東芝、壁にぶつからずに効率的な掃除ができるロボットクリーナー

Smarbo(スマーボ) VC-RB100

 東芝ホームアプライアンスは、先日発売を発表したお掃除ロボット「Smarbo(スマーボ) VC-RB100」のメディア向け説明会を行なった。発売日は10月1日。希望小売価格はオープンプライス。店頭予想価格は9万円前後。

 掃除機本体が室内を認識、自動で掃除するロボットクリーナー。同様の製品としては、iRobot社のルンバなどがあるが、国内大手家電メーカーのロボットクリーナーは、現時点ではスマーボのみとなる。

 同社では、開発の経緯についてロボットクリーナーの市場が順調に拡大を続けていること、共働きの夫婦の夫婦などが増えたことで、掃除する時間がないと感じている人が多いことなどを挙げた。

ロボットクリーナーの市場は順調に拡大を続けているというロボットクリーナーの認知度は95%を超える。また、ロボットクリーナーの所有者に購入の動機を聞いたところ「掃除に費やす時間を自分の時間に使える」と挙げた人がトップだった
東芝ホームアプライアンス リビング機器事業部 リビング機器企画部 グリーン商品企画担当 主任の小林博明氏

 東芝ホームアプライアンス リビング機器事業部 リビング機器企画部 グリーン商品企画担当 主任の小林博明氏は、スマーボを「これからの将来を見据えた次世代商品」とし、スマーボの一番の魅力としては「効率の良さ」を挙げた。

 本体には、2つのCPU(中央演算処理装置)と38個のセンシング機能、カメラ機能を搭載しており、センサーとカメラで得た情報をCPUで素早く分析、処理し、運転を制御するため、無駄な動きをせずに効率的な掃除ができるという。スマーボでは、室内を25cm平方の区画に分けて認識し、本体が掃除したルートを記憶しながら運転するため、一度掃除した場所を繰り返し掃除したりすることがないという。

 このため、約2畳分の広さを約2分の短時間で掃除できるとしている。本体は充電式で、充電時間は約120分。満充電時で、最大90分、約60畳(100平方m)まで掃除できる。1回の充電にかかる電気代は約2円。掃除終了後は自動で専用の充電台に戻り、再度充電を開始する機能も備える。

本体には2つのCPU(中央演算処理装置)と38個のセンシング機能、カメラ機能を搭載する本体裏側付属のリモコン
充電台充電中の様子。掃除終了後は自動で充電台に戻ってくる本体サイズは、355×355×93mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は3.7kg。手で持ち上げられるサイズだ

スマーボが動いている様子。動画では、手動で起動させているが、リモコンやタイマーによる運転も可能。長方形のスペースを順番に掃除している様子がわかる。また、壁に衝突せずに掃除している掃除終了後、自動で充電台に戻って来る様子

 また、赤外線方式の障害物センサーを本体前方に8個搭載。壁や物を検知し、衝突を避ける構造となっている。そのほか、赤外線信号で本体の動きを制御する「バーチャルガード」を本体に2個付属する。これは、植木や家具などスマーボを近づけたくない場所に「仮想フェンス」を設けることができるというもの。小林氏によると「基本的には本体のセンサーで物を検知するため、衝突の可能性は少ないが、小さくて細い物体などの場合、検知しない可能性もあるので、バーチャルガードを使った方が確実」だという。

本体に搭載されているカメラで天井や壁を撮影し、空間を認識する本体に搭載されている障害物センサーで壁や物を検知し、衝突を避ける赤外線信号で本体の動きを制御する「バーチャルガード」

 使い勝手の面では、自宅にあるスマーボ以外の掃除機を使ってゴミ捨てができる機能を搭載。ダストボックス上の簡単ゴミ捨てボックスを開いて、一般的な掃除機の吸い口を当てて、中のゴミを吸引するという機能で、ゴミ捨ての手間が省けるだけでなく、ゴミを触る必要がないため、衛生的だという。

 「ロボットクリーナーを持っている人の90%以上が、ロボットクリーナー以外にもう1台、掃除機を持っているという調査結果に基づいた機能」(小林氏)だという。

ダストボックス上の簡単ゴミ捨てボックスを開く掃除機を使って、中のゴミを吸い出すダストボックスを取り外してのゴミ捨てにももちろん対応する

 また、マンションなどでの使用を考慮して、フローリングで使用した場合の運転音は約52dBに抑えた。

 運転モードは、室内を等間隔で往復する「自動モード」、開始範囲を中心に約1.5mの範囲を掃除する「スポットモード」、室内を異なる方向から等間隔で往復する「念入りモード」、リモコンで操作する「手動モード」の4つを搭載するほか、回転ブラシの回転速度がアップし、しっかり掃除したい時やカーペットなどの掃除に便利な「ターボ」機能、壁・家具などの障害物の際まで掃除できる「かべぎわ」機能も搭載する。

 スマーボでは、壁に衝突しないようにプログラミングされているため、部屋の形状などによっては、壁際の掃除が行なえない場合があるが、「かべぎわ」機能では、壁際を念入りに掃除するため、部屋の隅々まで掃除できるという。また、同梱のモップを付けることで、フローリングの拭き掃除にも対応する。

本体には4つの運転モードを搭載するカーペット掃除に便利な「ターボ」や、壁際を念入りに掃除する「かべぎわ」機能なども備える付属のモップを取りつけることで、フローリングの拭き掃除にも対応する

 集塵方式は、本体両脇のサイドブラシ、本体下の回転ブラシ、フィルターなどを用いた独自の「6ステップゴミ取れ方式」を採用。本体からはみ出た形状のサイドブラシでゴミをかき集め、本体下の回転ブラシでゴミを捕える仕組み。

 本体サイズは355×355×93mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は3.7kg。本体充電時の消費電力は40W。バッテリーはニッケル水素電池。本体には、専用充電器、バーチャルガイド、お手入れブラシ、リモコンなどが付属する。本体カラーはプラチナブルー。充電器の電源コードの長さは1.5m。

 小林氏は「今後はもっと同様の製品が増えてくるだろう」と話し、「運転音や掃除時間、壁や物への衝突など、従来のロボットクリーナーが抱えていた問題を解消できる製品」とスマーボへの期待を語った。






(阿部 夏子)

2011年8月29日 15:16