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家電製品ミニレビュー アイリスオーヤマ「KC-350CX」
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~ペットの抜け毛・ニオイを除去する加湿空気清浄機
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Reported by
清水 理史
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● アイリスオーヤマとシャープが共同開発
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KC-350CX
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ペットを室内で飼っている人なら経験があると思うが、夜中に大暴れされた翌朝の惨劇たるや、目を覆いたくなるばかりか、そのニオイは強烈なものがある。しかしながら、ここ最近の我が家では、少なくともニオイはまったくと言っていいほど気にならなくなった。
それもこれも、アイリスオーヤマとシャープが共同開発した加湿空気清浄機「KC-350CX」を導入したおかげだ。インターネット上の通販サイトで39,800円で購入した。このKC-350CXは、基本的にはシャープから発売されている加湿空気清浄機(KC-35C1)と同じ製品だが、ペットと暮らす家庭向けの改良が加えられているのが特徴だ。
具体的には、いわゆるペット臭の脱臭に特化した特殊活性炭フィルターを採用。これにより、おしっこなどのアンモニア臭を原因とするペットの気になるニオイに対応できるようになっている。メーカーによると、通常の活性炭のアンモニア除去率が20%程度のところ、KC-350CXの特殊加工活性炭のアンモニア除去率は99.8%だというのだから、その効果は期待できる。一般的な空気清浄機が広い範囲のニオイを対象にしているのに対して、ペットという用途に特定することで、より高い空気清浄効果を実現しているのはなかなか面白いアイデアだ。
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KC-350CXの側面
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背面
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3つのフィルターで、ニオイやホコリを除去する
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黒いフィルターが、アンモニア臭を高い確率で除去する「特殊加工活性炭フィルター」
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似たような製品をホームセンターでみたことがあるという人も少なくないと思うが、実はアイリスオーヤマとシャープの共同開発による空気清浄機は、2005年あたりからホームセンターを中心に販売されている。こういった製品的な工夫、そして家電量販店ではなく、ホームセンターやペットショップという独自の販売チャンネルが採用されているあたりは、まさにペット用品を幅広く扱うアイリスオーヤマならではの特徴と言えるだろう。
● 本格的な加湿機能を搭載
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操作ボタンがいくつか用意されるが、基本的には自動で運転すれば良いため、運転ボタン程度しか利用しなくて済む
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では、実際の製品を見てみよう。本体サイズは幅360mm、奥行き205mm、高さ533mmとなっており、クリーム色というか、アイボリーの落ち着いた雰囲気のデザインとなっており、なかなか好印象だ。
操作ボタンは本体上部に配置されており、加湿のON/OFFと運転切り替え、空気清浄運転切り替え、シャワーボタン(詳しくは後述)、そして除菌イオンのON/OFFボタンが用意されている。といっても、普段使うのは運転ボタンくらいなので操作は決して難しくない。
続いて、製品の性能だが、適用面積は12畳~16畳で、シャープ製品ならではの特徴でもある除菌イオン機能に対応している。また、本格的な加湿機能も搭載しており、450mL/hの加湿能力を実現している。空気清浄機の加湿機能は物足りないというイメージを持っている人もいるかもしれないが、この450ml/hという性能はミドルレンジの加湿器とほぼ同等の能力となっており、木造であれば8.5畳程度、プレハブであれば14畳程度まで対応可能と考えて差し支えない。
実際、筆者宅では、これまで空気清浄機と加湿器を別々に利用していたが、KC-350CXの導入によって、2台の機器を1台だけでまかなえるようになった。厳密に湿度の比較などはしていないが、感覚的には今までとほとんど同じで、部屋の中が乾燥しているという感覚はない。
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450ml/hという本格的な加湿機能も搭載。側面のタンクの取り外しも簡単。給水は1日1回程度となる
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タンクの取り扱いも楽で、本体側面のタンクを斜めに外すような感じで簡単に取り外しが可能。タンク自体のサイズもさほど大きくないので、給水作業も楽だ。我が家ではKC-350CXを24時間フル稼働させているが、水の入れ替え頻度は朝1回だけて済んでいる。
