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家電製品レビュー
デロンギ「ディープフライヤー DF380」

~温度管理や油はねを気にせずフライや唐揚げができる
Reported by 富永 ジュン

デロンギ「ディープフライヤー DF380」
 揚げ物は作らない。これが我が家の鉄の掟だ。以前は家族のリクエストに応えておぼつかない手つきでメンチカツや鶏の唐揚げを作ったりしていたのだが、一人暮らしを始めてからは酢豚の具材の油通しすらしなくなった。

 その最大の理由は、揚げ物をすると飛び散った油でコンロ周りやキッチンの壁がひどく汚れてしまうからだ。油汚れは熱いうちに拭き取らないとホコリなどと混じって頑固な汚れに変わるので、揚げたての揚げ物を口にする前に掃除するハメになり、ただでさえ配膳や洗い物などで忙しい食事時が、さらにあわただしくなる。

 その次の理由としては、調理中にたちのぼる油煙のせいで、何も食べていないのにおなかがいっぱいになったように錯覚してしまうことが挙げられる。揚げ物は揚げたてが一番おいしい。しかし、我が家には筆者一人しかいないのに、その肝心の食べる人が食べたくなくなってしまうのならば、どうして手間をかけて揚げ物なんて作る必要があるだろう。

 とまあ、いろいろと理由はあるのだが、我が家の食卓には長らく自家製の揚げ物が登場することはなく、筆者にとって揚げ物とは、居酒屋や定食屋で楽しむものだった。

 しかし、エスプレッソマシーンの情報を得るべく訪れた、デロンギのホームページで目にした「ディープフライヤー DF380(以下、DF380)」が突然気になりだした。「油ハネもなくニオイも低減」――これはまさに筆者が求めていたものではないか。すぐにDF380を取り扱っているオンラインショップを検索し、15,040円で購入した。


バスケットに食材を入れてふたを閉めるだけ

 DF380のサイズは、5.5合炊きの炊飯器の奥行きを、1.5倍にした感じといえばわかりやすいだろうか。上部手前のリリースボタンを押すと、まさに炊飯器のように上ぶたがはねあがり、フッ素樹脂加工が施されたボウルとバスケットが現れる。ボウルに油を注いで電源を入れ、油が適温になったらバスケットに食材を入れて上ぶたを閉める、というのが基本的な使い方のようだ。


上ぶたを開けたところ 電源ユニットを外せば、ボウルも本体から取り外せる ボウルの壁には油の最大量(MAX)と最小量(MIN)を指示するマークが入っている

 さっそくボウルに油を入れようとして、あることに気がついた。説明書によると、DF380を利用するには最低でも1.5Lの油が必要となる。しかし、一般的なスーパーなどで売られている食用油の大ボトルの容量は、サラダ油が1,500g、キャノーラ油などの健康に配慮した高機能製品ではおおむね1,000~1,300gなのだ。

 つまり、1回の調理で大ボトルを丸ごと1本使い切ってしまうばかりか、場合によっては足りないかもしれない。天ぷら鍋やフライパンなどで揚げ物をする時はこんなに大量に油を使うことはまずないので、油がもったいない上に、なによりもコストパフォーマンスが悪い。これをなんとかしたかったので、油を繰り返し使うために、ナショナルの天ぷら油クリーナーも併せて購入した。こちらもレビューしているので、参照されたい。

 DF380には電源スイッチは用意されておらず、電源コードをコンセントに脱着することで電源のオン/オフを行なう。油の温度は本体前面下部の温度ダイヤルで150~190℃の範囲で設定が可能で、加熱中は温度ダイヤルの左にある温度ランプが点灯する。ボウル内の油が指定した温度に達すると自動的に加熱が止まり、温度ランプが消灯して知らせてくれるという仕組みだ。これならば、油の温度がまだ十分ではないのに食材を入れてしまって仕上がりがべちゃべちゃになったり、油を熱しすぎて気がつけば煙が立ち上っていたということもない。

 食材を入れるためのバスケットは、本体にロックされていて意図しないときに外れないよう配慮されている。取り外すには、リリースボタンを押した状態でバスケットの握り手を持ち、垂直に引き上げる。また、バスケットにはフックがあり、ボウルの縁にひっかければバスケットを油にふれない状態で固定できる。食材を入れる時や揚げた後の油切りに大変便利だ。

 さっそく調理を行なうべく用意しておいたエビフライをバスケットに並べて油に沈め、上ぶたを閉じた。いくら急いで上ぶたを閉めても牡蠣や小魚のような水分が多い食材ではやはり完全に油ハネを抑えることはできないが、それでも揚げあがりを待つまでの時間に軽く拭けば済む程度だ。

 また、調理中に突然油がはねて、やけどすることもない。さらには、ある程度油のニオイがするものの、熱された天ぷら鍋の前にずっと立ち続けている場合と比べると、油煙による食欲の減退は大幅に軽減された。

