日立、小型・軽量で捕集率99.999%の“最高級”紙パック式掃除機


 日立アプライアンスは、小型・軽量で排気のキレイさにもこだわった紙パック式掃除機「かるパック CV-PR200」を、9月10日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は6万円前後。


かるパック CV-PR200

紙パック式では最高級モデル。小型で軽量、捕集率は99.999%

 同社の紙パック式掃除機では最高級モデルに当たる製品で、従来よりも小型で軽量なボディを採用し、排気のキレイさを求めた点が特徴となる。同社の調べによると、ユーザーの掃除機に関するニーズとしては、紙パックでは「本体の軽さ」が上位となり、また紙パック式の最高級クラスでは、排気のきれいさが重要視されていることから、本体が小型でコンパクトであること、排気がキレイであることに注力したという。

紙パック式掃除機を購入する際には、本体の軽さが重視されるという。ちなみにサイクロンでは「排気のキレイさ」「フィルターの掃除のしやすさ」が上位最高級(プレミアム)クラスになると、排気のキレイさが最重要視される

従来モデル(左)と比べ、本体の体積を約28%、重量を約22%カットした

 まず本体サイズの面では、内部の高気密モーターケースをコンパクト化し、余計なスペースを最小限に抑制。この結果、サイズは330×266×224mm(幅×奥行き×高さ)で、体積は従来モデル「CV-RP2100」と比べて約28%小さくなった。重量では、強度解析により剛性を保ちながら薄肉化することで、従来よりも約22%軽い3.9kgとした。

 排気については、ファンモーターを覆う「高気密モーターケース」と、捕集性能の高い「高集じんフィルター」を合わせた、同社独自のクリーン排気構造を採用。紙パックをを通過した空気が、高集じんフィルターを介して排出されるため、吸い込んだゴミをほとんど逃がさず、きれいな排気が実現できるという。

 CV-200の捕集性能については、ドイツの第三者機関「SLG」にて、99.999%という高い捕集率が確認された。この試験評価は、捕集性能について規格化が進められているIEC(国際電気標準会議)に準拠した内容という。

 排気についてはさらに、運転中の排気風で床面のチリを舞い上げないよう、風を斜め上方向に排出し、排気風の吹き出し箇所を複数設けて排気の強さを和らげる「分散上方排気構造」とした。

本体の内部構造小型・軽量化を実現。本体の部品数も減らした本体内部に空気が通り抜ける仕組み。紙パックから出た空気を、「高集じんフィルター」で捕集している
捕集率は99.999%排気で床のゴミが舞い上がるのを抑える「分散上方換気」を採用している分散上方排気の構造
モーターの部品を改良し、ハイパワーを実現している

 また、モーターも改良。ファンの効率を高めた新形状の「3Dインペラ(三次元回転翼)」を内蔵した、日立独自の高性能ファンモーターを採用した。インペラにはブレード(羽根)にひねりが加えられており、これに高性能のディフューザー(固定翼)も導入することで、ファンの空気の流れがスムーズになり、圧力損失を低減できるという。さらに、ローターに新形状のコアを導入し、ファンモーター前の開口面積を拡大。強い吸込力で、ハイパワーが実現できるという。

 このほか、フローリングで拭き掃除効果のある「ワイドごみハンターヘッド」では、ブラシの密度を高め、ブラシを回転するモーターのパワーを約20%アップすることで、拭き掃除効果を強化している。また、床の質を感知してパワーを自動でコントロールし、消費電力を通常よりも最大で75%削減する「[eco]これっきりボタン」も採用する。

床の拭き取り効果を高める「高密度回転ブラシ」を新採用従来よりもブラシの密度を高めることで、拭き取りパワーがアップしている。また、モーターの回転力も約20%向上している旧製品(右)との拭き取り効果の比較。フローリングのチョークの汚れは、CV-PR200の方が取れている

写真下段が下位モデル

 紙パック式の下位機種としては、排気の分散機能がなく、捕集率が99%の「CV-PR20」、捕集率の実証が行なわれておらず、ヘッドのブラシの密度が低い「CV-PR10」も同時に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はCV-PR20が50,000円前後、CV-PR10が40,000円前後。

 なお、吸込仕事率については、紙パック式の全モデルで未定となっている。


サイクロン式の中位機種は、ティッシュが取り付けやすい構造に

 サイクロン式の新製品「CV-SR20」「CV-SR10」「CV-SR9」の3製品も、8月10日に発売する。同社が7月25日に発売したサイクロン式掃除機「2段ブーストサイクロン CV-SR3300」の下位機種に当たる製品。いずれもCV-SR3300に搭載されている、ゴミを遠心分離して圧縮する「2段ブースト機能」は省かれているが、紙パック式同様、吸込仕事率が“業界最高”の630Wとなっており(CV-SR20)、集塵ユニットに装着するティッシュが取り付けやすい構造になっている。

 価格はオープンプライスで、店頭予想価格はCV-SR20が50,000円前後、CV-SR10が40,000円前後、CV-SR9が30,000円前後。


サイクロン式のラインナップ。上段の「CV-SR3300」は既に発売中集塵ユニットに取り付けるティッシュがセットしやすくなったゴミはワンタッチで捨てられる

海外市場も好調。台湾では“掃除機の日立”

日立アプライアンス 常務取締役 家電事業部 石井吉太郎事業部長

 日立アプライアンス 常務取締役 家電事業部 石井吉太郎事業部長は、製品発表会にて日立の掃除機の海外展開について「おかげさまで東南アジア・中近東では売り上げを伸ばしている。特にタイではここ数年連続してシェアトップになっている。台湾でも連続ナンバーワンで“掃除機では日立”という評価を頂いている」とアピールした。

 そのうえで、「日本の家電市場はガラパゴス化が進んでいると言われているが、日本の消費者は世界一洗練された選択眼を持っており、それに応える技術開発こそが、世界の市場で生き残っていくと考えている」と、日本向け製品の進化が、海外市場の成長につながっていくと説明した。

 なおCV-PR200の6万円前後という店頭予想価格は、前年モデルよりも1万円安い価格となっている。





(正藤 慶一)

2010年7月26日 17:51