ビックカメラ、ユニクロとコラボした「ビックロ」を新宿東口に27日オープン

ビックカメラの宮嶋宏幸 代表取締役社長とユニクロの柳井正 代表取締役会長兼社長

 ビックカメラは、衣料品チェーン大手のユニクロとコラボした新店舗「ビックロ ユニクロ新宿東口店」を9月27日(木)朝10時より本格オープンする。所在地は、東京都新宿3-29-1 MI新宿ビル本館。

 ビックカメラ新宿東口新店は、既に7月5日から仮オープンしている。地下3階から地上8階まで延べ床面積6,700坪のうち、ビックカメラは地下3階~地上1階と、地上4階~8階に入っており、店舗面積は4,500坪で、同店として最大規模を誇る。

 ビックロとして本格オープンするにあたり、これまで空いていた地上1階の一部と2、3階の計1,200坪に、ユニクロが入店する。ビックカメラのフロア構成は変わらない。

仮オープン時のビックカメラ新宿東口新店。「ビック」の文字しかなかった「カメラの文字を付け忘れたのでは……」と話題になっていたが、実は伏線だったビックロの開店準備に向けて、「ビック」の文字に続けて「ロ」が取り付けられるという

 ビックロのコンセプトは、「FROM SHINJYUKU TO THE WORLD! 」。東京を訪れた国内外の観光客が必ず足を運ぶような、世界に通用する“グローバル繁盛店”として、東京の新名所を目指すという。

 新宿東口は世界有数の繁華街で、ビックカメラとユニクロの両者にとって、重要な大型店舗に当たる。ビックカメラでは、ビックロを「体験、体感型専門店、都市型モデルの集大成」と位置づける。

 一方のユニクロでも、グローバル旗艦店は世界で10店舗目、国内では3店舗目となり、床面積は銀座店に次ぐ規模を誇る。日本の家電量販店と組むことで、海外からの観光客に存在感をアピールしたい構えだ。

ビックカメラは、都市型の量販店であることをアピールビックロで、新宿東口エリアを世界有数のショッピングスポットとして牽引したい考えコンセプトは「FROM SHINJYUKU TOTHE WORLD! 」
ユニクロでは、グローバル旗艦店を世界進出の動力源と位置づけているビックロ内のユニクロは、日本国内では銀座に次ぐ床面積となる日本といえば、家電量販店というイメージがある。そんな量販店とタッグを組むことで、世界にアピールしたい考え

 ビックカメラとユニクロが同じビルに入ることは過去にもあったが、ビックロではこれまでにない踏み込んだ内容で売り場作りやポイント制度、広告展開をコラボレーションしていく。

これまで隣接店舗は多かった量販店とユニクロは顧客層が被っているという

 例えば、ビックロの暖房器具売場ではユニクロの防寒機能ウェア「ヒートテック」も買えるようにするなど、顧客視点で培ったノウハウを活かすという。

 ポイント制度では、専用カウンターでビックポイントを交換すると、ユニクロで使える「ユニクロクーポン」が発行される。ユニクロクーポンは、ビックロ限定で使用できる。交換レートは現在調整中とのこと。

ビックロでは、ビックカメラ店内でユニクロの製品が買えるビックポイントがユニクロで使えるクーポンになる

 このほか、ビックログランドオープンに向け、ビックカメラ新宿東口新店では「売り尽くしセール」を開催する。期間は9月12日~25日。26日は改装のため休業となる。

 またユニクロでは、家電メーカーとのコラボTシャツを発売する。メーカーは、三洋電機、エレクトロラックス・ジャパン、ハイアールジャパン、日本マイクロソフト、アイロボットなど計13社。ビックロと銀座店、オンラインストア限定で販売する。

三洋電機、エレクトロラックス・ジャパン、ゼンハイザージャパン、ハイアールジャパン、日本マイクロソフト、ディーアンドエムホールディングス、アイロボット、ペンタックスリコーイメージング、富士フイルムの国際色豊かな13社の柄がラインナップする(一部画像無し)

「ビックロ」の名付け親は、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏

クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏

 「ビックロ」の名前は、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が提案した。同氏は、昨年ニューヨークにオープンしたグローバル旗艦店のディレクションも担当しており、ビックロでは、ネーミングのほかキャッチコピー、店作り、広告展開などの総合ディレクションに携わった。

 ビックロのキャッチコピーは、「家電は進化する。服も、進化する。」、「世界が、欲しくてたまらない日本が、ここにあります。」など7つが発表された。佐藤可士和氏は、「ユニクロはファッションとテクノロジーの融合を謳っており、イノベーションという点では、家電と共通している。家電は日本の象徴で、世界の人が家電を買いに求めて日本にやってくる」とコピーに込めた想いを語った。

