パナソニック、ナノイーの細菌抑制メカニズムをハーバード大と検証

 パナソニックは、米ハーバード大学と共同で、独自のイオン技術「nanoe(ナノイー)」による細菌を抑制するメカニズムを検証し、可視化に成功した事を発表した。

 ナノイーイオンは、空気中の目に見えない水分を集めて高電圧を加えて発生する、ナノサイズの小さな帯電微粒子水のこと。同社ではこれまで、衣類・カーテンに付着したニオイの脱臭効果やウイルス、細菌、真菌、花粉・ダニのアレル物質への抑制効果を実証しており、エアコンや冷蔵庫、掃除機といった生活家電にナノイーイオンの発生装置を搭載している。

 今回の検証では、細菌の一種であるセラチア菌に対する効果を確認。セラチア菌とは自然界の土や水の中、動物や人の腸の中にも存在する細菌で、院内感染症などを引き起こす原因ともなるという。

 実験では、45Lボックスの中で、セラチア菌溶液を滴下したステンレス板に、ナノイーを曝露。すると、90分後の生菌数は、ナノイーを曝露しなかった場合と比べ、98.7%抑制されていた。これにより、ナノイーは細菌の細胞膜を損傷させることで、細菌の活動を抑制させるというメカニズムがわかったという。

セラチア菌ナノイーの曝露後、細胞壁と細胞膜が著しく損傷した
ナノイー曝露後、90分経った段階でのセラチア菌の生菌数は、曝露しなかった場合と比べ、98.7%抑制されていた





(小林 樹)

2012年3月29日 16:14