実は「潤い保湿」を使うときは、電気代が心配だなと感じていたのですが、マニュアルをよく読んでみると、8時間保温しても55℃で約11円、60℃で約15円と、気になるほどの額ではないとわかり、それからは頻繁に使うようになりました。

 調理の際には、多めに作ったごはんには「あら熱とり」を使えば小分けしやすいですし、パックごと冷凍してしまった肉や魚には、包丁が通る程度に解凍できる「サックリ解凍」がとても便利です。正直、解凍は電子レンジでもできるので、使う機会はないだろうと思っていたのですが、案外、電子レンジが調理中でふさがっていることが多く、解凍時間も電子レンジでと変わらないため、思ったより「ホット庫」を使っています。


ラップレス保存できる「潤いパネル冷却」

 この冷蔵庫でいちばん大きい冷蔵室には、「潤いパネル冷却」の機能があり、直接風を当てずに冷蔵庫内を冷やします。そのため、食品の乾燥を従来機種「SJ-SV40H」の1/2に抑え、ラップなしでもサラダや料理などの潤いを保ちやすいのが特長です。

 実際に使ってみると、“ラップなし”で済む手軽さは本当に便利ですし、ケーキなどラップがしにくい食品の一時的な保存にも便利。ただ、やはり長時間そのままだともちろん水分量も減るので、その日のうちに食べないものは、やはりラップをした方がいいでしょう。

 そのほか、カビ菌の発生を抑える「プラズマクラスターイオン」を放出する機能もあります。冷蔵室で発生した除菌イオンは、そのまま冷凍室や切り替え室、製氷室も循環します。この冷気の通り道には「ナノ低温脱臭触媒方式」が採用されていて、臭いも抑える効果があります。実際、これをONにしておくと、以前よりも臭いも減りました。


【動画】いちばん下の「フリーセット棚」は、半分にしたり、完全に向こう側に倒して2段分使うこともできます(WMV形式、約1.2MB) 冷蔵庫内の奥にあるアルミパネルを冷やして、冷風を直接当てずに間接的に冷却します

「プラズマクラスターイオン」の吹き出し口は冷蔵庫内の右上部分。プラズマイオンとマイナスイオンの集合体でカビ菌の発生を抑制します 「基本メニュー」の「タイマー」は30秒単位で99分30秒まで設定できる便利な機能。キッチンタイマーとして毎日使っています

 ということで、とにかく多機能な冷蔵庫ですが、使い続けていくうちに「愛情ホット庫」にしても、「どっちもドア」にしても、実は「柔軟さ」を突き詰めた結果こうなったのだな、ということに気づきました。パーティのとき、食材を冷凍するとき、そして引っ越したとき、使う側の用途やシーンに合わせて自在に変化するフレキシブルさが魅力の1台です。





URL
  シャープ株式会社
  http://www.sharp.co.jp/
  製品情報
  http://www.sharp.co.jp/products/kitchen/refrigerator/spec01/sjhv42mh/index.html
  冷蔵庫関連記事
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/refrige.htm

関連記事
シャープ、マンションサイズの「愛情ホット庫」搭載冷蔵庫(2006/10/02)
但見裕子の「家電買っちゃいました」
三菱電機「MR-G50M」(2007/02/28)



2007/08/20 00:01

- ページの先頭へ-

家電Watch ホームページ
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.