パナソニック、LED照明を使った可視光通信システムを開発

~ナガシマスパーランド「ポケモンアドベンチャーキャンプ」で公開

 パナソニックグループは、可視光通信機能付きのLED照明器具と専用通信モジュールを、三重県の「ナガシマスパーランド」に納入した。

 7月21日から公開されるアトラクション「ポケモンアドベンチャーキャンプ」内にて、LED照明器具10台と通信モジュール20台が使用される。

「ポケモンアドベンチャーキャンプ」のイメージ石柱を照らす光に端末をかざしてクイズに回答する端末に表示されるクイズの例

 可視光通信システムの利用場面は、アトラクション内の15のゲームの1つである「古代遺跡の不思議な光」。10本の石柱の天井に仕込まれたLED照明器具が照らす光に、通信モジュールを内蔵した端末をかざすことで、出題されているクイズに回答する。

 LED照明器具と端末間は、9,600bpsで通信しており、ID情報を示すデジタル信号が送られている。端末側は、IDを検知することで、正しい石柱が選ばれているかどうかを判断する。

石柱は10本並んでおり、専用LED照明器具で照らされている石柱の天井に設置されている専用LED照明器具LED照明器具の構造。右側の金属箱は、可視光線通信信号制御ブロック

 今回のシステムは、エコソリューションズ社がLED照明器具を、生産革新本部ロボット事業推進んセンターが専用通信モジュールを開発し、パナソニックシステムソリューションズジャパンが納入した。

 可視光通信技術は、人間の目に見える光でデジタル信号を送る技術。LED照明のほか、ディスプレイや看板などの光源を発信源にできる。また、約1mの精度で位置情報が取得できるため、GPS電波が届かない屋内や地下街での価値用が期待されている。今回のシステムは小規模だが、アプリケーションによっては、街全体をアトラクション会場とすることも可能としている。すでに、スマートフォンを端末として活用する技術も公開されている。






(伊達 浩二)

2012年7月11日 14:29