8割が夏の節電を意識、セルコホーム調べ

 住宅販売メーカーのセルコホームは、20~59歳の男女2,000名を対象に「エコ住宅と省エネに関する調査」を実施した。調査では、電力需要の高まる夏を控え、節電や省エネ、住宅選びやエコ住宅について聞いている。

節電・省エネのために購入したい家電トップはエアコン

節電・省エネのために購入を検討している家電について聞いたところ、エアコンや冷蔵庫、照明器具、洗濯機など生活家電製品を挙げる人が多かった

 まず、節電や省エネについての意識調査では、65.1%の人が「自分は日頃から節電意識が高い」、80.6%が「2012年の夏は節電を実行しようと思う」と回答するなど、昨年に引き続き節電に対しての意識が高いことが明らかになった。その一方、23.2%の人が「節電疲れを感じる」を答えているなど、節電に取り組むことに疲れを感じている人もいた。

 年代別では、年が上がるほど節電意識が高くなる傾向がみられ、20代で55.4%であったのに対し、50代では73.4%となった。男女別では女性(69.7%)は男性(60.5%)よりも節電意識が高い結果になった。

 節電・省エネのために購入を検討している家電は? という設問のトップは「エアコン」(17.1%)、「冷蔵庫」(15.5%)、「照明(有機EL/LED照明・電球など)」(4.4%)、「洗濯機」(3.7%)、「テレビ(液晶/有機EL/LEDテレビなど)」(3.0%)などが挙げられ、省エネ機能に優れた生活家電製品を購入することで、節電・省エネに取り組むという人が多かった。

約半数が今夏の大規模停電を心配

 計画停電や今後のエネルギー対策については、53.3%の人が「今年の夏は大規模で突発的な停電が心配である」と回答。地域別に見ると、今夏に電力が供給不足になることが予測されている近畿地方(67.4%)や九州地方(58.7%)、昨年計画停電を経験した関東地方(59.1%)が高い結果となった。一方、大規模停電に備えているかという質問に対しては、昨年大規模停電を経験した東北地方(44.4%)と関東地方(38.4%)は比較的高かったものの、近畿地方(19.6%)や九州地方(16.6%)、北海道(12.5%)では低いという結果になった。

 また、「計画停電が実施されようとも、原子力発電所の再稼働には反対である」という設問については「あてはまる」が49.9%、「あてはまらない」が50.2%で半々の結果となった。地域別でみると東海地震の発生も危惧されている東海地方(61.2%)や原発事故のあった東北地方(57.3%)で割合が高かった。

今年の夏の大規模停電を心配する人は全体の53.3%に上った。一方停電について備えがあると答えた人は全体の28.8%に留まった原発稼働については全体ではほぼ半々の結果となった。地域別では東海地震の発生も危惧されている東海地方(61.2%)や原発事故のあった東北地方(57.3%)の割合が高かった

 「将来的に電力不足の解決が期待される自然エネルギーは?」という質問に対しては、「太陽光発電」(73.9%)、「風力発電」(59.5%)、「地熱・温泉発電」(55.8%)、「海流・波力・潮力発電」(41.8%)と続いた。太陽光・風力だけでなく多種多様な自然エネルギーに電力不足解決の期待が寄せられていることが、明らかになった。

電気料金値上げは「消費減退の要因」84%が回答

 東京電力が申請している電気料金値上げに関しては、反対が87.6%、容認が12.4%で反対派が多数を占めた。電気料金の値上げに関する社会への影響については「消費減退の要因になると思う」(84%)、「国内産業空洞化や失業率上昇につながると思う」(77.2%)と、電気料金の値上げが国内の産業や景気に悪影響を及ぼすと考えている人が多かった。

 しかし、電気料金の値上げが節電や省エネといった環境にやさしい生活を後押しするとする意見もみられた。「電気料金の値上げは節電に効果を発揮すると思う」が57.6%、「社会全体のエコ意識を高めると思う」が54.2%と結果になった。

 電気料金を含め、ランニングコスト全般についても調査している。毎月の支出額が気になり抑えたいと思うランニングコストは「電気代」が最も高く59%、次いで「携帯電話・スマートフォン代」が49.6%、「税金」が39.7%、「ガス代」が39.5%、「水道代」が39.0%となった。逆に、納得感のあるランニングコストについては「水道代」が44.9%、「携帯電話・スマートフォン代」が41.5%、「電気代」が36.7%となった。

電気料金の値上げに関する意識調査では反対が87.6%、容認が12.4%で反対派が多数を占めた。また、社会生活への影響を危惧する意見も多かった支出を抑えたいランニングコストのトップは電気代で59%が該当する

省エネ性能が高く、ランニングコストを抑えられる住宅に注目

 「生活を送る場」である住宅に対しての調査もまとめられた。住宅選びで大切なことはという質問(複数回答形式)に対しては、「耐震性・躯体・工法」(79.2%)、「水まわりの設備」(66.7%)、「耐久性・長寿命」(65.8%)、「高断熱・高気密によって冬暖かく夏涼しいこと」(63.8%)などが挙げられた。

 今後、将来的に重要性が高まると思うもの(複数回答形式)については、「耐震性・躯体・工法」(79%)、「節電・省エネ」(68.9%)、「太陽光発電システム等の創エネシステム」(58.3%)、「高断熱・高気密によって冬暖かく夏涼しいこと」(58.2%)、「光熱費等のランニングコスト」(57.7%)、「耐久性・長寿命」(57.5%)、「耐火性」(54.7%)などが続いた。セルコホームでは、災害に強く丈夫で長持ちする、創エネ・省エネが実現でき、ランニングコストを抑えることができる、といった住宅の重要性が高まっていくと分析する。

住宅選びで大切だと思うことについては「耐震性・躯体・工法」(79.2%)、「水まわりの設備」(66.7%)、「耐久性・長寿命」(65.8%)、「高断熱・高気密によって冬暖かく夏涼しいこと」(63.8%)などが挙がった今後重要性が高まると予想される事柄については「耐震性・躯体・工法」(79%)、「節電・省エネ」(68.9%)、「太陽光発電システム等の創エネシステム」(58.3%)、「高断熱・高気密によって冬暖かく夏涼しいこと」(58.2%)などが多かった





(阿部 夏子)

2012年6月19日 13:44