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家電製品ミニレビュー
ナショナル「ツカミタタキ AUTO EV2710」

~つかみ動作を実現したハンディマッサージャー
Reported by 平澤 寿康

ハンディマッサージャー「ツカミタタキ AUTO EV2710」
 以前、レビューしたハンディマッサージャーは、肩こりのひどくない筆者でも結構重宝しているが、しばらく使っているうちに、バイブレーションをベースとした動作だけという点が、ちょっと物足りなく感じるようになっていた。

 同じマッサージ器なら、やっぱりチェアータイプのマッサージ器で実現されている、つかむような動作のほうが気持ちのいいように思うのだ。

 だが、筆者の自宅はチェアータイプのマッサージ器を置くようなスペースはないし、なにより、手の届く価格ではない。そう思っていたときに気になるハンディマッサージャーを見つけた。それがナショナルの「ツカミタタキ AUTO EV2710」(以下、EV2710)だ。ハンディタイプのマッサージ器ながら、手でつかむような動作を実現しているということで、これは試してみるしかないと思い、さっそく購入。ヨドバシカメラで16,900円だった。

 届いたEV2710のパッケージは、思っていた以上に大柄で、前にレビューしたオムロンの「TOKOTON PRO たたき&バイブ WIDE」のパッケージよりもかない大きい。これは、TOKOTON PROが2つ折りにしてコンパクトに収納できる構造になっているのに対し、EV2710は途中で折れる構造になっていないからだ。

 基本的な形状は、逆L字型で、一般的なハンディマッサージャーとほぼ同じ。しかし、先端部分は、つかみ動作を再現するため、やや特殊な形状になっている。

 まず、「たたき」の動作を行なう突起部分が、本体内部の支点を中心に30度ほど回転する。一方、本体側にはベロ状の突起があり、これら2つの突起で肩を挟み込む構造だ。ちなみに、先端部分は、空気ポンプで本体内エアバッグを膨張させることにより、回転するようになっている。空気圧による動作となるため、クッション性があり安心感がある。


パッケージはかなり大きく、オムロンの「TOKOTON PRO たたき&バイブ WIDE」のパッケージと比較するとこんなに違う 本体自体は、オムロンのTOKOTON PROとそれほど違わない

ヘッド部分。円錐型のたたきヘッドが付いたシルバーの部分全体が動き、つかみ動作を実現している ヘッド部分が動いた状態。右側の青い突起と組み合わせて肩などをつかむことになる

 動作モードは、「たたき」と「つかみ」を同時に行なう「つかみたたき」と、「たたき」または「つかみ」の単体動作の3モードが用意されている。これら動作モードは、グリップ部最上部のボタンを押すことで切り替わる。

 モード切替ボタンの下には、たたき動作専用のボタンが用意されている。「たたき」には「肩コース」と「首筋コース」という2種類の自動運転コースに加え、全7種類の振動パターンが用意されており、こちらもボタンを押すたびにコースと振動パターンが切り替わる。

 さらにその下にある3つ目のボタンは、たたき動作のスピードを切り替えるボタンだ。スピードは「はやい」「おそい」の2種類となる。

 そして、グリップ部最下部には電源と動作の強さを切り替えるスライドスイッチがある。動作の強さは「つよい」と「よわい」の2種類で、つかみ動作、たたき動作ともに強度が変化する。

 本体重量は1,515gほど。やはりヘッド部分に重量が集中しているために、グリップ部だけを持って支えるのはかなりの力を必要とする。とはいえ、肩などにヘッドを当てている状態ではグリップ部で本体を支えるわけではないので、重さを感じることはない。


つかみ用の突起は6段階に位置が変えられるようになっており、これでつかみ幅を調節する つかみ動作とたたき動作を同時におこなう「つかみたたき」と、つかみ、たたきを単体で行なう3つの動作モードが用意されている

たたき動作は、2種類のコースと7種類の振動パターン、そして2種類の動作スピードを切り替えられる 電源スイッチでは、電源のON/OFFに加え、パワーを「つよい」と「よわい」の2段階に選択可能だ

 では、実際に使ってみよう。まずは、EV2710の最大の特徴であるつかみ動作を実感するために、「つかみたたき」モードを試してみることにした。

 「つかみ」を使う場合、まず、肩幅などに合わせてつかみ幅を調節しておく必要がある。つかみ幅をあまり狭くしすぎると痛いので、まずは幅を広くした状態で電源スイッチを「よわい」に入れてみた。すると、突起部がカタカタと音を立てて振動を開始し、そしてその直後に“ブーン”というような音とともにヘッド部分が動き、肩をつまみ始めた。

 「よわい」にしている場合には約3秒ほど連続でエアバッグに空気が送り込まれてヘッドが動き、その場で2秒ほど静止、そして本体内のエアバッグから空気が抜けるような“プシュー”という音とともに最初の位置まで戻る、という動作の繰り返しとなる。

 また、「つよい」にしている場合は、約7秒間ほど連続でエアバッグに空気が送り込まれるため、つかむ力もかなり強くなる。ちなみに、マニュアルではつかみの強さは約98N(10kgf)とされている。


【動画】「つかみたたき」モードでの動作の様子(WMV形式、約4.3MB)
 次に、つかみ幅を徐々に狭くして試してみた。肩では2段階ほど狭くした状態で痛く感じる。これ以上、狭くすることも可能だが、これはどちらかというと肩のためではなく、首や腕、ふくらはぎ、足の裏などをマッサージするためと考えた方がよいだろう。

 つかみとたたきの組み合わせは、思っていた以上に心地いい。つかむだけ、たたくだけというような単独の動作ではなく、両者を同時に行なわれることで動きが複雑になり、機械特有の単調さを解消している。かなり人間の手に近くなったような印象だ。

 それに対し、たたき単体モードでは、2種類のコースと7種類の振動パターンを切り替えて使えるが、こちらはまさしく「一般的なハンディマッサージャー」といった感覚だ。広範囲のマッサージにはあまり向いていないが、ピンポイントでこりをほぐしたい時などにはツボを直接押すような感覚でマッサージできるので重宝する。

 だが、単体動作モードならば、他のマッサージ器との違いがない。やはり、「つかみたたき」をメインで使うことになりそうだ。


たたきヘッドは、先が尖った円錐状となっており、ツボをしっかり刺激してくれる
 EV2710をしばらく使ってみて、つかみ動作があることにより、他のハンディマッサージャーとはかなり違う心地よさが得られることが十分に実感できた。

 気になったのは、つかみ動作の周期が長いため、リズミカルにもんでもらうような感じにならない点だ。1回のつかみ動作は、「よわい」で秒6秒、「つよい」で約10秒ほどかかる。動作の間にも2秒ほどの間が空くため、かなりゆっくりもんでもらっているような感覚となる。個人的には、つかみ動作のスピードがもうちょっとあれば最高だが、つかみ動作を空気圧によって実現している構造上、それを望むのも贅沢というモノだろう。

 とはいえ、つかみ動作のおかげで、一般的なハンディマッサージャーにはない気持ちよさが得られることは間違いない。肩のこりに悩まされている人なら、十分重宝する製品と言っていいだろう。





URL
  ナショナル(松下電器産業株式会社)
  http://national.jp/
  製品情報
  http://ctlg.national.jp/product/info.do?pg=04&hb=EV2710

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オムロン「TOKOTON PRO たたき&バイブ WIDE HM-163」(2007/04/10)




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2007/04/23 00:00

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