パナソニック、手洗い機能から乾燥機能まで搭載した「洗髪ロボット」を開発

~個人の頭の形状や好みの洗い方を登録できる機能も

 パナソニックは、同社が開発を進める介助向けロボット3製品を、10月5日より開催される「第38回 国際福祉機器展」に参考出展することを発表した。

 今回出展するのは、いずれも福祉/介護を目的としたロボットで、手洗い機能から乾燥機能まで搭載した「洗髪ロボット」と、車いす機能がついた電動ケアベッド「ロボティックベッド」、映像コミュニケーションロボット「HOSPI-Rimo(Remote Intelligence and Mobility)」の3点。

 パナソニックでは、従来より同製品の開発を進めており、これまでに「各方面から大きな反響」があったという。今回出展する製品は、従来製品に対して集まった要望を基に、実用面・安全面での課題について改善を進めたものだという。

手洗い機能から乾燥機能まで搭載した「洗髪ロボット」

「洗髪ロボット」本体(左)、洗浄アーム部(右)

 洗髪ロボットは、ロボットハンドの技術を応用して、頭の形を自動で判断し、洗髪を自動で行なうロボット。伸縮機能を搭載した「洗浄アーム」と、後頭部を洗う「後頭部洗浄メカ」によって、合計24個の指先で頭を洗浄するという。

 改善後の洗髪ロボットでは、従来より要望の強かったコンディショナー機能と、簡易ドライヤー機能を新たに搭載。シャンプーからコンディショナー、乾燥といった一連の洗髪動作を行なうという。

 操作面では、タッチパネルインターフェースを搭載。好みの位置や強さ、洗い方を指定できる「スポットもみ洗い機能」を採用し、ユーザーの要望に細やかに対応するという。

自立生活をサポートする「ロボティックベッド」

「ロボティックベッド」ベッド使用時(左)、車いすを分離させたところ(右)

 ロボティックベッドは、車いす機能が搭載された電動ケアベッド。ベッドと車いすの移動を自らの意思で自在に行なうことができるため、「メリハリのある自立生活をサポート」できるという。

 今回新たに、電動チルト機能を搭載した。チルト姿勢とは、介護入浴などで良く用いられる姿勢で、車いすの座面ごと後ろに倒した状態を指す。身体の前方へのズレを防ぎ、安定した姿勢を保つことができるという。本体と車いすの合体・分離の際に、チルト姿勢をとることで、体圧を分散でき、車いすを長時間利用した場合でも、体がずれることが少ないという。

 分離操作や、本体移動などは、分かりやすい操作インターフェースで行なう。

映像コミュニケーションロボット「HOSPI-Rimo(Remote Intelligence and Mobility)」

離れた場所からのお見舞いや対話などを可能にする映像コミュニケーションロボット「HOSPI-Rimo(Remote Intelligence and Mobility)」

 HOSPI-Rimoは、同社が開発している病院内搬送ロボット「HOSPI」と組み合わせて使用するコミュニケーションロボット。HOSPIに搭載されている、自律性移動技術と映像コミュニケーション技術を応用することで、遠隔地からのお見舞いや対話、指導などを可能にするという。

 本体には、遠隔制御技術を搭載し、対象となる人の近くを指定すると、ロボットが自分周囲の状況を確認しながら移動、ロボットに搭載したカメラによって映像コミュニケーションを行なうという。





(阿部 夏子)

2011年9月26日 15:18