パナソニックの「ナノイー」イオン、多剤耐性菌の抑制に効果

8月の空気清浄機発表会で、ナノイーイオンをアピールする女優の小雪さん(右)と、パナソニックのアプライアンス・ウェルネスマーケティング本部の中島幸男本部長

 パナソニック電工は、独自のイオン技術「nanoe(ナノイー)イオン」が、多剤耐性菌を抑制する効果を検証したと発表した。

 ナノイーイオンは、空気中の水分に高電圧を加えることで発生する、ナノサイズの小さな帯電微粒子水のこと。パナソニックでは、空気清浄機やエアコンなどの空調機器をはじめ、冷蔵庫や掃除機といった生活家電に、ナノイーの発生装置を搭載している。

 今回、効果が検証されたのは、多くの抗菌薬が効かない細菌「多剤耐性菌」に対する効果。健康な場合は、多剤耐性菌により病気が発症する確率は極めて低いが、体の抵抗力が落ちている場合には、同菌が原因で感染症にかかることがあるという。最近では、医療施設での集団感染が深刻な問題となっている。

 検証内容は、代表的な多剤耐性菌である「多剤耐性緑膿菌(MDRP)」「多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(MDRAB)」について、ナノイーを曝露した場合としない場合の菌数を比べるというもの。この結果、いずれの菌についても、2時間で菌数を1/100以下に抑制したという。なおこの検証は、東邦大学医学部看護学科の小林寅喆教授(感染抑制学)と共同で行なわれた。

多剤耐性緑膿菌(MDRP)に対する抑制効果。ナノイー曝露2時間で、菌数を1/100以下に抑制したという多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(MDRAB)に対しても、2時間で菌を1/100以下に抑制したという

 ナノイーイオンについてはこれまで、インフルエンザウイルスやスギ・ヒノキなどの花粉に対する抑制効果が検証されている。また、肌や髪にうるおいを与えるなど、美容効果もあるとされる。





(正藤 慶一)

2010年11月18日 15:14