 どれもすべてちょっとしたことばかりなのだが、この時点で筆者の悩みはすべて解消されている。どうしてもっと早く購入しなかったのかと思わず歯がみしてしまったほどだ。調理後の油はこした後に本体内に保存しておけるので、電源コードをコンセントをつなげばすぐに揚げ物をする用意が整う。

 こうした手軽さも手伝ってか、これまで電子レンジで加熱していたスーパーのお総菜コーナーのコロッケや天ぷらを二度揚げするようになった。さらに、軽食代わりに大学芋やアメリカンドッグを作るなど、とても便利に活用している。


本体背面には電源コード巻き取りフックが用意されている
加熱時は電源ユニットの温度ランプが点灯する
水蒸気で曇ったのぞき窓。何度も食材を揚げてみたのだが、最後までこの状況は変わらなかった

一度に調理できる量が少なく、天ぷらは苦手

バスケットのサイズは文庫本より一回り大きい程度
 ただし、よいことばかりではない。本体のサイズに比べてバスケットが小さく、先述のエビフライならば4本程度しか並べることができない。食材の量が多い場合は調理回数が増えてしまい、揚げあがったものから順に食卓までピストン輸送するか、一度に出すならば最初に揚げたものは多少冷めてしまうのを覚悟しなければならない。

 また、上ぶたにあるのぞき窓から調理中の内部の様子が見えるらしいのだが、肝心の窓が水蒸気で曇ってしまい、まったく中が見えない。上ぶたや説明書に食材ごとの調理時間の目安が書かれてはいるが、やはり、実際の揚げ具合を見ながらやれるのであれば、それに超したことはない。

 結局、ジュージューという油の音の変化と、立ち上る水蒸気の量で火が通ったか見当をつけ、あとは上ぶたを開けて衣の色を確認するという方法を採ることにした。何度か、好みより、色が濃くなってしまったこともあったが、少なくともサツマイモやレンコンといった比較的、火が通りにくい食材も生煮えになることはなく、快適に揚げられた。

 最後に、海外メーカーが作った製品だということをつくづく感じさせられたのが、天ぷらを調理した時だ。天ぷらを作る場合はバスケットに耐熱温度250℃以上のクッキングシートを敷くよう指示されているのだが、バスケットを油に沈める時にクッキングシートがふわふわと浮き上がって食材を投入しづらい。

 あらかじめクッキングシートの上に食材を乗せればクッキングシートの浮きは抑えられるのだが、天ぷらの衣の形がいびつになって見た目があまりよろしくない。試しにクッキングシートを敷かずに天ぷらに挑戦してみたところ、やはり衣がバスケットにからまってしまう。

 それならばバスケットを使わずにボウルに直接食材を入れて、菜箸で引き上げればいいじゃないか、と思われるかもしれないが、なんとDF380はバスケットをセットしないと上ぶたが閉まらない構造になっているのだ。

 天ぷらというものがない国から来た製品だから当然といえば当然なのだが、天ぷらには向いていないことは確かだ。


分解できるのでお手入れは簡単

バスケットのフックを使えば調理後の食材の油切りができる
 このような調理家電を購入する際に、もっとも気になるのがお手入れの簡単さだ。いくら高温で調理するとはいえ、直接口に入るものを取り扱うのだから、できるだけ衛生的に利用したい。その点、DF380は簡単に分解できる上に、ほぼすべてのパーツが丸ごと水洗いできるので、心配無用だ。

 まず上ぶたは、開いた状態でまっすぐ上に引き上げれば、本体から取り外せる。また、内側の6カ所のネジをドライバで外せば、メッシュフィルターのお手入れも可能だ。

 バスケットが取り外せるのは先述の通りだが、電源ユニットの下部のくぼみに手をひっかけて、手前に引き抜けば電源ユニットが外せる。さらには、本体からボウルも取り出せるようになっている。

 これらの各パーツのうち、電源ユニット以外は中性洗剤で丸洗いが可能。本体は一般家庭のシンクで洗うには、やや大きすぎるきらいはある。しかし、汚れが気になる時などに、つけ置き洗いのあと、スポンジと中性洗剤を使って細かいところまでしっかりと洗えるのは本当に心強い。

 DF380は、使用する油の量の多さや、一度に調理できる量の少なさといった部分が気になるものの、導入することで確実に料理をする人の負担を軽減できる製品であることは間違いないようだ。毎朝作るお弁当に手軽に揚げ物を添えたい場合や、筆者のようになるべくキッチンを清潔に保ちたい場合に大いに役立つだろう。





URL
  デロンギ・ジャパン株式会社
  http://www.delonghi.co.jp/
  製品情報
  http://www.delonghi.co.jp/product/list/otherkitchen/df380.html



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2006/12/18 00:02

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