なお、このあたりは実際の効果を試すことはできないが、加湿によって除菌イオンの効果を向上させる効果もあるとのことで、単なる空気清浄機と比べて高い除菌、脱臭効果も期待できるということだ。
● おしっこのニオイに気がつかないことも
実際の使い心地だが、運転開始直後やニオイを検知したときこそ音(空気の吸排気音)が若干気になるが、普段は非常に静かだ。我が家の場合、ペットである犬のすぐ横に設置しているため、比較的稼働している時間が長いが、普段の生活で音が気になることはほとんどない。
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我が家ではケージのすぐそばに設置して利用。このおかげでペットのニオイはまったくと言っていいほど気にならなくなった
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肝心の効果だが、冒頭でも紹介したように、ペットのニオイはほとんど気にならなくなる。KC-350CX導入前は、たとえば犬がおしっこをするとそのニオイがすぐにわかるため、ある意味、ニオイがトイレ掃除をする合図でもあった。しかし、KC-350CXを使うようになってから、おしっこをしても、そのニオイがわからくなってしまった。今ではニオイを合図にトイレ掃除ができないので、KC-350CXが動作したらトイレをチェックするという習慣に変わってしまった。正直、ここまで効果があるとは思わなかったほどだ。
また、朝起きたときもそうだが、外出から帰ってきたときなど、部屋を密閉した状態が長く続くと、これまでは部屋中がペットのニオイに包まれていたが、最近ではそういったニオイも感じなくなった。もちろん、ニオイに慣れてしまった可能性もあるので、先日、友人が遊びに来たときに率直な感想を聞かせてもらったが、確かに犬のニオイはするが、気になるレベルではないとのことだった。
なお、筆者宅ではKC-350CXを24時間つけっぱなしにしているが、そうでない場合、シャワー機能を使うと便利だ。本体上部の「シャワー」ボタンを押すと、加湿+除菌イオンのシャワーが上部から吹き出すしくみになっている。これを利用すると、たとえば外出から戻ってきたときなどでも、部屋にこもったニオイを短時間で解消することができる。
● ペットの毛もきっちり除去
ペットを飼っている人にとって、もう1つ気になるのは抜け毛だろう。我が家のペットは毛が抜けにくい犬種(トイプードル)であるため、さほど気にならないが、それでも季節や生理現象のタイミングによっては、部屋のそこここに抜けている毛を発見することがある。
KC-350CXはこういった抜け毛の対策も可能となっており、空気中に漂う抜け毛もしっかりとキャッチできるようになっている。実際、ケージの中にあった抜け毛が引き寄せられて吸い込まれるのを何度か見かけたことがあるほどだ。
たとえば、以下の写真は筆者宅で約3カ月ほど利用した後のKC-350CXのフィルタの様子だ。KC-350CXは、外側から使い捨てフィルター、特殊加工活性炭フィルター、集塵フィルタ(HEPAフィルタ)という3層構造になっているが、さすがに3カ月間、24時間使いっぱなしで利用すると、外側の使い捨てフィルターにほこりがビッシリと付いていた。毛が抜けやすい犬種の場合、ここでしっかりと毛をキャッチできるだろう。
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3カ月連続で使ったフィルタのようす。ほこりと毛が混じったゴミがびっしりと付着している
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本来は1カ月で使い捨てフィルターを交換する必要がある
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この外側の使い捨てフィルターは、本来1カ月が交換目安となっているが、前述したように筆者宅のペットはあまり毛が抜けない犬種であるため、今回は様子を見ながら3カ月利用してみた。ただし、あまり長く使ったり、フィルタの設置時にズレがあったりすると、隙間からホコリが混入するケースも見られ、それが中間の特殊活性炭フィルターや集塵フィルターに入り込んでしまう場合もある。やはり1カ月を目安に交換するのが妥当だ。
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使い捨てフィルター(FZ-350PF)は6枚セットで2,500円。キレイに使うには、こまめな交換をオススメしたい
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使い捨てフィルターは、アイリスオーヤマの直販サイト「アイリスプラザ」で、6枚入り2,500円と若干高い印象があるが、単なるフィルターではなく、抗アレル物質機能付きとなっている。使い捨てフィルターを交換することが、内部のほかのフィルターをきれいに使うコツでもあるので、こまめに交換するのがおすすめだ。
「KC-350CX」は、ペットのニオイに関してはかなり高い脱臭能力が期待できる製品と言えそうだ。筆者は花粉症も患っており、これからの時期、空気清浄機と加湿器を欠かせないが、この対策も同時にできるのは非常に大きなメリットだ。
ただし、住宅環境によっては、600mL/hクラスとさらに大容量の加湿能力を持った製品が必要な場合もある。同様のペット対策機能を搭載したワンクラス上の製品の登場も望まれるところだろう。
■URL
アイリスオーヤマ株式会社
http://www.irisohyama.co.jp/
製品情報
http://www.irisplaza.co.jp/Index.asp?KB=061030airclean01
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2007/02/21 00:00
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