ダイキン、住宅の湿度を調節する換気ユニット「デシカホームエア」

~湿度を40~60%で維持。電気代の抑制効果も
DESICA HOME AIR(デシカホームエア)

 ダイキン工業は、室内の湿度を調節する換気ユニット「DESICA HOME AIR(デシカホームエア) HDHVP20A」を、11月22日に発売する。一般寒冷地仕様の希望小売価格は、1,024,000円。

 高気密・高断熱住宅向けの床置き式全館調湿・換気ユニット。ヒートポンプの熱交換器にデシカント吸着剤を一体化した「HB(ハイブリッド)デシカ素子」を搭載することで、従来の換気機器では困難だった湿度のコントロールができる点が特徴となる。


「HB(ハイブリッド)デシカ素子」の仕組み。ヒートポンプの熱交換器と一体化している

 湿度をコントロールする仕組みは、HBデシカ素子が持つ、熱を加えると吸着した水分を放出する性質を利用する。例えば室内を加湿する場合は、ヒートポンプによる冷却で屋外の空気に含まれる水分を吸着・除湿した後、HBデシカ素子を加熱し、吸着した水分を室内に放出する。

 熱交換器に水分が一杯までたまった場合、または放出する水分がなくなった場合は、ヒートポンプの四路弁を反転して、同時に8個のダンパ(仕切り)で内部の空気風に路を切り替える。これにより、連続的に加湿と除湿ができる仕様となっている。


除湿運転時の仕組み。室外の不要な水分を取り込まず、室内の不快な湿度を室外へ排出する加湿運転では、室外の水分を室内へ取り込みながら、室内の快適な湿度を外に逃さない仕組みになっている

 本製品を使うことにより、室内の湿度を適度な40~60%に維持できるため、梅雨や夏の蒸し暑さや、冬の過乾燥による不快感を抑え、年間を通じて快適な環境が提供できるという。

 また、夏は除湿で体感温度を下げ、冬は加湿で体感温度を上げることで、エアコンの設定温度を夏は28℃、冬は20℃と控えめにし、省エネする効果があるという。同社によると、デシカホームエアとエアコンを併用した場合の消費電力を、換気扇など一般的な換気とエアコンを併用した場合と比べると、年間の消費電力を約30%削減できるという。さらに、真夏・真冬における電力消費ピーク時の空調・換気の消費電力合計を、夏・冬ともに約25%削減できるという。

 なお、デシカホームエアを使用する際には、除湿時のドレン配管や加湿時の給水配管、水供給は不要となる。

 リモコンは表示部にバックライトを搭載した、大きく見やすいフルドット液晶を採用。週間スケジュールタイマーを搭載しており、平日や休日の生活パターンに合わせて運転を設定することで、無駄を抑えた湿度管理ができるという。運転モードは、除湿、加湿、換気のほか、センサーで自動運転する「調湿」も備える。

DESICA HOME AIRとエアコンを併用することで、普通の換気と比べて約30%消費電力を抑えるという
リモコンの仕組み

 本体サイズは700×720×1,280mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は135kg。電源は単相200V。除湿時の消費電力は520Wで、1時間当たりの除湿能力は2.7kg。加湿時の消費電力は280Wで、1時間当たりの加湿能力は1.5kg。運転音は36dBA。

 このほか、寒冷地仕様の「HDHVP20AH」も用意される。発売日は2013年4月1日で、希望小売価格は1,094,000円。




(正藤 慶一)

2012年11月9日 00:00