以下、可士和氏によるビックロのコピー「ようこそ、Tokyoの、新名所へ。」「家電は進化する。服も、進化する。」「世界が、欲しくてたまらない日本が、ここにあります。」
「それはそれは、素晴らしいゴチャゴチャ感。」「え?ビックカメラとユニクロが組むって、どういうこと!? 」
「SF映画の近未来がついに現実になった感じ。」「世界がビックリ、異次元ゾーン! 新宿・ビックロ!! 」

 店作りの面では、ユニクロの服を着せたマネキンに、カメラや掃除機などの家電を持たせて陳列する。さらに、ビックロ内のビックカメラとユニクロの販売員の服には、ビックロのロゴをあしらった共同ユニフォームを採用した。

マネキンがダイソンの掃除機を持っているカメラを構えるマネキンもあるビックロ店員の共同ユニフォームは、佐藤可士和氏監修、滝沢直己氏デザイン。店員には芸人や劇団員も採用したという
ビックカメラでは、ゴルフ関連製品も扱っているスマートフォンを操作するマネキン達店舗の建築、デザインディレクション、インテリアデザインはワンダーウォールの片山正通氏による

 また、オープンを記念して、9月26日からの4日間、7,000円以上購入した人を対象に景品が当たる「ビックロガチャ」を店頭に設置する。ビックロガチャでは、景品はミラーレス一眼やウルトラブック、ロボット掃除機のほか、メジャーなどのビックロオリジナルアイテムが当たるという。

オープンから4日間、7,000円以上購入した人を対象に景品が当たる「ビックロガチャ」を設置景品はミラーレス一眼やウルトラブック、ロボット掃除機のほか、メジャーなどのビックロオリジナルアイテムも用意されるオリジナルアイテムのピンバッジ

 さらに、「ビックロベーダー」というソーシャルシューティングゲームも9月11日よりウェブとスマートフォン向けにリリースする。ほかのユーザーと協力して、高得点を取ると、店頭のビックロガチャに参加できるメダルがもらえたり、オンラインストアで使えるクーポンが手に入るという。開発を手がけたのは、Webクリエイターの中村勇吾氏。


Webクリエイター中村勇吾氏が手がけた「ビックロベイダー」、高得点を出すと、クーポンやガチャに参加できるメダルがもらえる

 このほか店内には“お楽しみコンテンツ”として、モニターの前を通るとビックロのロゴがぶつかってきて、インタラクティブな動画を楽しめる「ビックロモニター」を設置。モニター上に自分の姿が映し出され、動きに反応して遊べる。


インタラクティブモニターには、モニター上に自分の姿が映し出され、動きに反応するという。同じくWebクリエイター中村勇吾氏が手がけた

 プロモーションも大々的に行なう。山手線や新宿駅構内をポスターなどでジャックするほか、東京中のチンドン屋を集めて、オープン日に新宿駅界隈でビックロのテーマソングを演奏するという。

山手線もジャックする予定新宿駅構内の天井まで広告で埋める予定という
新宿の地上にもポスターや看板を取り付ける店舗壁面のようす
新聞の折込広告もコラボする予定東京のチンドン屋を集めて、オープン日に新宿駅界隈でビックロのテーマソングを演奏するという

 発表会では、ビックカメラのCMでお馴染みの曲に合わせて、ビックロのテーマソングが披露された。CMキャラクターには、歌手の水木一郎氏が起用された。

CMキャラクターは歌手の水木一郎氏

“グローバル繁盛店”の目指すもの

 ビックロのオープンに先立ち、ビックカメラとユニクロでは約1年前から計画を練ってきたという。

ビックカメラ 宮嶋宏幸 代表取締役社長

 ビックカメラの宮嶋宏幸 代表取締役社長は、ビックロの狙いについて「1つの館(やかた)で、コラボレーションの魅力を訴求し、客数そのものを増やしていく。ここにいけばきっとなにかある、なにか楽しいものが見つかるということを発信をしていきたい。新宿は海外からの観光客も多い。日本の新しい技術、新しい製品を紹介して、量販店業界を回復軌道に乗せたい」と期待を込めた。

ユニクロ 柳井正 代表取締役会長兼社長

 ユニクロの柳井会長は、「日本を元気にしたい。家電は日本のお家芸なので、電気屋と服屋がハイブリッドに融合すれば、百貨店に匹敵する存在になる」と意気込む。また、売り上げが停滞する家電業界についてコメントを求められると、「新しい製品が新しい生活スタイルを生むが、昨今の家電は新しい生活を開発してない。今までにない発想で、新しい需要を喚起するような、そういう提示が必要なのでは」と発破をかけた。







(小林 樹)

2012年9月12日 00:00