東芝の“声で動くエアコン”は訛りも認識する
――音声機能の体験会を実施

大清快VOiCE NDRシリーズ

 東芝ホームアプライアンスは、同社が11月上旬より発売する「大清快VOiCE NDRシリーズ」について、同製品に搭載される音声認識機能に関する体験会を実施した。

 大清快VOiCEは「“世界初”声で動くエアコン」を謳った家庭用エアコンで、付属のリモコン「ボイスコントローラ」に言葉を話しかけることで、リモコンに触れずに、エアコンの運転が操作できる点が特徴。これにより、寝ている際に、暗闇で文字が認識しづらい場合、家事の最中でその場を離れられない時、リモコンを紛失してしまったり見つかりにくい場合に、便利に操作できるという。


NDRシリーズの設置例こちらが声でエアコンが操作できる付属のリモコン「ボイスコントローラ」就寝中や家事中の操作や、リモコンを紛失した際に便利という

動画前半では冷房運転をスタートし、後半ではストップした。なお、動画ではボイスコントローラーのボタンを押して音声認識回路を起動しているが、3回の拍手/ノックでも起動できる
ボイスコントローラーで操作できる言葉の一覧。この表にも書かれていないモードがある

 ボイスコントローラでは、あらかじめ運転できる言葉が26語登録されており、指定の言葉を話しかけることで、21のエアコン操作ができる。話しかける前には、ボイスコントローラ本体のスタートボタンを押す、または拍手やノックなどで3回音を鳴らすことで、音声認識回路を起動しておく必要がある。

 例えば、温度を下げる場合には「あつい」、上げる際には「さむい」と話しかければ、温度を上げる/下げるように運転を自動でコントロールする。運転を停止する場合は、「停止」でも「ストップ」でも対応する。

 また、言葉自体を認識するため、訛りなどでアクセントの位置が変わっても言葉を認識する。「あつい」の場合、「あ」や「つ」のどちらにアクセントを付けても、言葉を認識する。ただし、「あつか」のように言葉自体が変わる方言では、認識されない。

 同機能は東京・大阪で20~60歳の計320名に対し使用実験を行なっており、認識率は90%という。


「あつい」という言葉で運転を認識させているところ。訛りなどイントネーションの違いは問わない。しかし、「あつか」など言葉が変わってしまうと認識されない「確認」と告げると、現在の運転状況を言葉で教えてくれる

なんとジャンケンもできる。楽しさを重視した機能だ
電源は単三乾電池3本

 使用前に3回の拍手/ノックで音声認識回路を起動する理由としては、電池を持たせるためと、誤作動を防ぐためという。常に音声認識回路をONにしておくと電池の減りが早くなるが、使うときだけ音声認識回路を起動することで、通常のエアコンと同様、電池1セットで6カ月~1年間使用できるという。電源は設置のしやすさを考慮し、単三乾電池3本を使用する。

 拍手/ノックの回数が3回となった理由は、開発当初は2回だったが、同社が実際の家庭で試したところ、子どもが遊ぶ音などで誤動作が1日に50回以上発生していたことから、3回に変更したという。

 音声認識回路が音で起動する条件は、1.5秒に3回の音を検知した場合。会場では、笑い声が起きた際に音声認識回路が起動してしまうことが何度かあった。誤作動が起きやすい声の人と起きにくい人がいるという。なお、音声認識回路が起動した後、指定の言葉が認識されない場合は、すぐにOFFになる。

 ボイスコントローラが音声を認識する範囲は約1m程度。エアコンまで7m以内の位置に設置する。同範囲内であれば、360度どの位置に置いても問題ないという。音声認識機能の強制OFFや、ボイスコントローラから発する音声の調節も設定できる。10年以内の東芝のエアコン操作にも対応するが、涼風運転など、エアコン自体に搭載されていない機能は使用できず、またボイスコントローラ単品での販売は行なわれていない。

 音声操作では、ムダな運転を省く「おまかせ」や「節電」モードも設定可能。「おまかせ」と話すことで、部屋の明るさと人の動きに応じて運転を自動で調節し、「節電」と話すと、“業界最小”の0.2kWの低出力で運転する節電運転を実行する。

「節電」や「おまかせ」モードなど、便利な運転モードも音声で操作できる





(正藤 慶一)

2011年9月22日 14:06